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更新申請中に在留期限が来た場合は不法残留になりません|入管法20条6項の特例期間

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更新申請中に在留期限が来た場合は不法残留になりません|入管法20条6項の特例期間

更新申請中に在留期限が来た場合は不法残留になりません|入管法20条6項の特例期間

2026/08/27

在留期間の更新を申請したのに、審査の結果が出ないまま、在留カードに書かれた期限の日が過ぎてしまった。自分は今、不法残留(オーバーステイ)の状態なのではないか。仕事を続けてよいのか。そう考えて眠れない夜を過ごしておられる方は、決して少なくありません。まず結論を申し上げます。在留期間が満了する日までに更新(または変更)の申請をしていて、その申請に対する結果がまだ出ていないのであれば、あなたは不法残留ではありません。出入国管理及び難民認定法(入管法)20条6項が、そのための期間を定めているからです。この期間は一般に「特例期間」と呼ばれています。

更新申請中に在留期限が過ぎたら不法残留になりますか

なりません。入管法20条6項は、期限内に申請をした外国人について、在留期間が満了した後も、引き続き従前の在留資格をもって日本に在留することができると定めています。在留期間の更新の申請についても、入管法21条4項によって20条6項が準用され、同じ扱いになります。つまり、在留カードの期限の日を過ぎていること自体は、直ちに不法残留を意味しません。

特例期間が働くための前提は、次の二つです。

  • 在留期間が満了する日までに、在留期間の更新または在留資格の変更の申請がされていること
  • その申請に対する処分(許可または不許可の判断)が、在留期間の満了の日までにされていないこと

この二つが満たされている限り、あなたは適法に日本にいます。反対に、期限を過ぎてから申請をした場合には、この特例期間は働きません。ここが最も分かれ目になる点です。

特例期間はいつまで続きますか

入管法20条6項は、特例期間の終わりを、(1)その申請に対する処分がされる日、または(2)従前の在留期間の満了の日から2月を経過する日のうち、いずれか早い日までと定めています。たとえば、もとの在留期間の満了の日が3月31日であれば、遅くとも5月31日には特例期間が終わります。それより前に許可または不許可の判断が出れば、その判断が出た日で終わります。

したがって、「申請さえしておけば、結果が出るまでいつまでも大丈夫」という理解は正確ではありません。上限は2か月です。

なぜ特例期間中は犯罪にならないのですか

不法残留を処罰する条文の書き方に、その理由がはっきり表れています。入管法70条1項5号は、処罰の対象を「在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間(20条6項の規定により本邦に在留することができる期間を含む。)を経過して本邦に残留する者」と定めています。括弧の中に注目してください。20条6項の特例期間は、この条文がいう「在留期間」に含まれるのです。

ですから、特例期間の中にいる方は、そもそも「在留期間を経過して残留する者」に当たりません。犯罪が成立しないという以前に、条文の要件を満たしていないということです。なお、この条文の法定刑は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科です。不法残留は、行政上の問題にとどまらず刑事罰の対象となる犯罪であり、同時に入管法24条4号ロにより退去強制の理由にもなります。だからこそ、自分が今どちらの側にいるのかを正確に把握することが大切なのです。

特例期間中も、これまでどおり働いたり学校に通ったりできますか

入管法20条6項は、特例期間中は「引き続き当該在留資格をもつて本邦に在留することができる」と定めています。つまり、従前の在留資格がそのまま続いている状態ですから、その在留資格で認められていた活動を続けることができます。就労資格をお持ちの方が同じ勤務先で働き続けること、留学の在留資格をお持ちの方が学校に通うことは、この期間中も変わりません。

ただし、資格外活動許可に基づくアルバイトについては、許可の内容と範囲を必ず確認してください。認められた範囲を超えて働けば、特例期間とは別の問題として、入管法70条1項4号や24条4号イの資格外活動の問題になります。実務上つまずきやすいのは、勤務先の担当者や役所の窓口で「在留カードの期限が切れている」と言われてしまう場面です。申請を受け付けた際の書面(受付票など)は必ず保管し、いつでも示せるようにしておいてください。

在留期間が過ぎてから更新を申請した場合はどうなりますか

その場合、特例期間の適用はありません。在留期間の満了の日を過ぎた時点で、入管法70条1項5号の不法残留に当たり、同時に24条4号ロにより退去強制の理由にも当たります。「あとから申請したのだから大丈夫だろう」という理解は、残念ながら誤りです。

もっとも、それで道が閉ざされるわけではありません。入管法50条1項は、退去強制の対象となる場合であっても、法務大臣が在留を特別に許可できることを定めています。その5号は「その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき」という一般的な受け皿で、不法残留の事案の多くはここで判断されます。うっかり期限を過ぎてしまった経緯、日本での生活の実態、家族関係、素行といった事情は、同条5項に列挙された考慮事情として正面から評価されます。大切なのは、気づいた時点で放置しないことです。時間が経つほど、不法残留の期間が長くなり、不利な事情が積み上がっていきます。

