偽ブランド品の販売・所持で逮捕されたら|商標法違反と外国人の在留リスク
2026/06/26
インターネットやSNSを通じて、本物そっくりのブランド品を販売・保管していたとして摘発される事案が後を絶ちません。「人気だから少し売っただけ」「在庫を預かっていただけ」というつもりでも、商標権を侵害する商品の販売・販売目的の所持は犯罪です。海外からの仕入れが絡むと関税法違反も問題となります。同じ不安を抱えるご本人・ご家族に向けて、論点を整理します。
問われ得る罪名
他人の登録商標を無断で付した商品を販売し、又は販売の目的で所持・展示する行為は、商標法違反として処罰の対象です。模倣品を海外から輸入する行為は関税法違反にもなり得ます。販売実績がなくても、販売目的での保管が認められれば犯罪は成立します。「本物ではないと知らなかった」という弁解が通るかどうかは、仕入れ値・販売価格・仕入れ先とのやり取りなど、客観的事情から認識(故意)が推認されるため、慎重な検討が必要です。
故意・認識をめぐる争点
この類型では、商品が模倣品であることをご本人が認識していたか(故意)が重要な争点になります。著しく安い仕入れ値、正規ルートとは異なる入手経路、注意喚起を受けていた経緯などがあると、認識が推認されやすくなります。逆に、正規品と誤信するに足る事情があれば、故意の不存在を主張する余地があります。取調べの初期に、認識についての供述をあいまいなまま固められないよう注意が必要です。
外国人事件特有のリスク(在留資格)
商標法違反や関税法違反で拘禁刑に処せられた場合、入管法24条各号の退去強制事由に該当し得ます。執行猶予が付いても、号によっては退去強制の対象から外れない構造であることは、ほかの類型と同様です。在留期間更新の場面でも「素行不良」と評価され、更新を拒否されるおそれがあります。営利目的の販売が大規模・組織的と評価されると、より厳しい処分につながりやすい点にも注意が必要です。
不起訴処分の重要性
在留を守る観点からは、起訴前段階での不起訴処分の獲得が決定的に重要です。模倣品と知らなかった事情の解明、販売規模・利益の限定性、商品の任意提出による捜査協力、再発防止の態勢づくりを通じて、検察官に起訴猶予を求めます。執行猶予の獲得だけを目標とすると、刑事手続が終わっても入管手続で在留を失う結果になりかねません。
初動で押さえる3つのポイント
- 黙秘権を行使し、認識(故意)や仕入れ先について不正確な調書を作られないようにすること。
- 当番弁護士・私選弁護人を早期に選任し、商品の取扱いや捜査協力の方針を固めること。
- 依頼者本人のために動く中国語通訳を確保し、専門的なやり取りの正確性を担保すること。
当事務所のご案内と解決事例
当事務所は、国際的な商取引が背景にある事件や、外国人の在留を見据えた弁護に数多く対応してまいりました。
国際刑事事件・裁判員裁判対象事件・世界的に報道された事件への対応経験が豊富で、中国籍の方の事件にも数多く対応してまいりました。
在留資格を喪失し不法滞在で逮捕・起訴された方について、過去の許可事例を分析し、難関とされた在留特別許可を獲得した事例がございます。
特殊詐欺の出し子に関わったとされた方について、主観的事情を総合的に主張し、不起訴処分を獲得した事例もございます。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更等につきましても、提携の行政書士と連携し、ワンストップで対応いたします。
おわりに
偽ブランド品事件は、認識や販売規模の評価によって結論が変わります。仕入れの経緯や事情を早期に整理することが、ご本人の将来を守る第一歩です。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士。第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)。中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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