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技能実習生・特定技能の中国人が事件を起こしたとき在留資格はどうなりますか

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技能実習生・特定技能の中国人が事件を起こしたとき在留資格はどうなりますか

技能実習生・特定技能の中国人が事件を起こしたとき在留資格はどうなりますか

2026/09/05

技能実習や特定技能で来日した方の事件は、事件そのものより、その前後の生活の崩れ方に特徴があります。実習先の環境に耐えられず職場を離れる、住む場所と収入を同時に失う、知り合いに紹介された仕事に手を出す。その過程で、在留資格は刑事手続とは別のところで静かに失われていきます。出入国在留管理庁の統計によれば、令和7年の在留資格取消し1,446件のうち技能実習は973件(67・3%)で、全体の三分の二を占めています。

本記事の要点

  • 失踪すると、刑事事件になっていなくても、活動を継続して3か月以上行っていないとして在留資格取消しの対象になり得ます。
  • 技能実習・特定技能はいずれも別表第一の在留資格であり、窃盗・詐欺・傷害等では執行猶予付きの判決でも退去強制事由(入管法24条4号の2)に該当します。
  • 同じ「職場から物を持ち出した」でも、窃盗と横領では列挙の有無が違うため、在留への影響が変わります。
  • 受入れ機関に解雇されると住居と身元引受人を同時に失い、保釈にも在留にも直結します。
  • 技能実習から特定技能への切替えでは素行が審査されるため、刑事事件の処分内容が将来の在留を左右します。

実習先から失踪するとどうなりますか

まず、受入れ機関から失踪の届出が行われます。次に、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない状態になれば、在留資格取消しの対象になり得ます(入管法22条の4第1項6号。正当な理由がある場合を除きます)。取消しの際、30日を超えない範囲で出国のための期間が指定されることもあれば、指定されずに退去強制手続へ進むこともあります。在留期限そのものを過ぎれば不法残留(同法24条4号ロ)です。

さらに危険なのは、失踪後の生活が別の事件につながる構造です。報道でも、実習先から失踪した方が偽造在留カードの製造や提供に関与し、微信で指示を受けて日当を得ていたという事例が複数伝えられています。仕事を紹介する人物が、在留カードや口座を用意すると持ちかけてきたときは、それ自体が新たな刑事事件の入口です。

職場の物を持ち出した場合、窃盗と横領のどちらになりますか

他人が管理している物を持ち去れば窃盗、自分が業務上預かって管理している物を領得すれば業務上横領というのが基本的な区別です。刑事の量刑だけを見れば大差ないように思えますが、在留資格への影響は大きく異なります。入管法24条4号の2の列挙に、窃盗の章は含まれ、横領の章は含まれていないからです。

罪名24条4号の2の列挙執行猶予付き判決の場合
窃盗(刑法第36章)列挙あり別表第一の在留資格なら退去強制事由に該当
詐欺・恐喝(第37章)列挙あり同上
盗品等(第39章)列挙あり同上
傷害(第27章)列挙あり同上
横領・業務上横領(第38章)列挙なし直ちには該当しない(更新の素行要件では不利)
過失運転致死傷列挙なし同上

この違いは、捜査段階でどの罪名として整理されるかにかかっています。事実関係が固まる前の説明の仕方が、後の在留に直接効いてくる場面です。外国人の窃盗・万引き事件もご覧ください。

受入れ機関や監理団体との関係はどうなりますか

逮捕されると、実務上ほとんどの場合、受入れ機関は雇用を終了させ、寮からの退去を求めます。ここで失われるのは仕事だけではありません。刑事事件で保釈を請求するには制限住居と身元引受人が必要ですが、その両方を一度に失うことになります。監理団体や登録支援機関が引受けに消極的な場合、日本国内に頼れる人がいないという状態が、保釈の可否を左右します。

したがって当事務所は、受任後すぐに、住居として示せる場所と引受人となり得る人を探すところから着手します。同時に、受入れ機関側の説明が事実と食い違っていないかも確認します。なお技能実習制度は、令和6年に成立した法律により育成就労制度へ移行することとされており、施行はこれからです。制度の名称や監理の枠組みが変わっても、住居と身元引受人が要になるという実務は変わりません。

