留学生のアルバイト超過(資格外活動)で問われる責任|週28時間の壁と在留資格
2026/06/27
「生活費のために、つい働きすぎてしまった」。留学の在留資格でアルバイトをする方から、当事務所にはこうしたご相談が寄せられます。資格外活動は、刑事事件としては軽く見えても、在留資格の根幹に関わるため、留学生にとっては将来を左右する重大な問題です。本稿で、その構造を整理いたします。
1. 想定される刑事手続・行政手続の流れ
留学などの在留資格で就労する場合、資格外活動許可を得たうえで原則として週28時間以内という上限があります。これを超えて継続的に就労すると、入管法19条違反となり、専従的な就労と評価されれば入管法73条により1年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金(より悪質な類型では重い処罰)の対象となり得ます。摘発の端緒は、別件の摘発、勤務先への調査、更新申請時の発覚など様々です。
2. 外国人事件特有のリスク(在留資格の取消し・更新拒否)
資格外活動で特に深刻なのは、刑罰よりもむしろ在留資格そのものへの影響です。本来の在留活動を行わずに就労に専念していたと判断されると、入管法22条の4による在留資格の取消しや、更新・変更申請の不許可につながります。退去強制(入管法24条4号ハ)に至らずとも、留学の継続が事実上できなくなる例が少なくありません。「働きすぎただけ」という認識のまま放置すると、在留の基盤を一気に失いかねません。
3. 不起訴処分・在留維持の重要性
資格外活動の事案では、刑事処分の軽減だけでなく、在留資格をいかに維持するかが本質的な争点になります。就労に至った経緯、学業の実態、超過の程度や継続性を丁寧に説明し、起訴前の不起訴処分を目指すとともに、入管に対しても在留活動の実態を的確に主張していく必要があります。刑事と入管の双方を見据えた一貫した戦略が欠かせません。
4. 初動対応で押さえておきたい3つのポイント
第1に、黙秘権の行使と、安易な「専従していた」旨の供述を避けることです。第2に、早期の弁護人選任です。刑事処分と在留資格の双方を見据えて動ける弁護人を、早い段階で選任することが重要です。第3に、経験ある通訳の確保です。就労の実態や学業との両立状況を正確に伝えることが、評価を分けます。
6. 当事務所のご案内と解決事例
当事務所(舟渡国際法律事務所・東京都豊島区)は、入管法が関わる事件を、刑事と在留の両面から数多く扱ってまいりました。
観光目的で来日した相談者が在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案で、未了であった婚姻・認知の手続を当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析することで、難関とされた在留特別許可を一度で獲得した事例がございます。
冤罪により不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した依頼者について、「退去強制事由には故意・過失が不要」とする従来の入管実務を覆すべく、責任主義の射程を問う訴訟を現在係争中です(結果を予断するものではございません)。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。
入管手続では、退去強制事由や不許可事由の判断において、ご本人の事情がどこまで考慮されるべきかがしばしば争点となります。当事務所は、責任主義や平等原則といった憲法的視座を踏まえ、ご本人の固有の事情を具体的に主張する弁護を行っております。
万一、刑事手続終了後に退去強制手続へ進んでしまった場合にも、在留特別許可の獲得実績を踏まえて対応いたします。在留資格の更新・変更については、提携の行政書士と連携し、刑事手続終了後までワンストップでお支えいたします。
7. おわりに
資格外活動は、刑罰よりも在留資格への影響こそが本丸です。早めにご相談いただくことで、留学や就労の継続に向けた道を一緒に探ることができます。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------