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収容令書と監理措置決定|身柄はどうなるのか

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収容令書と監理措置決定|身柄はどうなるのか

収容令書と監理措置決定|身柄はどうなるのか

2026/08/27

在留期限を過ぎたまま日本で暮らしていて、そろそろ入管に出頭しようと考えているとき、いちばん重くのしかかるのは条文の話ではないと思います。その日のうちに身柄を拘束されて、家に帰れなくなるのではないか。小さなお子さんがいる方、通院を続けている方であれば、なおさらだと思います。

令和5年に改正された入管法(出入国管理及び難民認定法)が令和6年6月10日から施行され、退去強制手続の中で身柄をどう扱うかは、収容令書による収容と、収容しないで社会の中で生活しながら手続を進める監理措置の二本立てになりました。その分かれ目がどこにあるのか、監理措置になった場合に何を守らなければならないのかを、条文に沿って説明します。

出頭申告をしたら、その日のうちに収容されますか

必ずそうなるわけではありません。入国警備官による違反調査(入管法27条以下)の結果、退去強制事由に当たると疑うに足りる相当の理由があると認められると、主任審査官が、監理措置に付すか収容するかを審査します(39条2項)。収容と判断されれば収容令書が発付され(39条の2)、収容しないで手続を進めることが相当と判断されれば監理措置決定がされます(44条の2第1項)。在留期間を過ぎた残留は24条4号ロの退去強制事由に当たりますが、退去強制事由に当たることと、身柄を拘束されることは別の判断です。

収容令書による収容と監理措置決定は何が違いますか

収容は入管の施設に身柄を留め置く措置、監理措置は監理人の監理の下で社会の中で生活しながら手続を進める措置です。44条の2第1項は、逃亡し又は証拠を隠滅するおそれの程度、収容によりその人が受ける不利益の程度その他の事情を考慮して、収容しないで退去強制手続を行うことが相当と認めるときに、監理措置決定をするものと定めています。

すでに収容されている場合でも、本人が主任審査官に対して監理措置に付するよう請求できます(同条4項)。本人が年齢や疾病等で自ら請求できないときは、同居の配偶者、子、父母、その他の親族が、この順序で代わって請求できます(同条5項)。請求により、または職権で、放免して監理措置に付する決定がされることもあります(同条6項)。逃亡等の防止に必要と認められるときは保証金の納付が条件とされることがあり、額は法務省令で定められています(同条2項・6項)。なお、監理措置に付されている間は、70条1項5号にいう在留期間を経過して残留する者に該当しないものとみなされ、その間の在留は不法に在留することに該当しないものとみなされます(同条10項)。

監理人には誰がなれますか。何をする人ですか

監理人は、その責務を理解し、監理人となることを承諾している人であって、任務を遂行する能力を考慮して適当と認められる人の中から、主任審査官が選定します(44条の3第1項)。特定の資格は法律上要求されておらず、親族、知人、勤務先の関係者、支援者、弁護士などが想定されています。

役割は、条件の遵守を確保するために必要な範囲での生活状況の把握と指導・監督(同条2項)、本人の相談に応じ、住居の維持に係る支援・情報提供・助言その他の援助に努めること(同条3項)、法定の事由が生じたときの主任審査官への届出(同条4項)、求められたときの生活状況等の報告(同条5項)です。辞任にはあらかじめの届出が必要で(同条7項)、任務を継続させることが相当でないときは選定が取り消されます(同条6項)。引き受けてくださる方を早い段階で確保しておくことが、実際上とても重要です。

監理措置ではどのような条件が付き、どのような届出義務がありますか

決定の際には、住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他、逃亡と証拠の隠滅を防止するために必要と認められる条件(監理措置条件)が付されます(44条の2第1項)。条件を記載した監理措置決定通知書が本人に、その謄本が監理人に交付されます(同条7項)。本人には、条件の遵守状況、許可を受けて行った活動の状況その他法務省令で定める事項を主任審査官へ届け出る義務があり、時期と方法は法務省令で定められ、定期的に行う必要があります(44条の6)。届出を怠ったり虚偽の届出をしたりすると、監理措置決定の取消事由になります。転居した、監理人と連絡が取れなくなったといった変化があれば、自己判断で放置せず、監理人と弁護士にご相談ください。

監理措置中にアルバイトをしたらどうなりますか

許可を受けずに働くと、それ自体が犯罪になります。退去強制令書の発付前の監理措置では、主任審査官は、被監理者の生計を維持するために必要であって相当と認めるときに、監理人の同意を得た本人の申請により、生計の維持に必要な範囲で、主任審査官が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて行う報酬を受ける活動を許可することができます(44条の5第1項)。

