自分の在留資格は別表第一と第二のどちらですか|見分け方と、それで変わること
2026/09/01
刑事事件が在留資格にどう響くかを考えるとき、最初に確かめるべきことがあります。ご自身の在留資格が、出入国管理及び難民認定法(入管法)の別表第一に載っているものか、別表第二に載っているものか、です。この一点によって、適用される退去強制事由が変わります。ところが、この区別を知らないまま「日本で刑事事件になったら強制送還だ」という説明だけを見て不安になっている方が非常に多いのが実情です。この記事では、見分け方と、それで何が変わるのかを整理します。
二つの別表は、何を基準に分かれているのか
別表第一は、日本で行う活動の内容に着目して与えられる在留資格の一覧です。留学、技術・人文知識・国際業務、経営・管理、技能実習、特定技能、高度専門職、企業内転勤、技能、教授、医療、介護、興行、文化活動、短期滞在、特定活動などが、ここに含まれます。別表第二は、身分又は地位に基づいて与えられる在留資格の一覧で、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の四つです。前者は「何をするために日本にいるのか」、後者は「日本社会の中でどのような身分・地位にあるのか」に着目していると考えると、区別しやすくなります。
調べ方は、在留カードの記載を見ることです
在留カードの表面には、在留資格の欄があります。そこに「留学」「技術・人文知識・国際業務」「特定技能1号」などと書かれていれば別表第一、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」と書かれていれば別表第二です。特別永住者の方は在留カードではなく特別永住者証明書をお持ちで、これは入管法の別表とは別の法律に基づく地位です。在留期間の欄に「無期限」とあるのは永住者と特別永住者に限られますので、ここも手がかりになります。カードが手元にない場合は、旅券に貼られた証印や、過去の許可通知の写しからも確認できます。
中国籍の在留者は、どちらが多いのか
在留外国人統計(令和7年末)によれば、中国籍の在留者は93万0,428人です。内訳は、永住者35万7,565人、留学14万8,151人、技術・人文知識・国際業務11万7,314人、家族滞在9万3,581人、定住者3万2,047人、日本人の配偶者等2万6,617人、経営・管理2万4,840人、永住者の配偶者等2万1,762人などです。別表第二に当たる永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の合計は43万7,991人で、特別永住者610人を加えると約47.1%になります。中国籍の在留者のおよそ半数が別表第二であり、残る約52.9%、およそ49万人が別表第一という構成です。
別表の別で、具体的に何が変わるのか
最も明確に変わるのは、入管法24条4号の2の適用です。この規定は危険運転致死傷等の特定の犯罪を対象としますが、別表第一の在留資格をもって在留する者に限って適用されます。したがって永住者や定住者の方には及びません。もう一つは、在留資格に応じた活動の実体が問われるかどうかです。別表第一の在留資格は活動に基づくものですから、勤務先を退職した、学校を除籍された、といった事情がそのまま在留資格の土台を揺るがします。入管法22条の4第5号は、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていないことを在留資格の取消事由としています。
別表第二であっても、失われる場面はあります
誤解のないように申し上げると、別表第二は無敵の盾ではありません。入管法24条4号チ(薬物)は在留資格の種類を問わず適用され、罰金でも執行猶予でも該当します。24条4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑。全部執行猶予は但書で除外)も同様に、在留資格の種類を問いません。また、住居地の届出義務違反等も在留資格の取消事由とされており、出入国在留管理庁の統計(令和7年)では、在留資格取消し1,446件のうち999件(69.1%)が22条の4第1項第6号によるものでした。永住者であっても、届出を怠れば手続の対象になり得ます。
今日、確認していただきたいこと
第一に、在留カードの在留資格欄と在留期間の満了日。第二に、住居地の届出が最新のものになっているか。第三に、別表第一の方は、就労先や学籍の状況が在留資格の内容と一致しているか。第四に、刑事事件が現に進行している場合は、起訴状に記載された罪名です。これらを一枚の紙にまとめて弁護人に渡していただくと、刑事の見通しと入管の見通しを同時に立てることができます。ご本人が身柄を拘束されている場合でも、ご家族の手元にある資料から、この作業の大半は進められます。
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舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。
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この記事を書いた弁護士
松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。
本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。
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