舟渡国際法律事務所

日本で逮捕されたらまず何をすべきか 初動で決まること

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日本で逮捕されたらまず何をすべきか 初動で決まること

日本で逮捕されたらまず何をすべきか 初動で決まること

2026/09/02

逮捕された直後の数時間は、制度の説明を受けても頭に入りにくい時間です。それでも、この時間に選んだことが、その後の二十日間と、場合によっては在留の可否まで決めていきます。

ここでは、実際によく寄せられる質問の順番、すなわち、話すべきか黙るべきか、弁護士はどう呼ぶのか、大使館は何をしてくれるのか、家族にはいつ連絡が行くのか、という順で説明します。最後に、刑事の結果が在留資格にどう跳ね返るかまで接続します。

最初に決めるのは、供述するかどうかである

初動で最初に決めるべきなのは、取調べで話すかどうかです。刑事訴訟法198条2項は、取調べに先立ち、自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げなければならないと定めています。黙秘権は権利であって、行使したこと自体が不利益に扱われる仕組みにはなっていません。

特に注意が必要なのは、供述調書が日本語で作成されるという点です。通訳を介して読み聞かされますが、細かな言い回しは訳出の過程で変わり得ます。刑事訴訟法198条4項は増減変更の申立てを認めていますので、内容に納得がいかないまま署名しないことが重要です。事件によっては刑事訴訟法301条の2により取調べの録音録画が義務づけられています。

弁護士はどうやって呼ぶのか

弁護士を呼ぶ方法は三つあります。当番弁護士を要請する、勾留段階で国選弁護人の選任を求める、そして本人または家族が私選弁護人を依頼する、という三つです。

当番弁護士は一度だけ無料で呼べる制度で、手続の説明と権利の説明を受けられます。継続して弁護を受けたい場合は、国選か私選を選ぶことになります。いずれの立場でも、刑事訴訟法39条1項により立会人なしでの接見が保障されており、捜査機関を通さずに事情を伝えられるのはこの経路だけです。

大使館にできることと、できないこと

大使館や領事館は連絡経路として重要ですが、弁護活動そのものは行いません。領事関係に関するウィーン条約36条は、本人が希望した場合の領事通報と領事接見を保障しています。

領事にできるのは、本人との面会、家族への連絡の仲介、通訳人や弁護士に関する一般的な情報の提供、処遇についての申入れです。他方、捜査機関と交渉すること、証拠の内容を検討すること、示談を進めることはできません。この線引きを早い段階で理解しておくと、家族が動くべき方向が定まります。

家族への連絡と、その後の手続の流れ

日本の警察には、本国のご家族へ逮捕を知らせる義務がありません。連絡が来ないことは、事件が軽いことも、本人が無事であることも意味しません。

手続は、逮捕から48時間以内の送致、その後24時間以内の勾留請求、認められた場合の原則10日間と延長10日間という順で進みます。警察庁の令和7年確定値によれば、来日外国人の総検挙人員は12,777人で、うちタイは642人です。この来日外国人という区分は、永住者、永住者の配偶者等、特別永住者、在日米軍関係者、在留資格不明者を除く定義です。また最高裁判所の『あなたも法廷通訳を ごぞんじですか』令和7年1月版によれば、令和5年に要通訳事件で終局した被告人3,851人のうち、タイ語は7.3パーセントを占めています。

刑事処分が在留資格に跳ね返る仕組み

初動の判断が在留に関わるのは、最終的な処分の種類によって適用条文が変わるからです。入管法24条4号リは無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により全部執行猶予が付された場合は除かれます。

これに対し同条4号チの薬物犯罪は、罰金でも執行猶予でも有罪判決であれば該当し、在留資格の別表を問いません。入管法5条1項5号により上陸拒否に年限はなく、再入国は12条1項の上陸特別許可によるほかありません。薬物該当者は入管法24条の3の出国命令も利用できません。不法残留の類型は同条4号ロに定められ、出国命令により出国した者の上陸拒否期間は入管法5条1項9号の2により1年です。出入国在留管理庁の令和7年の統計では、退去強制手続または出国命令手続を執った入管法違反事件は18,442人で、うちタイは3,600人でした。

この段階でよくある誤解

第一に、素直に認めればすぐ帰国できるという理解です。認否は処分の重さに直結し、供述調書は入管の違反審査でも参照されます。

第二に、大使館が弁護士を選んでくれるという理解です。前述のとおり、領事の任務に弁護活動は含まれません。第三に、罰金なら在留に影響しないという理解です。薬物事件では罰金でも入管法24条4号チに該当します。

当事務所の対応

当事務所では、松村大介弁護士が接見と打合せに直接対応します。中国語については外国人事件専属の通訳が常駐しており、タイ語を含むその他の言語については事案に応じて通訳人を手配します。

執行猶予判決でも在留への影響が残る場面があることから、不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。刑事の供述調書が違反審査や口頭審理の資料になることを踏まえ、刑事事件と入管手続を一体として設計し、退去強制事由の該当性についても故意や過失の有無を含めて争います。初回相談は無料で、微信IDはmatsumura1119です。

おわりに

初動で必要なのは、多くの知識ではなく、順序です。話すかどうかを決め、弁護人を確保し、大使館の役割を正しく理解する。この三つが揃えば、家族も次の一歩を選べるようになります。本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

この記事のタイ語版はこちらです:https://matsumura-lawoffice.jp/blog/detail/2026099013/

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