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日本の傷害罪はどう判断されるのか 暴行との分かれ目と診断書の意味

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日本の傷害罪はどう判断されるのか 暴行との分かれ目と診断書の意味

日本の傷害罪はどう判断されるのか 暴行との分かれ目と診断書の意味

2026/09/01

日本で人と揉め、相手が病院に行ったという連絡を受けた段階で、多くの方が「これは傷害になるのか、暴行で済むのか」と考えます。この二つは条文上も刑の重さも別の罪であり、分かれ目は明確です。しかし、その先の見通し、つまり起訴されるのか、どのくらいの刑になるのかは、診断書に書かれた日数だけでは決まりません。この記事では、中国籍の方とそのご家族に向けて、傷害と暴行の境界、診断書の実務上の位置づけ、被害者の処罰意思と示談の効き方、そして在留資格への影響を説明します。

傷害と暴行を分けるのは、結果が生じたかどうか

暴行罪は、人に対して不法な有形力を行使した段階で成立し、法定刑は2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金若しくは拘留若しくは科料です。傷害罪は、その行為によって人の生理的機能に障害が生じた場合に成立し、法定刑は15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。上限が2年と15年ですから、結果が生じたかどうかで扱いは大きく変わります。ここでいう傷害は、外傷に限りません。めまいや不眠が続く、耳鳴りが残るといった機能面の障害も傷害と評価されうるため、目に見える傷がないから暴行にとどまるとは限りません。

診断書の全治日数は、どこまで結論を決めるのか

捜査の初期段階では、被害者が提出した診断書の全治日数が事件の重さの目安として扱われます。全治一週間程度の打撲であれば略式手続による罰金や起訴猶予が視野に入り、骨折や後遺症が残る場合には公判請求が現実味を帯びます。もっとも、全治日数は医師が受診時の所見に基づいて記載する見込みであり、量刑を確定させる数値ではありません。実際に見られているのは、暴行の態様、凶器の有無、部位、回数、被害者との関係、そして事後の対応です。逆に言えば、診断書の日数が短いからといって安心はできません。頭部への攻撃や、複数人での暴行は、結果が軽くても重く評価されます。

被害者の処罰意思と、示談の効き方

傷害も暴行も、告訴がなければ起訴できない罪ではありません。したがって、被害者が告訴を取り下げれば当然に不起訴になるという関係にはありません。それでも、被害者が処罰を求めていないという事実は、検察官の判断に強く影響します。法務省『令和7年版犯罪白書』(対象年次は令和6年)によれば、傷害・暴行等の起訴率は全体で28.86%、来日外国人では25.69%であり、来日外国人の終局処理人員は1,519人でした。窃盗の起訴率が来日外国人で52.53%であることと比べると、この類型は起訴に至らない割合が高いことが分かります。ここでいう来日外国人は、永住者、永住者の配偶者等、特別永住者等を除いた統計上の概念です。示談は、治療費、休業損害、慰謝料を含めた金額を提示し、被害者が処罰を求めない旨と、以後互いに請求しない旨を書面にします。相手の連絡先が分からない場合は、弁護人が捜査機関を通じて連絡を取る方法があります。

相手にも落ち度があるとき

飲食店や路上での揉め事では、先に手を出したのがどちらかが争いになります。日本の刑法には正当防衛の規定があり、急迫不正の侵害に対し、自己または他人の権利を防衛するためやむを得ずにした行為は罰せられません。しかし、双方が応酬した事案では、防衛のためではなく攻撃のために行動したと評価されやすく、正当防衛の主張が通る場面は限られます。程度を超えた場合には過剰防衛として、情状により刑を減軽し、または免除することができるにとどまります。だからこそ、店内や周辺の防犯カメラ、目撃者、傷の写真といった客観証拠を早く確保することが決定的に重要になります。映像の保存期間は長くありません。

在留資格への影響と、更新の場面

入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により全部執行猶予が付いた場合は除かれます。傷害で罰金や執行猶予にとどまれば、この号によって直ちに退去強制手続に進むわけではありません。ただし、在留期間の更新は別の審査です。更新の可否は素行を含めて判断されるため、刑事処分が終わった後に更新の場面であらためて問われます。また、別表第一の在留資格をもって在留する方には、4号の2として一定の特定犯罪が別に定められており、永住者や日本人の配偶者等といった身分・地位に基づく在留資格の方とは適用範囲が異なります。自分がどちらに属するかを確認したうえで見通しを立ててください。

ご家族が最初にすること

まず、事件の直後に相手や相手の関係者と直接連絡を取ることは避けてください。示談の申入れのつもりでも、被害者側からは働きかけと受け取られ、勾留や接見禁止の理由にされることがあります。次に、現場の状況を示す資料、当日の衣類、ご本人の負傷があればその写真と受診記録を保全してください。そのうえで、示談の原資、身元引受人、住居と就労先または通学先の維持を確認し、勤務先や学校への説明の時期は弁護人と相談してから決めてください。初回のご相談は無料でお受けしています。

中文版:在日本伤害罪怎么判?伤害与暴行的分界线在哪里

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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