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在留特別許可の実務と入管庁公表事例の活用|令和6年改正と入管法50条5項の考慮事情

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在留特別許可の実務と入管庁公表事例の活用|令和6年改正と入管法50条5項の考慮事情

在留特別許可の実務と入管庁公表事例の活用|令和6年改正と入管法50条5項の考慮事情

2026/06/26

退去強制の手続が始まっても、そこですべてが終わるわけではありません。法務大臣(地方入管局長)は、一定の事情がある場合に、在留を特別に認めること(在留特別許可)ができます。本記事は、制度の枠組みと、入管庁が公表してきた許可事例の活用について、競合する他の解説があまり踏み込まない実務の視点から整理するものです。

令和6年改正による考慮事情の明示

令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により、在留特別許可の制度は大きく整備されました。第一に、申請手続が法律上明確化されました。第二に、考慮すべき事情が入管法50条5項に列挙され、在留を希望する理由、家族関係、素行、入国の経緯、在留の期間、人道的な配慮の必要性などを総合的に考慮する枠組みが条文上明示されました。第三に、一定の重い前科がある者についても、特別の事情があれば許可され得ることが明示されました。改正後の案件では、この50条5項各号を一つずつ丁寧にたどる構成が基本となります。

入管庁公表事例の意義

出入国在留管理庁は、許可・不許可の事例を年度ごとに公表しています。これらは、行政自身が「許可が相当だ」と判断した先例です。したがって、本人の事情に近い許可事例を複数抽出し、それと本件とを具体的に対照することは、説得力のある主張の土台になります。同種の事情があるのに本件だけ不許可とするのは、合理的な理由のない異なる取扱いであり、法の下の平等(憲法14条1項)の観点から問題があるという主張にもつながります。

重視される事情と対照の視点

公表事例の分析からは、おおむね次の事情が重視されてきたことがうかがえます。日本人配偶者や日本国籍の子の有無と、その関係の実態。在日期間の長さ。発覚の経緯が出頭申告か摘発か。前科・前歴の有無や、税・社会保険の納付状況といった素行。これらを、本人の事案と一つずつ対照し、近接する許可事例を示しながら、人道的な配慮の必要性を立体的に描いていきます。

刑事弁護の段階からの備え

在留特別許可は、退去強制の局面で初めて問題になりますが、その備えは刑事弁護の段階から始まっています。示談書、贖罪寄付の受領証、反省文、身元引受書、家族関係を示す資料、医学的な所見など、後の入管手続で生きる証拠を、刑事手続の段階から計画的に整えておくことが重要です。刑事と入管を一貫して見据える視点が、最終的な在留の可否を分けます。

当事務所のご案内と解決事例

当事務所は、入管庁公表事例の年度横断的な分析と、刑事から入管までを一貫して見据える弁護に注力してまいりました。

在留資格を喪失し不法滞在で逮捕・起訴された方について、婚姻・認知の手続を整え、入管当局の過去の許可事例を分析し、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも、難関とされた在留特別許可を一度の手続で獲得した事例がございます。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機にある方について、退去強制事由の判断にも責任主義の射程が及ぶべきではないかという論点を正面から問う訴訟を、現在係争中で担当しております(結果を予断するものではございません)。

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更等につきましても、提携の行政書士と連携し、ワンストップで対応いたします。

おわりに

退去強制の手続が始まっても、道が閉ざされたわけではありません。制度の枠組みと公表事例を丁寧に活用し、刑事の段階から一貫して備えることが、在留特別許可への確かな一歩となります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士。第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)。中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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