技能実習から特定技能へ切り替えられますか

制度としては、技能実習から特定技能へ移行する道が用意されています。ただし特定技能の在留資格には、申請人の素行が善良であることが求められています。刑事事件があると、処分の内容がここで審査されます。不起訴であれば有罪判決が存在しないため説明の余地は広く、罰金であっても内容次第では移行が認められる場合があります。他方、拘禁刑の判決を受けていれば、そもそも退去強制事由に該当していないかを先に確認しなければなりません。

この順序が重要です。切替えの相談に来られた時点で、刑事処分の内容がすでに決まっていることが多く、後から取り返すことができません。刑事手続の入口の段階から、将来の在留資格の切替えを見据えて処分の内容を取りにいく必要があります。

在留資格を取り消されたら、すぐに帰国しなければなりませんか

取消しの類型によります。出国のための期間が指定されればその期間内に出国することになり、指定されない場合は退去強制手続に進みます。退去強制手続に進んだ場合でも、収容されるとは限りません。令和5年改正入管法により、収容によらずに手続を進める監理措置の制度が設けられ、出入国在留管理庁によれば、令和6年6月10日の施行から同年末までの監理措置決定は1,123件、監理人の9割以上は親族・知人でした。

また、退去強制事由に該当する場合でも、在留特別許可を求める道があります。令和7年の在留特別許可は1,030人でした。もっとも許否は在留の状況、家族関係、素行その他の個別事情によるため、結果を保証することはできません。当事務所は不法就労助長罪が認定された事件で在留特別許可を得た実績がありますが、同じ結論が保証されるものではありません。退去強制・在留特別許可・監理措置をご確認ください。

失踪する前にできることはありますか

あります。賃金が支払われない、暴力や暴言がある、契約と違う作業をさせられているといった事情がある場合、実習先の変更が認められる余地があります。外国人技能実習機構には母国語で相談できる窓口があり、労働基準監督署に申告する方法もあります。失踪してしまうと、被害を訴える立場から、在留資格を失った立場へと一気に変わってしまいます。順番を逆にしないことが、最も重要な防御です。

すでに失踪してしまった方、事件になってしまった方も、時期が遅すぎるということはありません。当事務所は、起訴前の不起訴処分の獲得を最優先に据え、刑事弁護と入管手続を同じ弁護士がワンストップで担当します。退去強制事由についても故意・過失を争うという立場から主張を組み立てます。松村大介弁護士本人が初回接見から一貫して担当し、外国人事件専属の中国語通訳が在籍しています。微信で中国のご家族と直接連絡を取ることもできます。ご相談はお問い合わせから。

よくある質問

失踪して働いていた期間の給料は、請求できますか

資格外の就労であっても、実際に働いた分の賃金は労働の対価として請求できるのが原則です。もっとも請求の過程で就労の事実が明らかになりますので、在留手続への影響を踏まえて進め方を決める必要があります。

不起訴になれば、実習を再開できますか

刑事手続としては終わりますが、受入れ機関が雇用を継続するかは別問題です。雇用が終了していれば活動の基礎が失われるため、受入れ先の再確保か、他の在留資格への変更を検討することになります。

特定技能で働いていて罰金を受けました。更新できますか

罰金は拘禁刑ではないため、退去強制事由の各号には直ちに該当しません。ただし素行の審査で考慮されるため、内容、反復の有無、被害弁償の状況を説明できるかが分かれ目になります。

監理団体が身元引受人になってくれません。どうすればよいですか

引受人は親族や監理団体に限られません。同じ地域に住む知人、支援団体の関係者が引受人になる例もあります。弁護人が生活状況とともに陳述書を作成し、裁判所へ提出します。

帰国した後、また日本で働くことはできますか

退去強制を受けた場合、一定期間は上陸拒否事由に当たります。期間や、その後の再入国の可否は、退去強制の理由と過去の経緯によって異なります。帰国前に、次にどの道が残るのかを確認しておくことをお勧めします。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。結論は罪名、在留資格、在留歴その他の事情によって変わります。具体的なご事情は弁護士にご相談ください。

本記事は2026年9月時点の情報です。

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田3-4-10 布施ビル本館3階)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。外国人事件専属の中国語通訳が在籍し、逮捕直後の接見から在留手続まで弁護士本人が一貫して対応する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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