中国人の方が不同意わいせつ・不同意性交等罪で逮捕されたら|不起訴と在留資格を守るために
2026/07/12
令和5年の刑法改正により、従来の「強制わいせつ罪」「強制性交等罪」は、「不同意わいせつ罪」(刑法176条)「不同意性交等罪」(刑法177条)へと再構成されました。同意の有無をめぐる判断枠組みが整理され、飲食店や職場、交際関係の中で生じたトラブルから、中国籍の方が思いがけず被疑者となる例も少なくありません。ご本人はもとより、突然の逮捕の知らせを受けて日本に駆けつけたご家族の不安は、計り知れないものがあります。本記事は、こうした場面で何が問題となり、どこに力を注ぐべきかを整理するものです。
想定される刑事手続の流れ
逮捕されると、警察の留置施設で身柄を拘束されたまま取調べが行われ、48時間以内に検察官へ送致されます。検察官は24時間以内に勾留を請求するかを判断し、裁判官が認めれば、まず10日間、延長でさらに10日間、身柄拘束が続きます。この逮捕から最大23日という起訴前の期間に、起訴するか不起訴とするかが決まります。性的な事案では、被害を訴える方の心情に配慮した慎重な捜査が行われる一方、供述の食い違いが争点となることも多く、初期の対応が結論を大きく左右します。
外国人事件特有のリスク|退去強制と在留資格
不同意性交等罪の法定刑は5年以上の拘禁刑と重く、実刑となれば入管法24条4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者)に該当し、退去強制の対象となります。不同意わいせつ罪でも、量刑次第では同様の危険があります。ここで注意すべきは、号ごとに構造が異なる点です。
- 4号リ:無期又は1年を超える拘禁刑。執行猶予が全部付された場合は除外されますが、実刑はもちろん、量刑の見通しを誤ると在留を失います。
- 在留資格の更新・変更:退去強制に至らずとも、性的事案の前科・前歴は「素行が善良であること」の評価において不利に働き、更新拒否(入管法21条)のリスクが残ります。
つまり「執行猶予がついたから日本に居られる」とは限りません。就労資格や家族滞在で日本に生活基盤を築いてこられた方ほど、刑事処分の内容が在留に直結することを、初期の段階から見据える必要があります。
不起訴処分がなぜ決定的か
外国人事件では、執行猶予判決を得ても在留を失う場面が現実に存在します。したがって弁護活動は、起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先の目標として組み立てるべきです。不同意わいせつ・不同意性交等の事案では、被害を訴える方との示談の成否、同意の有無に関する客観的事情の精査、ご本人の供述の一貫性の確保が、不起訴を導く鍵となります。示談交渉は弁護人を通じて慎重に進める必要があり、ご本人やご家族が直接連絡を取ることは、かえって事態を悪化させます。
初動対応で押さえたい3つのポイント
- 黙秘権の行使:取調べに不用意に応じないこと。性的事案では、あいまいな受け答えが同意の不存在を推認させる方向で調書化される危険があります。
- 早期の弁護人選任:当番弁護士制度や私選弁護人により、できる限り早く弁護人を選任し、示談・防御方針を立てること。
- 経験ある通訳の確保:微妙なニュアンスが結論を分ける事案では、通訳の質が供述調書の正確性を左右します。
当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会)が中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護に力を注いでまいりました。性的事案を含む否認・示談事件の経験も豊富です。たとえば、特殊詐欺の出し子に関わったとされた20代女性について、指示役からの働きかけや犯意の不存在を丁寧に主張し、不起訴処分を獲得した事例があります。また、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠を徹底的に分析し無罪判決を得た事例もございます。難関とされる在留特別許可を1件で獲得した経験もあり、万一の退去強制手続にも備えた一貫した対応が可能です。
当事務所の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く通訳をご利用いただけます。刑事手続の終了後は、提携の行政書士と連携し、在留資格の更新・変更にもワンストップで対応いたします。
結語
不同意わいせつ・不同意性交等の事案は、同意の有無という繊細な争点を含み、初動の一手が結論を大きく変えます。まずは黙秘権を守り、できる限り早く弁護人にご相談ください。なお、本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください(本文僅為一般性解說,個別案件請逕向律師諮詢)。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません(本文所述過往解決案例係基於個別情事,並不保證相同結果)。本記事は2026年7月時点の情報に基づきます。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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