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一部執行猶予の判決は退去強制事由になりますか|実刑部分の数え方

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一部執行猶予の判決は退去強制事由になりますか|実刑部分の数え方

一部執行猶予の判決は退去強制事由になりますか|実刑部分の数え方

2026/09/01

執行猶予には、刑の全部の執行を猶予するものと、刑の一部の執行を猶予するものがあります。中国語のご相談では、この二つが区別されずに「緩刑」と一括りにされていることが少なくありません。しかし在留資格への影響を考えるとき、この区別は決定的です。この記事では、一部執行猶予の判決を受けた場合に、出入国管理及び難民認定法(入管法)24条4号リの但書がどのように働くのか、実刑部分をどう数えるのかを、判決主文の読み方に沿って説明します。

一部執行猶予とは、判決の中で刑期を二つに割る仕組みです

刑の一部の執行猶予は、言い渡された刑期のうち一部分だけを実際に服役させ、残りの部分の執行を猶予する制度です。判決主文は、例えば「拘禁刑2年に処する。その刑の一部である6月の執行を2年間猶予する」といった形になります。この場合、実際に服役するのは1年6月であり、残る6月が猶予されます。全部執行猶予のように、判決の日にそのまま釈放されるわけではありません。この点で、ご本人やご家族が「緩刑になった」と聞いて安心してしまい、実際には服役が始まるという行き違いが起きやすい類型です。

入管法24条4号リの但書は、一部猶予をどう扱うか

24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としつつ、但書で全部執行猶予を除いています。一部執行猶予については、実際に執行される部分、すなわち実刑部分が1年以下であれば、同じく除かれる扱いとなります。したがって、判断の順序は次のようになります。まず言い渡された刑期が1年を超えているかを見る。超えていれば、次に全部猶予か一部猶予かを見る。一部猶予であれば、猶予されなかった実刑部分が1年を超えるかを見る。この三段階です。刑期が2年でも、猶予部分が1年6月で実刑部分が6月であれば、実刑部分は1年以下ですから、この号による退去強制事由には当たりません。

実刑部分の数え方で間違えやすいところ

第一に、猶予された部分の長さと、猶予期間の長さを混同しないでください。前掲の例でいえば、猶予されるのは刑期のうち6月分であり、それを何年間猶予するかという猶予期間は別に定められます。主文には両方の数字が出てくるため、中国語に訳す段階で入れ替わってしまうことがあります。第二に、未決勾留日数の算入は、ここでいう実刑部分の長さの計算とは別の問題です。第三に、判決が複数の罪について言い渡されている場合や、余罪について別の判決がある場合には、そもそもどの刑を基準にするのかを弁護人に確認する必要があります。いずれも、判決書の文言そのものに当たらなければ答えが出ません。

在留特別許可の場面では同じ線引きが使われます

入管法50条1項の但書は、在留特別許可の判断について加重要件を置いています。この加重要件は、無期又は1年を超える実刑で発動し、全部猶予、及び一部猶予で実刑部分が1年以下のものは除かれます。つまり、退去強制事由の入口(24条4号リ)と、救済の出口(50条1項但書)とで、同じ「実刑部分1年」という線が引かれています。一部執行猶予の判決を受けたとき、実刑部分が1年以下であるかどうかは、退去強制事由に当たるかという問題と、仮に別の事由で手続に入った場合の在留特別許可の見通しという問題の、両方に効いてきます。

薬物事犯では、この計算をしても結論が変わりません

注意しなければならないのは、一部執行猶予がしばしば薬物事犯で用いられてきたという事情です。ところが、覚醒剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法、大麻草の栽培の規制に関する法律、あへん法などの違反は、入管法24条4号チに当たります。この号は有罪判決があれば足りるとされており、罰金でも執行猶予でも該当し、在留資格の別も問いません。したがって薬物事犯では、4号リの実刑部分を丁寧に数えてみても、4号チによって退去強制事由が認められることになります。一部執行猶予の議論が意味を持つのは、薬物以外の罪名の場合です。

今日、ご家族ができること

判決書の主文を、原文のまま書き写して保管してください。刑名、刑期、猶予される部分の長さ、猶予期間、確定日の五点です。次に、実刑部分がある以上、いつ、どの刑事施設に収容されるのか、面会と差入れの方法、在留カードと旅券の保管者を確認します。服役が始まると、在留期間はその間も進みます。満了日が服役中に来る場合、どのような扱いになるのかを、早い段階で弁護人に確認しておくことをお勧めします。刑事事件と入管手続は連続しており、判決の日は終わりではなく、次の手続の始まりです。

中文版:一部缓刑怎么算|实刑部分在一年以下就不构成退去强制事由

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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