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起訴前に釈放される三つの経路。不起訴・処分保留・勾留却下

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起訴前に釈放される三つの経路。不起訴・処分保留・勾留却下

起訴前に釈放される三つの経路。不起訴・処分保留・勾留却下

2026/09/01

身柄を取られた後、起訴される前に外へ出られる道は、大きく三つあります。不起訴処分による釈放、処分を保留したままの釈放、そして勾留が認められないことによる釈放です。この三つは、外に出られるという結果は同じでも、その後に残るものがまったく違います。とりわけ外国籍の方の場合、どの経路で出たかによって、その後の在留手続での説明の仕方が変わります。この記事では、それぞれの要件と時期、弁護人がどう狙い分けるのか、そして釈放後に何をすべきかを説明します。

第1の経路 不起訴処分

検察官が公訴を提起しないと決める処分です。嫌疑がないと判断される場合、嫌疑が不十分な場合のほか、事情を考慮して起訴を見送る起訴猶予があります。法務省『令和7年版犯罪白書』によれば、令和6年の来日外国人被疑事件の終局処理人員1万8696人のうち、起訴猶予は7478人で、起訴猶予率は48・35%でした。およそ半数が起訴猶予となっている計算です。この数字は、起訴される前の段階での弁護活動、すなわち被害弁償、示談、環境の整備、検察官への意見提出に意味があることを示しています。なお、統計にいう来日外国人とは、永住者、永住者の配偶者等、特別永住者、在日米軍関係者、在留資格が不明な方を除いた外国人をいい、在留外国人一般とは母集団が異なります。同じ年の起訴率は、来日外国人が44・28%、日本人を含む総数が40・38%でした。不起訴となれば、その事件で有罪判決を受けることはなくなります。

第2の経路 処分保留による釈放

勾留の期間が満了する際に、検察官が起訴か不起訴かの判断を留保したまま、身柄だけを解く扱いです。身柄は自由になりますが、捜査は続いており、後日、在宅のまま起訴されることも、略式命令の請求がなされることもあります。ここで注意していただきたいのは、釈放されたことをもって事件が終わったと理解してしまうことです。勤務先や学校への説明、在留期間の更新の申請、転居の届出などを、事件が終わったつもりで進めると、後日の起訴によって前提が崩れます。処分が決まるまでは、弁護人と連絡を保ってください。

第3の経路 勾留が認められないこと

検察官が勾留を請求しても、裁判官がこれを却下すれば、身柄は解かれます。また、いったん勾留が認められても、その裁判に対する不服申立て(準抗告)が認められれば釈放されます。検察統計(令和6年、全国籍ベース)によれば、逮捕後の措置の総数10万738件のうち、勾留が許可されたのは9万1358件、却下は4154件でした。ここから計算すると許可率は約95・7%となります。これは全国籍の数字であり、国籍別の内訳は公表されていません。数字の上では狭い道ですが、住居が定まっており、家族や勤務先の受け入れがあり、罪証隠滅の具体的なおそれが乏しい事案では、現に認められています。

弁護人はどう狙い分けるのか

三つの経路は、時期が違います。逮捕から勾留が決まるまでの数日間は、第3の経路が唯一の選択肢です。勾留が始まった後は、被害者との示談や被害弁償を進め、第1の経路を目指します。示談の成立が期間内に間に合わないと見込まれる場合には、第2の経路を視野に入れつつ、身柄だけでも解く方向で検察官と交渉することもあります。どの経路を狙うかは、罪名、被害者の有無と態度、共犯者の状況、本人の生活基盤によって変わります。

釈放後に続く在留の手続は経路ごとに違います

ここが外国籍の方にとって最も重要です。不起訴となった場合、有罪判決を前提とする退去強制の事由には当たりません。薬物関係の法令違反に関する事由は有罪判決があることを要件としていますので、不起訴であればこの事由には該当しないことになります。もっとも、入管は刑事処分とは別に、資格外活動や在留資格に応じた活動の実体といった観点から独自に判断しますので、不起訴になれば在留の問題も自動的に消えるわけではありません。処分保留の場合は、更新の申請の際に、手続が継続中であることをどう説明するかが問題になります。勾留却下で釈放された場合も、捜査そのものは続いています。いずれの場合も、処分の結果を示す書面をそろえておくことが後の説明の土台になります。

ご家族が準備できること

被害弁償の原資、身元引受人、住居、勤務先や学校の受け入れ。この4点は、三つの経路のいずれを狙う場合にも共通して必要になります。加えて、在留カードと旅券の所在、在留期限の日付を確認してください。釈放された当日に必要なのは、帰る場所と、翌日からの生活の見通しです。事件が終わったのか、まだ続いているのかを、弁護人からはっきり確認したうえで、次の手続に進んでください。

中文版:起诉前获释的三条路:不起诉、暂缓处分、羁押被驳回

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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