更新が不許可になったら、いつから不法残留になりますか

入管法20条6項は、特例期間が「処分がされる日」までであると定めています。不許可という処分がされれば、その日で特例期間は終わります。そのまま日本に残れば、70条1項5号・24条4号ロの問題が生じることになります。

不許可の通知を受けた後の取扱いは、事案の内容によって異なります。ご自身の判断だけで結論を出さず、通知を受け取った時点で、できるだけ早く弁護士にご相談ください。この段階では、まだ選べる道が残っていることが少なくありません。

特例期間の2か月を過ぎても結果が出ないときはどうすればよいですか

条文の上では、従前の在留期間の満了の日から2月を経過した日で、20条6項によって在留できる期間は終わります。処分がまだ出ていないという事情があっても、条文はその日を上限としています。

ですから、この時期が近づいてきたら、待ち続けるのではなく、申請をした地方出入国在留管理官署に審査の状況を確認してください。追加の資料の提出を求める連絡が届いていた、住所の変更で通知が届いていなかった、といった行き違いが原因であることもあります。ご自身で確認しにくい事情がある場合は、弁護士にご相談ください。

摘発される前に、自ら動くことの意味

特例期間を過ぎてしまった場合、あるいはそもそも期限後の申請だった場合には、次に何をするかで、その後に日本へ戻ることができるまでの年数が大きく変わります。ここには明確な法的根拠があります。

入管法24条の3は、出国命令という制度を定めています。これは収容を前提としない手続で、主任審査官が15日を超えない範囲で出国期限を定めて出国を命じるものです(55条の85第1項)。対象となるには、次の5つの要件をすべて満たす必要があります。違反調査の開始前に、速やかに出国する意思をもって自ら出入国在留管理官署に出頭したこと(24条の3第1号イ)、または違反調査の開始後、47条3項の通知を受ける前に出国の意思を表明したこと(同号ロ)。24条3号から3号の5まで、4号ハからヨまで、8号または9号のいずれにも該当しないこと。入国後に、住居侵入、文書偽造、窃盗、詐欺、傷害等の一定の罪により拘禁刑に処せられていないこと。過去に退去を強制されたこと、または出国命令により出国したことがないこと。そして、速やかに出国することが確実と見込まれることです。

そして、その後日本に戻れるようになるまでの期間(上陸拒否期間)は、次のように分かれます。違反調査が始まる前に自ら出頭して出国命令で出国した場合は、出国した日から1年です(5条1項9号ホ)。これに対し、違反調査が始まってから出国の意思を表明した場合(24条の3第1号ロ)に、その後、短期滞在の活動をしようとするときは5年となります(5条1項9号ヘ)。さらに、摘発によって出国命令の要件を欠き、退去強制となった場合には、退去強制歴等がなければ5年(同号ハ)、すでにあれば10年(同号ニ)です。

加えて、在留特別許可に係るガイドライン(令和6年3月改定、同年6月10日施行)は、「当該外国人が、不法滞在を申告するため、自ら地方出入国在留管理官署に出頭したこと」を積極要素として考慮すると明記しています。他方で、不法滞在が長期化していることは消極要素として評価されます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属)は、接見の初動から公判の結審まで、全ての工程を自ら直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者本人のために動く立場の通訳をご利用いただけます。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携の行政書士とワンストップで対応します。

難関とされた在留特別許可を一度の手続で獲得した事例。観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの、在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況の下でも有利な証拠を集め、当局の過去の許可事例を分析することで、一回の手続で在留特別許可を得ました。

不法就労助長を問われ、退去強制の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、日本を離れざるを得ない状況に置かれた女性の事案です。「退去強制の理由には故意・過失が不要である」とする従来の実務に対し、責任主義の考え方がどこまで及ぶのかを問う訴訟を提起し、上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りいたします。在留カードの期限が過ぎているのかどうか自分では判断がつかない、という段階でも構いません。手元の在留カード、パスポート、申請の際の受付票、入管から届いた書面をお持ちいただければ、状況を整理してご説明します。

おわりに

期限内に更新の申請をしていれば、結果を待つ間も、あなたは適法に日本にいます。焦って誤った行動を取る必要はありません。他方で、特例期間には2か月という上限があり、不許可の処分がされればその日で終わります。期限を過ぎてからの申請には、そもそも特例期間の適用がありません。どの段階にいるのかによって、取るべき行動はまったく異なります。だからこそ、早い段階で状況を正確に確認することが何よりも大切です。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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