舟渡国際法律事務所

「在留資格があるから強制送還されない」という誤解|取消し・更新拒否・退去強制の別経路

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「在留資格があるから強制送還されない」という誤解|取消し・更新拒否・退去強制の別経路

「在留資格があるから強制送還されない」という誤解|取消し・更新拒否・退去強制の別経路

2026/06/26

「正規の在留資格を持っているのだから、事件を起こしても強制送還されることはない」と考える方がいらっしゃいます。しかし、在留資格を持っていることと、その資格が将来も守られることとは、別の問題です。在留資格は、取消し・更新拒否・退去強制という複数の経路を通じて失われ得ます。本記事は、この誤解の構造を整理するためのものです。

退去強制という経路

一定の刑事処分を受けると、入管法24条各号の退去強制事由に該当し、在留資格があっても退去強制の対象となり得ます。とりわけ、薬物事犯のように刑の軽重を問わず該当し得る類型や、一定以上の拘禁刑に処せられた場合などは、執行猶予が付いても退去強制の対象から外れない構造になっている号があります。「正規の資格があるから大丈夫」とはいえません。

在留資格取消しという経路

退去強制とは別に、在留資格そのものを取り消す制度があります(入管法22条の4)。虚偽の申請で資格を得た場合や、資格に対応する活動を相当期間行っていない場合などが対象です。事件をきっかけに、申請時の経緯や活動実態が問い直され、資格取消しに至ることがあります。

在留期間更新拒否という経路

最も身近なのが、在留期間更新の場面です。更新は自動ではなく、入管が「在留を認めるに足りる相当の理由」があるかを判断します(入管法21条)。刑事事件を起こすと、不起訴・微罪処分・罰金にとどまった場合でも、「素行不良」と評価され、更新を拒否されるおそれがあります。更新が認められなければ、在留期限の到来とともに在留資格を失います。

だからこそ不起訴と一貫した戦略を

以上のとおり、在留資格は複数の経路を通じて失われ得ます。これらに共通して効くのが、起訴前段階での不起訴処分の獲得です。さらに、在留資格の取消し・更新・退去強制といった入管手続まで見据え、刑事弁護の段階から一貫した戦略を立てておくことが、在留を守る上で欠かせません。刑事と入管を切り離して考える弁護方針では、思わぬところで在留を失いかねません。

当事務所のご案内と解決事例

当事務所は、刑事処分と在留資格を一体として見据えた弁護に数多く対応してまいりました。

在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された方について、過去の許可事例を分析し、難関とされた在留特別許可を獲得した事例がございます。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機にある方について、退去強制事由の判断にも責任主義の射程が及ぶべきではないかという論点を問う訴訟を、現在係争中で担当しております(結果を予断するものではございません)。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、徹底的な証拠分析により無罪判決を獲得した事例もございます。

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更等につきましても、提携の行政書士と連携し、ワンストップで対応いたします。

おわりに

在留資格を持っていることは、強制送還されないことを意味しません。刑事と入管の両面を一貫して見据えることが、ご本人の在留を守る確かな備えとなります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士。第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)。中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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