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仮釈放はなぜ外国人に認められにくいのか|帰住先と身元引受人

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仮釈放はなぜ外国人に認められにくいのか|帰住先と身元引受人

仮釈放はなぜ外国人に認められにくいのか|帰住先と身元引受人

2026/09/03

同じ刑期でも、仮釈放で早く社会に戻る人と、満期まで施設にいる人がいます。外国人の受刑者は、後者になりやすい傾向があります。

その理由は、本人の施設内での態度が悪いからではありません。仮釈放の判断が、刑務所の中の事情だけでなく、出た後にどこで誰と暮らすのかという、施設の外の条件に大きく依存しているからです。そして退去強制事由に該当している場合、この外の条件を組み立てること自体が難しくなります。

仮釈放とはどのような制度か

仮釈放は、刑期の満了前に、一定の条件のもとで受刑者を社会に戻す制度です。判断するのは刑務所ではなく、地方更生保護委員会という独立した機関です。委員会は、施設からの資料、本人との面接、保護観察所による生活環境の調整の結果などをもとに、許否を決めます。

ここで押さえておくべきなのは、仮釈放は刑期を短くする制度ではないという点です。残りの期間は保護観察に付され、遵守事項に違反すれば取り消されて残刑を執行されることがあります。つまり、社会内での監督が現実に機能するかどうかが、判断の中心にあります。

帰住先と身元引受人という条件

仮釈放の可否を実質的に左右するのは、帰住先と身元引受人です。出所後にどこに住むのか、誰が生活を支え、保護観察官や保護司との連絡窓口になるのか。この二つが具体的に定まっていない限り、社会内での監督が成り立たないと評価されやすくなります。

日本人の受刑者であれば、家族の住居や以前の勤務先が帰住先の候補になります。外国人の方の場合、家族が本国にいる、日本での住居を既に失っている、雇用契約が終了している、といった事情が重なりやすく、帰住先の確保そのものが壁になります。

さらに、身元引受人には日本国内で継続的に連絡が取れることが求められます。友人や同僚がその役を引き受けたとしても、その方自身の在留状況が不安定であれば、引受けの実効性が疑問視されることがあります。

退去強制事由に該当していると何が変わるか

退去強制事由に該当している場合、そもそも日本国内の帰住先を前提とした社会復帰計画が組みにくくなります。刑の執行が終われば入管の手続に移ることが見込まれるため、日本での生活環境を整えるという調整が、現実味を持ちにくいのです。

入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書があり、全部執行猶予が付された場合は除外されます。一部猶予でも実刑部分が1年以下であれば除外されます。実刑で服役している方は、この年数との関係を確認しておく必要があります。

薬物事犯は別扱いです。入管法24条4号チは、麻薬・大麻・あへん・覚醒剤等に関する法令違反で有罪の判決を受けた者を退去強制事由とし、罰金でも執行猶予でも刑の免除でも該当します。また24条4号の2は、強盗、不同意性交等、危険運転致死傷(自動車運転死傷処罰法2条・6条1項)等で拘禁刑に処せられた者のうち、別表第一の在留資格をもって在留する者を対象とします。

該当した場合の受け皿は在留特別許可です。入管法50条5項は、在留を希望する理由、家族関係、素行、在留することとなった経緯、在留期間その他の事情を考慮すると定めています。日本に配偶者や子がいて生活の実体が維持されているのであれば、その事実は帰住先の説明にも、在留特別許可の主張にも共通して効いてきます。

満期釈放の日に何が起きるか

満期釈放になった場合、その日のうちに自由になるとは限りません。退去強制事由に該当する疑いがあれば、釈放と同時に入管の手続へ移り、収容施設へ移されることがあります。荷物の受取りや連絡の段取りを、家族が事前に決めておく必要があるのはこのためです。

出入国在留管理庁の統計によれば、令和7年の退去強制令書による送還は7,563人で、その内訳は自費出国6,677人、護送官の同行のない国費送還505人、護送官が同行する国費送還318人でした。護送官が同行する送還は過去最高となっています。刑事手続の後に入管手続が続くという流れは、統計の上でも現実的な規模を持っています。

ご家族が今から準備できること

仮釈放の判断材料も、在留特別許可の判断材料も、その多くは家族が日本で用意できるものです。

  • 帰住先となる住居を確保し、賃貸借契約や同居者の在留資格を書面で示せるようにする
  • 身元引受人になる方の在留資格、住所、連絡先、引受けの意思を明確にしておく
  • 雇用先が受入れの意思を持つ場合、その意思を書面にしてもらう
  • 配偶者や子の在留資格、子の在学状況、扶養の実態を記録として残す
  • 領事関係に関するウィーン条約36条により、本国の領事機関への通報と領事との面会を求めることができる。本国側の手続の見通しを知る手がかりになります
  • 刑法34条の2は、刑の執行を終えた者が一定の期間、罰金以上の刑に処せられなければ刑の言渡しが効力を失うと定めています。長期的な見通しを立てる際の前提になります

よくある誤解

第一に、施設内で真面目に過ごしていれば仮釈放になるはずだ、という理解です。施設内の生活態度は判断材料の一つにすぎず、帰住先と身元引受人が定まらなければ、社会内での監督が成り立たないと評価されます。

第二に、仮釈放されれば入管の問題も解決するという誤解です。仮釈放は刑の執行に関する処分であり、退去強制事由の該当性を左右するものではありません。

第三に、執行猶予が付けば在留は安全という理解です。薬物事犯では入管法24条4号チにより、執行猶予でも退去強制事由に該当します。

当事務所の対応

舟渡国際法律事務所では、松村大介弁護士が接見と打合せに直接対応します。外国人事件については、中国語は専属の通訳が常駐しており、その他の言語は事案に応じて通訳人を手配する体制です。

弁護方針としては、執行猶予判決ではなお不十分であるという前提に立ち、不起訴処分を最優先の目標に据えます。仮釈放が視野に入る段階では、既に選択肢が限られているためです。捜査段階の供述調書は後の違反審査や口頭審理で入管が読む資料になるため、刑事事件と入管手続を一体として設計します。退去強制事由の該当性についても、故意や過失を争う視点を持ちます。初回相談は無料で、微信(WeChat)ID matsumura1119 でもご連絡いただけます。

終わりに

仮釈放が認められにくいという結果だけを見ると、外国人だから不利に扱われていると感じるかもしれません。しかし実際に判断を分けているのは、出所後の生活を具体的に描けるかどうかという一点です。そしてその条件は、服役が始まってから整えるより、刑事手続の段階から積み上げておくほうがはるかに整えやすいものです。本記事は一般的な解説ですので、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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この記事のタガログ語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099223/

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