舟渡国際法律事務所

免税品の不正購入・転売で摘発されたら|消費税の免税制度と、外国人の方が問われうる責任

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免税品の不正購入・転売で摘発されたら|消費税の免税制度と、外国人の方が問われうる責任

免税品の不正購入・転売で摘発されたら|消費税の免税制度と、外国人の方が問われうる責任

2026/07/20

訪日外国人向けの消費税免税制度を利用して大量に商品を購入し、国内で転売する行為の摘発が、繰り返し報じられております。「免税で買って日本国内で売れば差額が出る」という誘いに応じ、購入役として関与してしまう留学生の方もいらっしゃいます。本記事は、免税制度をめぐる事案で捜査の対象となった場合に、何が問題とされるのかを整理するものでございます。

制度の建前と、逸脱の構造

消費税の免税は、購入した物品を国外へ持ち出すことを前提に、税を免除する制度でございます(消費税法8条)。したがって、当初から国内で転売する意図で免税購入をすれば、その前提が欠けることになります。この場合、消費税法上は免除された税額の追徴が問題となるほか、購入時に転売の意図を秘して免税手続をとった点を捉えて、詐欺罪(刑法246条)や、事案によっては電磁的記録不正作出等が検討されることがございます。組織的に多数人を動員した事案では、共謀の範囲が広く捉えられる傾向がございます。

購入役が置かれる立場

この類型で立件されるのは、指示役だけではございません。旅券を提示して実際に購入手続をとった方も、行為の中核を担ったものとして扱われます。報酬が一日数千円程度であっても、繰り返しの回数や購入総額が大きければ、関与の程度は重く評価され得ます。他方で、購入役の方が、転売の計画や利益の構造をどこまで知らされていたかは、事案によって大きく異なります。この認識の内実を丁寧に解きほぐすことが、弁護の中心になります。

留学生の方に生じる、もう一つの問題

留学の在留資格をお持ちの方が、この種の作業に報酬を得て従事した場合、資格外活動(入管法19条1項、70条1項4号等)の問題が併発いたします。資格外活動許可の範囲を超える就労は、それ自体が在留資格の取消事由(入管法22条の4第1項)となり得ます。刑事事件としては軽微に見えても、在留資格の面では致命的な結果につながる。この非対称性こそが、外国人事件の最も注意すべき点でございます。

不起訴処分を最優先の目標に置く

詐欺罪として起訴され、1年を超える拘禁刑に処せられれば、入管法24条4号リの退去強制事由に該当し得ます。執行猶予の獲得を目標とするのではなく、起訴前の段階で不起訴処分を得ることを最優先に据えるべきでございます。詐欺罪は個人の財産という保護法益を侵害する類型でございますので、追徴税額の納付や被害の回復に向けた具体的な行動が、処分に反映されやすい領域でもございます。

初動で押さえておきたい点

  • 購入の依頼を受けた経緯、報酬の説明のされ方、旅券を誰が管理していたかを、時系列で整理してください。
  • 黙秘権は正当な権利でございます。「転売するとは思っていたが自分は買っただけ」という説明は、共謀を認める記載として残る危険がございます。
  • 在留資格をお持ちの方は、刑事の見通しとは別に、資格外活動の評価がどうなるかを必ず並行して検討してください。

当事務所のご案内と解決事例

当事務所は、刑事の処分と在留資格への影響とを、常に一体のものとして検討してまいりました。刑事だけを見て安心し、後になって在留資格を失う事態を避けるためでございます。

たとえば、特殊詐欺の出し子行為に関わったとされた20代の女性について、指示役から欺かれ、あるいは圧力を受けていた状況や、犯意が認められないことを総合的に主張して、不起訴処分を獲得した事例がございます。組織の指示に従って現場で動いた方の認識を、証拠に基づいて具体的に描き出す作業は、免税品の購入役の事案にも共通いたします。

また、入管手続の局面では、公的書類がほとんど得られない困難な状況下で有利な証拠を積み上げ、過去の許可事例の分析を通じて、在留特別許可を一度の申請で獲得した事例もございます。刑事と入管を通した見通しを立てられることが、外国人事件では決定的に重要でございます。

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更につきましても、提携の行政書士と連携し、ワンストップでご相談をお受けしております。

おわりに

免税の仕組みは、日本で暮らし始めたばかりの方には分かりにくいものでございます。分かりにくさに付け込まれた側面がある事案も、実際にございます。その経緯を法的に意味のある形で示すことができれば、見通しは変わり得ます。

なお、本記事は令和8年7月時点の法令に基づく一般的な解説であり、個別の事案につきましては弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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