白タク行為(無許可タクシー営業)で逮捕された外国人の方へ|道路運送法違反と在留資格
2026/07/16
このような報道が続いています
訪日観光客の増加を背景に、自家用車で外国人観光客を有償で送迎する、いわゆる白タク行為の摘発が各地で相次いでいます。近時も、東京駅前で在留外国人が海外からの旅行者を有料でホテルまで運んだとして、道路運送法違反の疑いで逮捕された事案が報じられました。本記事は、こうした類型で身柄を拘束されたご本人や、突然の知らせに戸惑うご家族のために、手続の見通しと在留資格への影響を一般的に整理するものです。個別の事件について論評するものではありません。
想定される刑事手続の流れ
白タク行為は、国土交通大臣の許可を受けずに自家用車で有償の旅客運送を行うもので、道路運送法4条に違反し、同法96条により3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金の対象となります。逮捕された場合、警察の取調べを経て、48時間以内に検察官へ送致され、さらに24時間以内に勾留請求の当否が判断されます。とりわけ最初の勾留決定までの72時間は、外部との連絡が制限されやすく、方針を左右する重要な時間帯です。決済アプリの送金履歴や配車のやり取りが証拠となる類型のため、初期対応の巧拙が結論を大きく分けます。
外国人事件特有のリスク(退去強制・在留資格)
白タク事案は、罰金で終わる場合でも在留への影響を軽視できません。留学・家族滞在など就労が認められない在留資格の方が有償運送で収入を得ていた場合、それ自体が資格外活動(入管法19条・24条4号ハ)と評価され、退去強制事由に触れる可能性があります。また、無許可運送で1年を超える拘禁刑の実刑に処せられれば入管法24条4号リに該当し得ます。仮に退去強制に至らずとも、在留期間の更新審査で素行が問題視され、更新が認められない危険が残ります。刑事処分と入管処分は別のトラックで進むため、双方を見据えた設計が欠かせません。
不起訴処分の重要性
外国人事件では、執行猶予付きの有罪判決を得ても、資格外活動や素行評価を通じて在留を失う場面があります。したがって弁護活動は、起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先の目標として組み立てる必要があります。営利性の程度、常習性の有無、運送の実態、生活状況や再発防止の環境を丁寧に主張立証し、検察官との面談や意見書提出を通じて処分の軽減を求めます。入管法の構造を正確に把握しないまま執行猶予だけを目標にする方針は、結果として依頼者の在留を危うくしかねません。
初動対応で押さえておきたい3つのポイント
- 黙秘権の行使:営利目的や常習性の有無は評価の分かれ目です。取調べに不用意に応じず、方針が定まるまで供述を留保することが後の手続を守ります。
- 早期の弁護人選任:当番弁護士や私選弁護人を早期に選任し、送金履歴等の証拠構造を踏まえた対応を初動から始めることが重要です。
- 経験ある通訳の確保:捜査機関の指定通訳を介した調書は、細かな言い回しのずれが後の公判で不利に働くことがあります。ご本人のために動く通訳の確保が結果を左右します。
当事務所のご案内と解決事例
当事務所は、中国籍の依頼者を中心に、外国人の刑事弁護と入管手続を数多く扱ってまいりました。白タク類型のように、刑事処分と在留資格の双方に影響が及ぶ事案では、両者を一体で見通す弁護が結果を左右します。
世間の注目を集めた事件への対応
当事務所は、国際的な事件や裁判員裁判対象事件を含め、注目を集めた事案にも数多く対応してまいりました。捜査の初動から公判まで一貫した戦略を組む経験の厚みが、証拠構造の複雑な事案でも力を発揮いたします。
難関とされた在留特別許可の獲得
在留資格を一度失った依頼者について、入管当局の過去の許可事例を分析し、有利な事情を積み上げることで在留特別許可を得た事例がございます。刑事段階から入管手続を見据えて動くことの重要性を示すものです。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続の全般にわたってご利用いただけます。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更等については、提携の行政書士とも連携し、ワンストップでご対応いたします。
おわりに
白タク行為は、軽い出来心と受け止められがちですが、外国人にとっては在留の根幹に関わる問題に発展し得ます。早い段階で入管法に通じた弁護人にご相談いただくことで、選び得る道は確実に広がります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
【執筆者】
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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