この許可を受けないで報酬を受ける活動を行い、又は収入を伴う事業を運営する活動を行うと、70条1項9号に該当します。同項の法定刑は3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金であり、これを併科することもできるとされています。他方、退去強制令書の発付後の監理措置(52条の2)には、この就労許可の仕組みがありません。したがって同様の活動を行えば70条1項10号に該当し、同じ法定刑の対象となります。生活が苦しくなったときこそ、自分だけで判断して働き始めないでください。

監理措置が取り消されて収容されるのは、どのような場合ですか

44条の4が定めています。保証金を期限までに納付しなかったとき、監理人の選定が取り消され、監理人が辞任し、又は死亡した場合に新たな監理人がいないときは、監理措置決定は取り消されます(同条1項)。また、逃亡したとき又は逃亡すると疑うに足りる相当の理由があるとき、証拠を隠滅したとき又は隠滅すると疑うに足りる相当の理由があるとき、監理措置条件に違反したとき、許可を受けないで報酬を受ける活動などを行ったとき、届出をせず又は虚偽の届出をしたときは、取り消すことができます(同条2項)。

取り消されると、監理措置決定取消書とともに収容令書が発付され、収容されます(同条3項・6項)。納付した保証金は、その全部又は一部が没取されることがあります(同条5項)。さらに、監理措置条件に違反して逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じない場合には、72条3号に罰則も定められています。監理措置は自由な状態に戻ったということではなく、条件付きで社会内での生活が認められている状態です。

収容と監理措置は、在留特別許可の申請とどう関わりますか

直結します。50条2項は、在留特別許可の申請は、収容令書により収容された外国人又は監理措置決定を受けた外国人が、法務省令で定める手続により法務大臣に対して行うと定めています。つまり申請権は、収容令書による収容か監理措置決定かのいずれかに至って初めて生じ、それ以前は法務大臣の職権発動を促す活動という位置づけになります。そして同条3項により、退去強制令書が発付された後は申請できません。判断の時点は、入国審査官の認定(47条3項)や特別審理官の判定(48条8項)に服したとき、又は法務大臣が異議の申出に理由がないと裁決した後です(50条4項)。

監理措置で社会の中にいられるかどうかは、生活の便宜だけの問題ではありません。家族関係、住居、生計、就労歴を示す資料を集め、50条5項が定める考慮事情に沿って主張を組み立てる作業の進み方に直接影響します。身柄の問題と在留の問題は、切り離して考えられません。

摘発される前に、自ら動くことの意味

身柄の扱いという点でも、その後にもう一度日本へ来られる日という点でも、差が生まれます。監理措置に付するかどうかの判断では、逃亡し又は証拠を隠滅するおそれの程度が考慮されます(44条の2第1項)。違反調査が始まる前に自ら出頭し、住居がはっきりしていて、監理人を引き受けてくださる方が具体的に決まっている事案は、この点の説明がしやすくなります。また、在留特別許可に係るガイドライン(令和6年3月改定、同年6月10日施行)は、不法滞在を申告するため自ら地方出入国在留管理官署に出頭したことを積極要素として考慮すると明記しています。他方、不法滞在の長期化は消極要素として評価されます。

帰国を選ぶ場合の年数も変わります。違反調査の開始前に自ら出頭した人(24条の3第1号イ)が出国命令により出国した場合、上陸拒否期間は出国した日から1年です(5条1項9号ホ)。これに対し、違反調査が始まった後に出国意思を表明した人(同号ロ)が、その後に短期滞在の活動を行おうとする場合は5年となります(5条1項9号ヘ)。摘発されて出国命令の要件を欠けば退去強制となり、退去の日から5年(9号ハ)、過去に退去強制歴や出国命令歴があれば10年(9号ニ)です。どの順序で動くかが、後の年数を決めます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号59077、2019年登録)が、初動の接見から公判の結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士に代行させることはありません。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者本人のために動く立場の通訳をご利用いただけます。刑事手続後の在留資格の更新や変更等は、提携の行政書士とワンストップで対応します。

解決事例のひとつは、難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事案です。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴されました。婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的な観点から交渉して婚姻と認知を実現し、刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行い、過去の許可事例の分析を踏まえて許可を得ています。

もうひとつは、不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した女性の事案です。退去強制事由には故意も過失も要しないとする従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められています。

身柄をめぐる場面では、監理人となってくださる方の確保、住居と生活状況の疎明、監理措置に付するよう求める請求の準備など、出頭の前にできることがいくつもあります。初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りいたします。

結び

収容になるか監理措置になるかは、出頭したその時点で手元にある材料によって、説明の説得力が大きく変わります。住居、監理人を引き受けてくださる方、家族関係と生活の実態を示す資料。これらを動く前に整えておくことが、何よりの備えです。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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