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学校を除籍・退学になったら在留資格はどうなるか 3か月要件と取り得る手段

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学校を除籍・退学になったら在留資格はどうなるか 3か月要件と取り得る手段

学校を除籍・退学になったら在留資格はどうなるか 3か月要件と取り得る手段

2026/09/03

除籍になったから、もう日本にはいられない。留学生の相談で最も多い思い込みがこれです。しかし法律上、除籍という学校側の処分と、在留資格の消滅とは別の事柄です。両者の間には時間があり、その時間の使い方で結論が変わります。

出入国在留管理庁の令和7年の統計によれば、在留資格の取消しは1,446件で、そのうち留学が343件を占めています。取消しは珍しい処分ではありません。しかし同時に、取消しに至る前に手を打てた事案も相当数あるはずだ、というのが実務での実感です。

この記事では、除籍から在留資格の取消しに至るまでの法的な道筋、その途中で取り得る手段、そして不法残留に至ってしまった場合の分岐までを、順に説明します。

除籍された瞬間に在留資格が消えるわけではない

結論として、学校が除籍や退学の処分をしても、それによって在留資格が自動的に失われることはありません。

在留資格は、在留期間の満了によって、または入管法22条の4に基づく取消処分によって失われます。除籍はそのいずれでもありません。除籍によって生じるのは、留学の在留資格に対応する活動を行っていない状態です。この状態が続くことが、取消しの引き金になります。

また、学校側には入管法19条の17に基づく受入れに関する届出義務があり、期限は14日以内が基本です。学生本人にも同法19条の16による届出義務があります。したがって、除籍の事実は通常、比較的早い段階で入管の知るところとなります。時間があるといっても、把握されていないという意味ではありません。

3か月要件はどのように数えられるか

入管法22条の4は、当該在留資格に応じた活動を3か月以上行わないで在留していることを取消し事由としています。ここで重要なのは、正当な理由がある場合が除かれるという点と、その判断を入管が個別に行うという点です。

実務上、正当な理由として説明を試みる余地があるのは、たとえば次のような事情です。

  • 転校の手続を進めており、次の教育機関への入学が具体的に決まっている
  • 疾病や負傷により就学が困難で、診断書等の裏づけがある
  • 在留資格変更許可申請をすでに提出し、審査中である
  • 学校側の事情により在籍が失われたもので、本人の帰責性が乏しい

逆に、除籍後に連絡先を変えて所在を明らかにしていない、資格外活動許可の範囲を超えて就労を続けているといった事情は、正当な理由の主張を著しく弱めます。とくに後者については、入管法24条4号イが、専ら在留資格外の活動を行っていると明らかに認められる者を退去強制事由としており、3か月の経過を待たずに問題となり得ます。

除籍を知った時点で取るべき行動

取り得る手段は、在留期間がまだ残っているかどうかで大きく変わります。残っているうちに動くことが決定的に重要です。

第一に、別の教育機関への入学を具体化することです。入学許可を得て在留資格変更または在留期間更新の申請につなげる道が最も直線的です。第二に、就労資格への変更を検討することです。学歴と職務内容の適合性が必要ですが、要件を満たすのであれば正面からの選択肢になります。第三に、いずれも難しい場合には、出国して再度の入国を目指すという判断もあり得ます。この場合、不法残留に陥る前に出国したかどうかで、その後の再入国の可能性がまったく変わります。

なお、在留資格の取消しがなされる際に、出国のための期間が指定されることがあります。指定された場合はその期間内の出国が前提となりますので、期間の有無と長さを必ず確認してください。

不法残留に至った場合の二つの道

在留期間が満了してもなお在留していれば、入管法24条4号ロの不法残留に該当します。この段階での分岐は二つです。

一つは入管法24条の3の出国命令です。速やかに出国する意思をもって自ら出頭したこと、不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと、過去に退去強制されたことも出国命令により出国したこともないこと、速やかに出国することが確実と見込まれることが要件とされ、加えて24条4号ハからヨまでのいずれにも該当しないことが求められます。出国命令により出国した場合、入管法5条1項9号の2により上陸拒否期間は1年です。

もう一つは退去強制手続です。退去強制令書により送還された場合、入管法5条1項9号により上陸拒否期間はイが1年、ロが5年、ハが10年と定められています。過去に退去強制されたことがある者が再び退去強制される場合は10年です。

この差は小さくありません。出入国在留管理庁の令和7年の統計では、入管法違反事件として手続が執られた18,442人のうち、退去強制手続が8,959人、出国命令手続が9,483人でした。自ら出頭したかどうかが、結果に反映される場面があるということです。

在留特別許可という選択肢

日本に在留を続ける必要が強い事情がある場合には、在留特別許可の検討が可能です。入管法50条2項は、収容令書により収容されている者および監理措置決定を受けた者に申請権を認めています。一方、同条3項により、退去強制令書が発付された後は申請ができません。時期を逃さないことが決定的です。

同条5項は考慮要素を法定しており、在留を希望する理由、家族関係、素行、本邦に在留することとなった経緯、在留期間、その他の事情が挙げられています。同条10項は、不許可の場合に理由を付記した書面によることを定めています。運用の基準としては、2024年6月に改定された在留特別許可に係るガイドラインが現行のものです。

刑事事件が背景にある場合

除籍の背景に刑事事件がある場合、判断枠組みはさらに変わります。

入管法24条4号リは、無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により刑の全部の執行を猶予された場合は除外されます。他方、入管法24条4号チは、麻薬・大麻・あへん・覚醒剤等に関する法令違反により有罪の判決を受けた者を退去強制事由とし、罰金でも執行猶予でも該当します。しかも薬物該当者は出国命令を利用できず、入管法5条1項5号により薬物関係の上陸拒否には期間の定めがなく、再入国は同法12条1項の上陸特別許可によるほかありません。

刑事手続と入管手続は別のルートで進みますが、刑事段階で作成された供述調書は違反審査や口頭審理の資料として用いられます。刑事の初期段階でどう述べるかが、その後の在留の可能性に直結します。

当事務所の対応

舟渡国際法律事務所では、松村大介弁護士が接見および打合せに直接対応します。中国語については外国人事件専属の通訳が常駐しており、ベトナム語をはじめとするその他の言語は事案に応じて通訳人を手配します。

刑事事件を伴う場合には、執行猶予付き判決を得れば足りるとは考えず、不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。刑事事件と入管手続は一体として設計し、退去強制事由への該当性についても故意や過失の有無を争う視点で方針を立てます。除籍後の在留資格についてのご相談では、残された在留期間を前提に、変更申請、転校、出頭のいずれを選ぶかを一緒に検討します。初回のご相談は無料です。微信IDは matsumura1119 です。

おわりに

除籍から在留資格の喪失までには段階があり、段階ごとに使える手段が違います。最も避けたいのは、どうにもならないと考えて連絡を絶ち、在留期間の満了を迎えてしまうことです。なお本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事のベトナム語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099267/

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