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日本の詐欺はどのくらいの刑になるのか 受け子・出し子が重く扱われる理由

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日本の詐欺はどのくらいの刑になるのか 受け子・出し子が重く扱われる理由

日本の詐欺はどのくらいの刑になるのか 受け子・出し子が重く扱われる理由

2026/09/01

「現金を受け取りに行っただけなのに、なぜ実刑なのか」。特殊詐欺の受け子や出し子として逮捕された方のご家族から、繰り返しいただくご質問です。日本の裁判所は、末端の実行役を「使われた側」としてではなく、組織的な犯行の実行を担った者として評価します。この記事では、詐欺の法定刑の構造、末端の役割が重く扱われる理由、弁護人が実際に争っている点、そして刑事処分が在留資格に及ぼす影響を、中国籍の方とそのご家族に向けて説明します。

詐欺の法定刑には罰金がない

詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑で、罰金の定めがありません。この一点が窃盗との決定的な違いを生みます。罰金を選べる罪では、軽微な事案が略式手続による罰金で処理されますが、詐欺にはその出口がありません。起訴されれば公開の法廷での裁判となり、判断は実刑か執行猶予かという形になります。法務省『令和7年版犯罪白書』(対象年次は令和6年)によれば、詐欺の起訴率は全体で51.42%、来日外国人で53.35%、来日外国人の終局処理人員は698人でした。窃盗と比べても起訴に至る割合が高い罪名です。

なぜ末端の役割でも重く扱われるのか

第一に、被害額です。特殊詐欺は一件あたりの被害が大きく、警察庁『令和6年における組織犯罪の情勢』によれば、令和6年の特殊詐欺の認知件数は20,987件、被害額は約721億5,000万円で、3年連続の増加により過去最悪となりました。第二に、組織性です。指示役、架け子、受け子、出し子、口座や道具の調達役という分業体制は、それ自体が犯行の悪質性として評価されます。同資料によれば、令和6年中の中枢被疑者の検挙は58人にとどまり、総検挙人員2,320人の2.5%でした。中枢に手が届きにくいという構造が、現に検挙された末端への評価を厳しくしている面は否定できません。第三に、被害者の多くが高齢者であり、老後の資金が失われるという結果の重さです。

最決平成29年12月11日が示したもの

受け子の事件でよく問題になるのが、いわゆるだまされたふり作戦です。被害者側が途中で詐欺に気付き、警察と協力して受取りに来た者を待ち構える手法で、この場合、被害者はすでに真実を知っているため既遂の詐欺は成立せず、詐欺未遂として立件されます。最高裁判所は最決平成29年12月11日で、この作戦が開始された後に受け子として加担した者にも詐欺未遂罪の承継的共同正犯が成立すると判断しました。「自分が行ったときには相手はだまされていなかった」という主張だけで責任を免れることは、この決定がある以上、実務上難しいと考えてください。

実際に争われているのは「知っていたか」

したがって弁護の中心は、犯罪への加担についてどこまで認識していたか、すなわち故意の有無に移ります。求人サイトや通信アプリで「荷物を受け取るだけ」と説明され、報酬の相場が不自然に高い、指示者の本名を知らない、身分証の写真を送らされている、といった事情がある場合、日本の裁判所は、少なくとも違法な行為かもしれないと認識しながら引き受けた、いわゆる未必の故意を認定する傾向にあります。弁護人が現実に取り組むのは、募集の文面、報酬の約束の内容、指示のやり取り、本人の日本語能力と滞在歴といった具体的事実を積み上げ、認識の程度を正確に描くことです。あわせて、被害弁償と示談、共犯者内での役割の限定、報酬を受け取っていない事実の立証が、量刑に直接効きます。なお刑法38条3項は、法律を知らなかったことをもって罪を犯す意思がなかったとはできないと定めており、日本の法律を知らなかったという説明はそれ自体では通りません。

外国籍の関与についての統計と、在留資格への影響

警察庁の同資料によれば、令和6年のSNS型投資・ロマンス詐欺の検挙は232件・113人で、うち外国人は26人でした。その内訳は受け子9人、出し子6人、現金回収運搬1人、道具調達3人、指示役2人、見張り1人、その他4人です。総数から見ればごく一部であり、この類型を国籍と結び付けて語るのは誤りです。在留については、入管法24条4号リが無期又は1年を超える拘禁刑を退去強制事由とし、但書で全部執行猶予を除いています。詐欺で実刑となり刑期が1年を超えれば、この号に正面から当たります。また、別表第一の在留資格をもって在留する方については、4号の2として一定の特定犯罪が別に定められており、身分・地位に基づく在留資格の方とは適用範囲が異なります。ご自身の在留資格がどちらに属するかを確認したうえで見通しを立てる必要があります。

ご家族が今日できること

まず、ご本人の携帯電話とその中の記録に手を触れないでください。削除は証拠隠滅と受け取られます。次に、募集の経緯を示す画面、報酬の約束、指示のやり取りが残っている媒体を保全してください。これらは不利にも有利にも働きますが、消えてしまえば有利な事実の立証もできなくなります。そのうえで、被害弁償の原資、身元引受人、住居と就労先または通学先の維持を確認し、勤務先や学校への説明の時期は弁護人と相談してから決めてください。共犯事件では接見禁止が付くことが多く、ご家族が会えない状態が続きます。その間に本人と連絡が取れるのは弁護人だけです。

中文版:日本 诈骗 判几年刑:为什么取款人和上门收款人也判得重

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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