舟渡国際法律事務所

著作権法違反・商標法違反で立件されたら 販売・複製と在留資格への影響

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著作権法違反・商標法違反で立件されたら 販売・複製と在留資格への影響

著作権法違反・商標法違反で立件されたら 販売・複製と在留資格への影響

2026/09/02

フリマアプリで販売していた商品について、ある日突然、警察から連絡が来た。動画や画像をまとめたサイトを運営していたところ、権利者からの申告をきっかけに捜査が始まった。著作権法違反・商標法違反のご相談は、こうした形で持ち込まれます。

この分野の特徴は、ご本人に犯罪をしているという意識が薄いまま行為が続いていることが多い点にあります。仕入れた商品が本物だと思っていた、みんなやっていると聞いていた、という説明が出発点になることも珍しくありません。

以下、問題となる行為、告訴の要否、販売目的の意味、在留資格への影響を整理します。

どのような行為が問題になるのか

商標法違反は、他人の登録商標を無断で使用した商品、いわゆる偽ブランド品を販売する行為や、販売の目的で所持する行為が中心です。売れていなくても、販売目的で在庫を持つ段階で問題になります。著作権法違反は、著作物を権利者の許諾なく複製し、あるいは公衆に送信できる状態に置く行為が中心です。動画や漫画のアップロード、業務用ソフトの無断複製、他人の写真の無断利用が典型です。海外から偽ブランド品を仕入れた場合には、輸入の場面で関税法上の問題が併せて生じることもあります。

告訴が要るかどうかで捜査の進み方が変わる

商標法違反は親告罪ではなく、権利者の告訴がなくても捜査と起訴が可能です。したがって、権利者と話がついているはずだから大丈夫、という想定は通りません。これに対し著作権法違反は、原則として権利者の告訴を必要とする親告罪ですが、一定の要件を満たす類型については、告訴がなくても公訴を提起できる規定が設けられています。告訴の有無に依存して安心できる領域は、以前より狭くなっています。

販売目的の有無が処分を大きく分ける

個人的に使うために1点を購入したのか、反復して仕入れ、値付けをして継続的に販売していたのかによって、評価は大きく変わります。捜査機関は、仕入れの記録、出品履歴、発送記録、売上金の流れ、複数アカウントの有無といった外形から営利性を判断します。ここで重要なのは、これらの資料はご本人の側にも残っているという点です。取引の全体像を整理して示すことができれば、関与の範囲を過大に評価されることを防げます。

権利者との示談と被害の回復

この類型では、権利者への対応が処分の判断に直接届きます。侵害品の廃棄、在庫の引渡し、出品の停止、販売数量と売上の開示、そして損害の賠償が具体的な材料になります。権利者側が民事の請求を並行することも多く、刑事と民事の窓口を一本化する必要があります。ただし、示談ができれば不起訴になると保証できるものではありません。令和7年版犯罪白書(令和6年のデータ)によれば、来日外国人被疑事件全体の起訴率は44.28%で、全体の40.38%を上回ります。ここでいう来日外国人は、永住者、永住者の配偶者等、特別永住者、在日米軍関係者、在留資格不明者を除く定義です。

在留資格にどう跳ね返るか

入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により全部の執行猶予が付された場合は除外され、一部猶予でも実刑部分が1年以下であれば除外されます。同法24条の2が列挙する重大犯罪は、強盗、不同意性交等、危険運転致死傷等であり、商標法違反や著作権法違反はここに含まれません。直ちに退去強制に至る類型ではありません。もっとも、素行は入管法50条5項が在留特別許可の考慮要素として明示する事項であり、国籍法5条1項3号は帰化の素行要件を定めています。営利性が認められた事案では、この評価が長く残ります。

副業としての転売と在留資格の関係

もうひとつの論点は、就労資格との関係です。留学や家族滞在の方が資格外活動の許可の範囲を超えて反復継続的に販売を行っていた場合、刑事事件とは別に在留資格上の問題が生じます。入管法22条の4は、正当な理由なく3か月以上その在留資格に応じた活動を行っていない場合等を取消事由とし、19条の16・19条の17は所属機関等に関する届出を14日以内に行うことを求めています。警察庁の令和7年の統計では、在留資格別の検挙人員は留学1,521人、技術・人文知識・国際業務1,069人でした。刑事処分より先に、在留の土台が崩れることがあるという点に注意が必要です。

立件されたときにできること

  • 出品を停止し、在庫の所在を明確にする。廃棄する前に、数量と状態を記録します
  • 仕入先とのやり取り、決済記録、出品履歴を保全する。営利性の範囲を示す資料になります
  • 刑訴法198条2項により黙秘権が告知され、同条4項により供述調書の読み聞けと増減変更の申立てができます
  • 通訳を求める。刑訴法175条・178条、自由権規約14条3項(a)(f)が根拠となります
  • 逮捕された場合は刑訴法39条1項により、立会人なしで弁護人と接見できます

よくある誤解を整理する

本物だと思って仕入れたから故意がない、という説明は出発点としては正しいものの、仕入価格や仕入先の性質から認識を推認されることが多く、裏づけが必要です。少額だから問題にならない、という理解も、継続性と営利性が評価の中心である以上、正確ではありません。権利者が告訴していないから捜査は進まない、という理解も、商標法違反では成り立ちません。罰金で終われば在留に影響しないという理解も、退去強制事由該当性と素行の記録は別だという点で不十分です。

当事務所の対応

舟渡国際法律事務所では、松村大介弁護士が接見と打合せに直接あたります。外国人事件について、中国語は専属の通訳が常駐しており、その他の言語は事案に応じて通訳人を手配します。この類型では、権利者対応と取引実態の整理を同時に進めることが結果を左右するため、執行猶予判決を目標にせず、不起訴処分を最優先の目標に置きます。あわせて、資格外活動や在留資格取消しのリスクを含め、刑事事件と入管手続を一体として設計します。初回相談は無料です。微信(WeChat)ID matsumura1119 でもご連絡いただけます。

おわりに

知的財産に関する事件は、証拠がインターネット上に残り続けるという特徴があります。裏を返せば、取引の全体像を自ら整理して示すことができる事件でもあります。早い段階で記録を押さえることが、処分の見通しを変えます。なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事の簡体字中国語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099193/

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