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偽装結婚は日本で何罪になるか 刑事罰と在留資格取消しの二つの帰結

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偽装結婚は日本で何罪になるか 刑事罰と在留資格取消しの二つの帰結

偽装結婚は日本で何罪になるか 刑事罰と在留資格取消しの二つの帰結

2026/09/01

在留資格を得るために、実体のない婚姻届を出す。中国語の法律相談サイトには「在日本假结婚怎么判刑」という問いが繰り返し投稿されています。日本では、この行為は婚姻をめぐる民事の問題としてではなく、公的な記録を偽らせた犯罪として扱われ、さらに刑事処分とは別に、在留資格そのものを失う手続が並行して進みます。この記事では、偽装結婚がどの罪に当たるのか、入管手続では何が起きるのか、そして婚姻が本物であるのに疑われている場合に何ができるのかを、中国籍の方とそのご家族に向けて整理します。

偽装結婚はどの罪に当たるのか

実体のない婚姻届を市区町村に提出して戸籍に記録させた場合、公正証書原本不実記載等の罪が問題になります。戸籍は公的な記録であり、真実でない身分関係をそこに記録させる行為自体が処罰の対象です。届出をした当事者の双方が対象となり、仲介して報酬を得た者も同様に捜査されます。さらに、その婚姻を根拠として在留資格の変更や在留期間の更新を申請すれば、出入国在留管理庁に対して虚偽の資料を提出したことになり、出入国管理及び難民認定法(入管法)上の不正手段による許可の問題が加わります。実務では、戸籍に関する罪と入管法上の問題が同時に立件されることが多く、婚姻届を出しただけでは済みません。仲介者が介在し金銭の授受があった事案では、組織性が量刑上の重い評価につながります。

捜査では何を見られるのか

捜査機関と入管が確認するのは、書類の形式ではなく生活の実体です。同居の有無、住民票上の住所と実際の居住地の一致、家賃や光熱費の負担者、相手方の家族との交流、共通の写真、連絡の履歴、相手方の職業や生年月日をどこまで知っているか、結婚に至る経緯を双方が同じように説明できるか。取調べでは双方が別々に聴取され、供述の食い違いが決定的な証拠として使われます。ここで気をつけたいのは、通訳を介した取調べでは、自分が言ったつもりのない内容が調書に残ることがある点です。供述調書は署名と押印をして初めて証拠としての力を持ちます。内容に違和感があれば署名を留保でき、訂正を求めることもできます。取調べの前に弁護人と方針を決めておくことが、後の公判で最も効いてきます。

刑事処分とは別に進む、在留資格の取消し

刑事事件が不起訴や執行猶予で終わっても、それで在留の問題が終わるわけではありません。入管法22条の4は、偽りその他不正の手段によって上陸許可等を受けた場合(第1号)、虚偽の申請等があった場合(第2号・第3号)に、在留資格を取り消すことができると定めています。出入国在留管理庁の統計では、令和7年の在留資格取消件数は1,446件で過去最高となり、このうち第1号が3件、第2号が48件、第3号が39件でした。第3号は令和3年の7件から令和7年の39件へと増えています。件数としては住居地の届出義務違反(第6号)が999件で全体の69.1%を占めますが、虚偽申請を理由とする取消しは着実に増えており、婚姻の実体を疑われた事案はここに含まれ得ます。

退去強制と、次に日本へ来られる時期

在留資格を取り消されると、出国のための期間が指定されるか、退去強制の手続に移ります。退去強制を受けて送還された場合、入管法5条1項9号ハにより原則として5年間は上陸を拒否されます。過去に退去強制歴があれば同号ニにより10年です。他方、退去強制手続の途中で法務大臣の裁決を受けて自ら出国する場合は同号ロにより1年、出国命令によって出国した場合は同号ホにより1年となります。同じ日本を出るという結果でも、どの手続で出るかによって、次に来られるまでの年数が五倍から十倍変わります。摘発される前に自ら出頭申告したかどうかが、この分岐に強く影響します。事件の初期に、刑事と入管の両方を見通して選択すべき場面です。

婚姻が本物であるのに疑われている場合

年齢差が大きい、交際期間が短い、言語が十分に通じないといった事情だけで疑いを持たれることがあります。真正な婚姻であることは、生活の積み重ねを資料化することで示せます。同居を示す賃貸借契約や公共料金の領収書、共同の口座や送金の記録、日付の入った写真、双方の家族との往来、通院や行事に同行した記録などです。なお、婚姻届に添付する婚姻要件具備証明書について、昭和24年5月30日民甲第1264号回答は、これが法令上の必須の添付書類ではなく、要件を備えていることを立証する方法の原則形にすぎないと述べています。証明書が母国側の事情で取得できない場合でも、代替の立証で受理される道があります。総務省の令和4年1月の報告書では、法務局における受理伺いの処理に平均40.5日、最長528日を要し、法務局内に統一的な判断基準がないことが指摘されました。時間がかかることを前提に、早めに資料を整えるのが現実的な対応です。

ご家族が今日できること

本人の身柄が拘束されている場合、ご家族には、在留カードと旅券の所在の確認、勤務先や学校へ説明する時期の検討、差し入れの手配、婚姻の実体を示す資料の保全という四つの作業があります。とりわけ携帯電話の中の写真やメッセージは、本人が留置されている間に契約が止まって失われることがあります。通信料の支払を続けるだけで、後に有利な証拠を残せる場合があります。

中文版:在日本假结婚怎么判刑?刑事与入管的两重后果

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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