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闇バイトで受け子・出し子をしてしまったら|組織的詐欺での位置づけと離脱の主張

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闇バイトで受け子・出し子をしてしまったら|組織的詐欺での位置づけと離脱の主張

闇バイトで受け子・出し子をしてしまったら|組織的詐欺での位置づけと離脱の主張

2026/09/02

高額な報酬をうたう求人に応じ、指定された住所で封筒を受け取っただけ、あるいは渡されたカードで現金を引き出しただけ、という説明は、受け子・出し子の事案でほぼ例外なく聞かれる。しかし逮捕された時点で、捜査機関はその行為を組織的詐欺の一部分として位置づけている。

特に留学生や技能実習生など、収入が限られる立場の方が短期間で複数回の役割を担ってしまい、被害額が積み上がってから発覚するという経過をたどることが多い。

本稿では、受け子・出し子がなぜ共同正犯とされるのか、役割によって処分がどう変わるのか、途中でやめたという離脱の主張はどこまで通るのか、そして刑事処分が在留にどう跳ね返るのかを整理する。

受け子・出し子は原則として詐欺の共同正犯として扱われる

受け子や出し子は、詐欺グループの末端であっても、詐欺罪の共同正犯として扱われるのが通例である。詐欺は、うそを告げて相手を錯誤に陥らせ、財物を交付させることで完成する犯罪であり、現金や封筒を受け取る行為は、その最終段階そのものだからである。

本人が電話をかけていなくても、被害者に直接うそを述べていなくても、結論は基本的に変わらない。組織の全体像を知らなかったという弁解は、量刑の場面では意味を持ち得るが、共同正犯の成立自体を否定する力は弱い。ここを最初に正確に理解しておかないと、防御の方向を誤ることになる。

役割によって、争える点と処分の見通しが変わる

もっとも、すべての関与者が同じ評価を受けるわけではない。実務上は、関与した期間、回数、被害額、報酬の額、指示系統の中での位置、他の関与者を勧誘したかどうか、被害者への直接の接触の有無といった要素が、処分の重さを分けている。

受け子は被害者と対面するため、被害の実感に直結する立場と見られやすい。出し子は引出しにとどまるものの回数が積み重なりやすく、防犯カメラの映像で関与の全体像が固定されやすい。指示役や口座の手配役であれば、末端としての説明はもはや成り立たない。

参考として、令和7年版犯罪白書によれば、令和6年の詐欺の起訴率は、来日外国人被疑事件で53.35%、被疑事件全体で51.42%である。ここでいう来日外国人とは、永住者、永住者の配偶者等、特別永住者、在日米軍関係者及び在留資格不明者を除く定義であり、分母は過失運転致死傷等及び道路交通法違反を除く終局処理人員である。数字が示すとおり、起訴されにくい類型ではない。

離脱の主張はどこまで通るのか

途中でやめたという主張は、単に連絡を絶っただけでは足りないと考えられている。共犯からの離脱が認められるためには、それまでに自分が与えた因果的な影響を取り除いたと評価できる必要があるからである。

したがって、防御の焦点は次の点に置かれる。いつ、どのような形でやめる意思を伝えたのか。指示役に対して明確に断ったのか、それとも既読を無視しただけなのか。受け取った現金や携帯電話を返還したか。以後の犯行に自分の行為が使われないようにする措置を取ったか。警察へ申告したか。これらを裏づける通信履歴や記録が残っていれば、離脱の主張は具体性を帯びる。逆に、報酬だけ受け取って連絡を切ったという事情のみでは、離脱として評価されにくい。

刑事処分が在留資格にどう跳ね返るか

入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由と定めているが、同号の但書により、刑の全部の執行猶予が付された場合は除外される。一部執行猶予の場合も、実刑部分が1年以下であれば除外される。受け子・出し子の事案では被害額が大きくなりやすく、実刑となれば1年を超える可能性が現実的に生じるため、この境界は決定的な意味を持つ。

また、入管法24条4号の2は、強盗、不同意性交等、自動車運転死傷処罰法2条・6条1項の危険運転致死傷、盗難特定金属製物品処分防止法22条等の重大犯罪について、別表第一の在留資格をもって在留する者が拘禁刑に処せられた場合を退去強制事由としている。詐欺そのものはこの列挙に含まれないが、事案が強盗の形をとった場合には、留学や技術・人文知識・国際業務といった別表第一の在留資格の方にとって、意味合いが大きく変わる。

さらに、身柄拘束が長期に及んで学業や就労が途切れれば、入管法22条の4による在留資格の取消し(在留資格に応じた活動を3か月以上行わないで在留していること等)の問題も生じる。1年を超える実刑となり退去強制事由に該当した場合には、入管法50条の在留特別許可の検討に移り、同条5項が定める考慮要素(在留を希望する理由、家族関係、素行、本邦に在留することとなった経緯、在留期間その他の事情)に沿った主張立証が必要となる。

よくある誤解を三つ

第1に、荷物を受け取っただけだから詐欺ではない、という理解である。前述のとおり、受領行為は詐欺の完成部分そのものと評価される。

第2に、名前も知らない相手の指示に従っただけだから責任は軽い、という理解である。組織の実態を知らないことは、量刑事情としては考慮され得るが、犯罪の成立を左右しにくい。

第3に、退学や退職をすれば在留の問題は起きない、という理解である。実際には、活動を行わない状態が続くこと自体が入管法22条の4の検討対象となり得る。

ご本人・ご家族が取れる行動

ご本人は、取調べにおいて供述を拒む権利がある(刑事訴訟法198条2項)。調書の内容が違うと感じたときは、同条4項に基づき増減変更を申し立てることができる。通訳を介した取調べでは、意味のずれがそのまま記録される危険があるため、刑事訴訟法39条1項の接見交通権を用いて早期に弁護人と打ち合わせることが望ましい。

ご家族としては、募集を見た媒体の画面、指示役とのやり取り、報酬の受領状況、生活状況や学業・就労の資料を保存しておくことが有益である。被害者が特定できる事案では、被害弁償や示談の可能性を早期に探ることが、処分と在留の双方に影響する。

当事務所の対応

当事務所では、松村大介弁護士が接見と打合せに直接対応する。中国語については外国人事件専属の通訳が常駐しており、その他の言語については事案に応じて通訳人を手配する。

執行猶予判決を得れば足りるとは考えず、不起訴処分の獲得を最優先の目標とする。そのうえで、刑事事件と入管手続を一体のものとして設計する。刑事段階の供述調書は、後の違反審査や口頭審理で用いられ得るためである。退去強制事由に該当するかどうかの場面でも、故意や過失の有無を争う視点を維持する。初回相談は無料であり、微信(WeChat)ID matsumura1119 からもご連絡いただける。

おわりに

報酬の高さに理由があると気づいた時点で、すでに関与が始まっていることは多い。それでも、いつ、どのようにやめようとしたのかを具体的に示せるかどうかで、見通しは変わる。本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談いただきたい。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事の簡体字中国語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099143/

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