舟渡国際法律事務所

逮捕からの3日と20日、そのあとに始まる入管手続

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逮捕からの3日と20日、そのあとに始まる入管手続

逮捕からの3日と20日、そのあとに始まる入管手続

2026/09/02

刑事事件の解説の多くは、起訴か不起訴かが決まったところで終わります。しかし外国人の依頼者にとっては、そこが折り返し地点にすぎないことがあります。刑事の結論が出た後に、入管の手続が始まるからです。

本稿では、逮捕からの3日間と、その後の20日間の流れを確認したうえで、そのあとに続く手続、すなわち違反審査、口頭審理、出国命令、上陸拒否期間、そして在留特別許可までを一本の線としてつなぎます。

最初の3日間と、その後の20日間

刑事手続の前半は、二つの区切りで理解できます。警察は逮捕から48時間以内に事件を検察官へ送致し、検察官は24時間以内に勾留を請求するかどうかを決めます。ここまでが3日間です。

勾留が認められると原則10日間、延長されればさらに10日間が加わり、その満期までに起訴か不起訴かが決まります。最高裁判所の『あなたも法廷通訳を ごぞんじですか』令和7年1月版によれば、令和5年に要通訳事件で終局した被告人は3,851人で、そのうちフィリピノ語は6.2パーセントを占めています。

刑事の結論が出た後に何が始まるか

刑事の手続が終わると、在留資格に問題がある場合には入管の手続が始まります。身柄が警察や検察から入管へ引き継がれることもあり、刑事事件の終わりが解放を意味しないことがあります。

入管の手続は、違反調査、違反審査、口頭審理、法務大臣の裁決という順に進みます。ここで参照される資料には、刑事手続で作成された供述調書や判決が含まれます。つまり、刑事の段階で何をどう述べたかが、入管の段階でそのまま効いてきます。刑事と入管を切り離して考えないことが重要です。

退去強制事由と出国命令の分岐

入管の手続で最初に問われるのは、どの退去強制事由に当たるかです。入管法24条4号ロは不法残留、同号リは無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者を挙げますが、リについては但書により全部執行猶予が付された場合は除かれます。

同号チの薬物犯罪は、罰金でも執行猶予でも有罪判決であれば該当し、在留資格の別表を問いません。また入管法24条の3の出国命令は、要件のひとつとして4号ハからヨまでのいずれにも該当しないことを求めているため、薬物に該当する人は出国命令を利用できません。出国命令の他の要件は、速やかに出国する意思をもって自ら出頭したこと、不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと、過去に退去強制されたことや出国命令により出国したことがないこと、速やかに出国することが確実と見込まれることです。

上陸拒否期間の違いを知っておく

いったん日本を離れる場合、次に入国できるまでの期間は、どの手続で出たかによって変わります。入管法5条1項9号は退去強制歴による上陸拒否期間を定め、イが1年、ロが5年、ハが10年です。同項9号の2により、出国命令により出国した者は1年です。

これに対し、同項5号の薬物関係には年限がなく、期間の定めのない上陸拒否となります。罰金でも、外国の法令に違反した場合でも足ります。再入国は入管法12条1項の上陸特別許可によるほかありません。将来また日本で働きたい、家族と暮らしたいという希望があるなら、この違いは決定的です。

在留特別許可という最後の選択肢

退去強制事由に該当するとされた場合でも、入管法50条の在留特別許可を求める道があります。同条2項は、収容令書により収容されている者や監理措置決定を受けた者に申請権を認め、3項は退去強制令書の発付後は申請できないと定めています。申請の時期を逃さないことが重要です。

同条5項は、在留を希望する理由、家族関係、素行、本邦に在留することとなった経緯、在留期間その他を考慮要素として定め、10項は不許可の場合に理由を付記した書面を交付すべきことを定めています。運用の指針としては、2024年6月改定の在留特別許可ガイドラインが現行です。出入国在留管理庁の令和7年の統計では、在留特別許可の申請は2,424件、許可は1,026件、不許可は1,233件でした。

よくある誤解

第一に、不起訴になれば入管の問題も自動的に消えるという理解です。不起訴でも、不法残留などの退去強制事由が別に存在すれば手続は進みます。第二に、執行猶予なら在留は守られるという理解です。薬物事件では執行猶予でも入管法24条4号チに該当します。第三に、いったん帰国してから申請すればよいという理解です。上陸拒否期間の起算と長さは手続によって異なり、選択を誤ると再入国が長期にわたって難しくなります。

当事務所の対応

当事務所では、松村大介弁護士が刑事の接見から入管手続まで、担当を切り替えずに一貫して対応します。中国語については外国人事件専属の通訳が常駐しており、タガログ語を含むその他の言語については事案に応じて通訳人を手配します。

執行猶予判決でも在留への影響が残る場面があるため、不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。刑事の供述調書が違反審査や口頭審理の資料になることを踏まえ、刑事事件と入管手続を一体として設計し、退去強制事由の該当性についても故意や過失の有無を含めて争います。初回相談は無料で、微信IDはmatsumura1119です。

おわりに

3日、20日、そしてその先。外国人の事件では、この三つ目の区間まで見通して初めて、依頼者にとっての最善が見えてきます。本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事のタガログ語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099019/

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