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少年時代の保護処分は在留審査で問われるのか 刑罰との違いから考える

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少年時代の保護処分は在留審査で問われるのか 刑罰との違いから考える

少年時代の保護処分は在留審査で問われるのか 刑罰との違いから考える

2026/09/02

10代のころに家庭裁判所で審判を受けた。当時は保護観察になり、そのまま学校生活に戻った。それから何年も経ち、就職して在留資格を更新する段になって、ふと不安になる。あのときのことは、入管に知られるのだろうか。書類に書かなければならないのだろうか。

この不安は、少年事件の手続が成人の刑事裁判とは別の仕組みで動くことから生じます。制度が違えば、在留審査での扱いも違ってきます。本記事では、保護処分と刑罰の違いを出発点に、入管法上どこまでが問題になり、どこからは問題にならないのかを整理します。

保護処分は刑罰ではない

少年審判における保護観察、児童自立支援施設等への送致、少年院送致は、いずれも保護処分であり、刑罰ではありません。少年審判は成人の公開の刑事裁判とは異なる手続で行われ、目的も処罰ではなく健全な育成に置かれています。したがって、保護処分を受けたことは、刑に処せられたことにも、有罪の判決を受けたことにも当たりません。この区別が、入管法の適用を考えるうえでの出発点になります。

刑を要件とする退去強制事由には該当しない

入管法24条の退去強制事由のうち、刑事処分を前提とするものを確認します。4号リは無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象とし、但書により全部執行猶予は除外されます。4号チは麻薬・大麻・あへん・覚醒剤等に関する法令違反で有罪の判決を受けた者を対象とし、罰金でも執行猶予でも該当します。4号ヘは入管法73条の罪により拘禁刑に処せられた者、4号の2は強盗、不同意性交等、危険運転致死傷等で拘禁刑に処せられた別表第一の在留資格者を対象とします。いずれも刑に処せられたこと、または有罪の判決を受けたことを要件としていますから、保護処分にとどまる限り、これらには該当しません。少年院送致であっても同様です。

検察官送致された場合は別

注意すべきは、家庭裁判所が事件を検察官に送致した場合です。この場合、事件は成人と同様の刑事手続に移り、公開の法廷で審理され、有罪であれば刑が言い渡されます。拘禁刑が言い渡されれば、前記の各規定の要件を満たし得ます。したがって、少年時代の事件だから当然に在留に影響しない、と一般化することはできません。ご自身の事件がどの手続で終わったのかを正確に把握することが、まず必要です。

刑事処罰を要件としない事由は年齢を問わない

もうひとつの落とし穴が、刑事処罰を要件としない退去強制事由です。入管法24条4号イは、専ら在留資格外の活動を行っていると明らかに認められる者を対象とし、刑事処罰を要件としません。同条3号の4は、不法就労助長行為をした者を、行為のみで対象とします。同条4号ロの不法残留も、在留期間を経過したという事実によって成立します。これらは年齢によって適用が変わるものではありません。少年事件として処理されたかどうかとは別に、事実関係そのものが評価されます。

更新審査や帰化での取扱い

在留期間の更新や在留資格の変更は法務大臣の裁量に委ねられ、公表されているガイドラインでは素行が良好であることが考慮要素とされています。保護処分は刑ではありませんが、申請書に賞罰の記載欄がある場合や、事実関係について説明を求められた場合には、正確に対応する必要があります。ここで事実と異なる説明をすれば、その説明自体が独立した不利益を招きます。帰化については、国籍法5条1項3号が素行が善良であることを要件としています。いずれの手続でも、隠すという選択が最も危険であるという点は共通しています。

統計から見える背景

警察庁の令和7年の統計では、来日外国人の総検挙人員は12,777人で、国籍別ではベトナムが4,167人(32.6%)と最も多く、中国2,062人(16.1%)が続きます。ここでいう来日外国人とは、永住者、永住者の配偶者等、特別永住者、在日米軍関係者および在留資格が明らかでない者を除いた定義です。この定義を知らないまま数字だけを見ると、実態を誤って理解することになります。統計を引用する場面では、定義まで含めて確認する姿勢が必要です。

よくある誤解

第1に、少年院に行ったのだから前科があるという理解です。保護処分は刑罰ではありません。第2に、少年事件は非公開だから入管には一切分からないという理解です。手続が非公開であることと、行政機関が事実関係を把握し得ることは別の問題であり、申請の場面で説明を求められることもあります。第3に、逆送されて刑を受けた場合も少年だから軽く扱われるという理解です。刑が言い渡されている以上、入管法の適用においては刑の内容が基準になります。

当事務所の対応

当事務所では、松村大介弁護士が接見と打合せに直接対応します。中国語については外国人事件専属の通訳が常駐しており、ベトナム語その他の言語については事案に応じて通訳人を手配します。少年事件では、成人事件と同様に不起訴処分の獲得を目指す場面と、家庭裁判所における処遇の見通しを整える場面とで、活動の内容が変わります。いずれの場合も、その後の在留審査や帰化申請を見据えて、事実関係と記録を整理しておくことを重視します。退去強制事由の該当性についても、故意や過失を含めて争う視点を持ちます。初回のご相談は無料です。微信(WeChat)ID matsumura1119 でもご連絡いただけます。

おわりに

過去の出来事について不安を抱えたまま申請に臨むより、制度上の位置づけを確認してから臨むほうが、結果としても心情としても落ち着きます。本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事のベトナム語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099117/

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