「不起訴になれば在留は絶対に安全」は本当か|外国人事件で見落とされがちな誤解
2026/07/17
「不起訴になったのだから、もう在留は心配ない」。刑事事件が不起訴で終わったとき、そう安心される外国人の方やご家族は少なくありません。不起訴は確かに大きな成果であり、退去強制のリスクを大きく下げます。しかし、「不起訴=在留が絶対に安全」と言い切れるかというと、必ずしもそうではございません。本記事では、この誤解の構造を整理し、不起訴後も注意すべき点をお伝えいたします。
不起訴がもたらすもの
不起訴処分となれば、有罪判決を前提とする入管法24条4号リ(1年を超える拘禁刑)や4号チ(薬物等の有罪)といった退去強制事由には該当いたしません。前科も付きません。この意味で、不起訴は在留を守るうえで決定的に重要であり、当事務所が起訴前の不起訴獲得を最優先に据える理由もここにございます。
それでも残るリスク
もっとも、在留資格の更新・変更は、入管法21条等に基づく別個の行政判断でございます。不起訴であっても、事件の内容や経緯が「素行不良」として更新の判断に影響するおそれは残ります。とりわけ起訴猶予(嫌疑はあるが起訴を見送る類型)の場合、行政の場面では事実関係が一定程度考慮され得ます。また、資格外活動など在留資格の該当性そのものが問われる事案では、刑事の不起訴とは別に在留資格取消し(入管法22条の4)が問題となることもございます。
なぜこの誤解が生じるのか
刑事手続と入管手続は別の制度であり、判断の枠組みも異なります。刑事で「シロ(不起訴)」になっても、入管は独自の裁量で在留の可否を判断いたします。この二つを一体のものと捉えてしまうと、「不起訴なら在留は絶対安全」という誤解が生じます。当事務所は、刑事段階から入管手続を見据え、不起訴の理由づけ(嫌疑不十分か起訴猶予か)にも配慮した弁護を心がけております。
当事務所のご案内と解決事例
松村大介弁護士は、難関とされた在留特別許可を1度で獲得した事例(事例D-1)を有する一方、退去強制事由の判断に故意・過失を要件とすべきではないかを問う訴訟を現在係争中でございます(事例D-2)。刑事の不起訴を得たうえで、その先の在留資格の維持まで一貫して見据えることが、外国人事件では欠かせません。松村大介弁護士が全工程を直接担当し、中国語専属通訳が常駐し、提携の行政書士とともに在留手続にも対応いたします。
おわりに
不起訴は在留を守るための大きな一歩でございますが、それで全てが終わるわけではございません。刑事と入管の双方を見据えて初めて、在留は確かなものになります。不起訴後の更新にご不安がある方も、どうかご相談ください。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。
過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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