ニセ警察をかたる特殊詐欺の「かけ子・受け子」で逮捕されたら|中国籍の方とご家族へ
2026/07/17
「警察官や検察官を名乗る電話がかかってきて、その指示どおりに現金やカードを受け取る役を任されていた」。近ごろ、こうしたニセ警察型の特殊詐欺に、日本語や中国語の連絡係として関与したとして、中国籍の若い方が逮捕される例が続いております。ご本人は「割のよいアルバイトだと思っていた」「まさか詐欺の一部だとは知らなかった」と話されることが少なくありません。ご家族の方が突然の逮捕の知らせを受け、何が起きているのか分からないまま検索されて本記事にたどり着かれることを想定し、手続の流れと在留への影響を整理いたします。
逮捕後の刑事手続の流れ
逮捕されますと、まず警察の留置場で身柄を拘束され、48時間以内に事件が検察官へ送られます。検察官は24時間以内に勾留を請求するか否かを判断し、裁判官が認めれば原則10日間、延長でさらに10日間、身柄拘束が続きます。この勾留が決まるまでの最初の72時間は、弁護人以外との自由な面会が制限されることも多く、供述の方向性が定まる極めて重要な時間帯でございます。特殊詐欺は組織性が疑われやすく、共犯者との通謀のおそれを理由に接見禁止が付されることもございます。
外国人事件特有のリスク
特殊詐欺は法定刑が重く、詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑でございます。かけ子・受け子であっても組織的詐欺として重く評価されやすく、実刑となれば入管法24条4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者)の退去強制事由に直結いたします。同号は執行猶予が全部付された場合には除外される仕組みでございますが、共犯者の人数や被害額によっては実刑の可能性も否定できません。加えて、たとえ在留が続いた場合でも、在留資格の更新の際に「素行不良」と評価され、更新が拒まれるおそれが残ります。
不起訴処分がなぜ決定的か
外国人の刑事事件では、執行猶予判決を得ても結果として日本を離れざるを得ない例が少なくありません。「執行猶予が付いたから在留できる」という説明は、入管法24条各号の構造を正確に踏まえたものとは言い難いのでございます。したがって、当事務所は起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先の目標として弁護方針を組み立てます。詐欺への加担の認識(故意)が乏しかった事情、指示役からの欺罔や脅迫に近い状況、被害弁償の実現などを丁寧に主張し、検察官と面談を重ねて処分の見直しを求めてまいります。
初動対応で押さえておきたい3つのポイント
- 黙秘権の行使。取調べで不用意に署名した調書は、後の公判で覆すことが容易ではございません。
- 早期の弁護人選任。当番弁護士制度もございますが、継続的な弁護活動には私選弁護人の早期選任が有効でございます。
- 経験ある通訳の確保。捜査機関が用意する通訳の訳出のわずかなずれが、供述調書に不利な形で残る危険がございます。
当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護に注力してまいりました。特殊詐欺の出し子に関与したとされた20代の女性について、指示役からの欺罔的な状況や犯意の乏しさを総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事例(事例B-1)がございます。また、受け子として複数回にわたり再逮捕された事案で、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を得た事例(事例B-2)もございます。万一、退去強制手続に進んだ場合にも、過去に難関とされた在留特別許可を獲得した経験(事例D-1)を踏まえて対応いたします。
当事務所の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳をご利用いただけます。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更につきましても、提携の行政書士とともにワンストップでご対応いたします。
おわりに
ニセ警察型の特殊詐欺は、「知らなかった」という主観面が結論を大きく左右する類型でございます。だからこそ、最初の取調べにどう臨むかが、その後の在留の可否まで含めて道を分けます。ご家族が逮捕の知らせに戸惑っておられる段階でも、適切な弁護人の選任により打てる手はございます。どうか早い段階でご相談ください。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。
過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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