舟渡国際法律事務所

差入れできるもの・できないもの 外国語の書籍と現金の扱い

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差入れできるもの・できないもの 外国語の書籍と現金の扱い

差入れできるもの・できないもの 外国語の書籍と現金の扱い

2026/09/02

接見に行けない家族にとって、差入れは本人と唯一つながる行為になります。ところが、何を持って行けばよいのか、どこまで認められるのかは、施設に着いてから初めて知ることが少なくありません。

差入れの取扱いは、法律で細部まで一律に決まっているわけではなく、各施設の運用に委ねられている部分が大きいのが実情です。ここでは、一般的に認められやすいもの、認められにくいもの、外国語の書籍を差し入れるときの注意、現金の扱い、そして在留カードの保管について整理します。

差入れは施設ごとの運用に従う

差入れの可否は、施設の管理と安全の確保という観点から判断されます。同じ品目でも、施設によって取扱いが異なることがあるため、事前に確認するのが確実です。

一般に受け付けられやすいのは、現金、下着や靴下などの衣類、書籍、便箋や封筒といった文房具です。逆に、食料品、飲料、医薬品、金属部品を含むもの、ひもや紐状のもの、電子機器などは、原則として認められません。持病の薬については、勝手に差し入れるのではなく、施設側に相談したうえで医師の診察を受ける流れになります。

現金は領置され、日用品の購入に使われる

差し入れた現金は、本人が直接持つのではなく、施設が領置して記録します。本人はその範囲で、日用品や書籍を購入することができます。

金額の上限や購入の頻度は施設の運用によります。差し入れる際は、後の精算や返還のために、日付と金額を控えておくとよいでしょう。釈放や移送の際には、領置されていた金品が本人に返還されます。なお、事件に関係する物品や、証拠となり得る物の差入れは認められません。

外国語の書籍は閲読までに時間がかかる

外国語の書籍や雑誌の差入れは、多くの施設で受け付けられていますが、内容の確認に時間を要します。日本語以外の書籍については、確認できる職員や翻訳の手配が必要になるためです。

そのため、差し入れてから本人の手元に届くまで日数がかかることがあります。辞書や語学書、宗教書などは比較的認められやすい一方、事件に関する記述を含むもの、暗号と受け取られ得る書き込みがあるものは避けるべきです。手紙を書籍に挟んで送ることもできません。差入れの際に、書名と冊数を控えておくと、後の確認が容易になります。

接見等禁止が付いている場合の取扱い

接見等禁止の決定が付いていると、面会も手紙のやり取りもできません。もっとも、差入れそのものが一律に禁止されるわけではなく、施設の運用に従って、衣類や現金の差入れが認められることがあります。

この期間に本人へ意思を伝える経路は、弁護人を通じたものに限られます。刑事訴訟法39条1項は、弁護人が立会人なしで接見し、書類や物の授受をすることができると定めています。家族からの伝言は、事件の中身に触れない範囲で、弁護人が内容を整理して伝えます。差入れの品を選ぶ際にも、弁護人に相談すれば、その施設の運用を踏まえた助言が得られます。

在留カードや旅券はどう扱われるか

逮捕の際、在留カードや旅券は所持品として領置されるのが通常です。ここは在留資格の問題に直結します。入管法23条は在留カード等の携帯および提示の義務を定め、同法75条の3は携帯義務違反を20万円以下の罰金、同法75条の2は提示義務違反を1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金としています。

身体拘束が続く間も在留期間は進みますから、期限が近い場合には、更新や変更の手続をどう扱うかを早い段階で検討する必要があります。あわせて、刑事処分そのものの影響も見ておかなければなりません。入管法24条4号リは無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により全部執行猶予が付された場合は除かれます。他方、同条4号チの薬物犯罪は罰金でも執行猶予でも該当し、入管法5条1項5号により期間の定めのない上陸拒否となります。出入国在留管理庁の令和7年末の統計によれば、在留外国人数は412万5,395人で、うち中国は930,428人です。

よくある誤解

第一に、好物を差し入れれば元気が出るという理解です。食料品は原則として認められません。第二に、日本語以外の本は差し入れられないという理解です。多くの施設で受け付けられますが、確認に時間がかかります。第三に、差入れの品に手紙を添えれば伝わるという理解です。接見等禁止の下では、手紙は本人に渡りません。

当事務所の対応

当事務所では、松村大介弁護士が接見に直接足を運び、その施設の差入れの運用と、本人が必要としている物を確認したうえで、ご家族にお伝えします。中国語については外国人事件専属の通訳が常駐しており、その他の言語については事案に応じて通訳人を手配します。

執行猶予判決でも在留への影響が残る場面があるため、不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。刑事の供述調書が入管の違反審査や口頭審理の資料になることを踏まえ、刑事事件と入管手続を一体として設計し、退去強制事由の該当性についても故意や過失の有無を含めて争います。初回相談は無料で、微信IDはmatsumura1119です。

おわりに

差入れは、単なる物のやり取りではなく、外の生活が続いていることを本人に伝える手段でもあります。運用を知っておけば、限られた枠の中でも意味のある差入れができます。本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事の簡体字中国語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099017/

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