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保釈が却下されたら終わりか。不服申立てと再請求のタイミング

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保釈が却下されたら終わりか。不服申立てと再請求のタイミング

保釈が却下されたら終わりか。不服申立てと再請求のタイミング

2026/09/01

起訴された後に保釈を請求したところ、裁判所がこれを認めない決定を出した。中国語圏のご家族からのご連絡のうち、この場面のご相談はとりわけ多くいただきます。一度断られたのだから判決まで外に出られないのだろう、と受け止めてしまう方も少なくありません。しかし保釈は、一回の請求で結論が固定される仕組みではありません。この記事では、却下決定を受けた後に取り得る二つの道、すなわち上級の裁判所に対する不服申立てと、事情の変化を作ったうえでの再請求について、証拠調べの進み方との関係を踏まえて説明します。

保釈の請求は一回で終わりではありません

日本には起訴前の保釈という制度がなく、保釈を請求できるのは起訴された後です(刑事訴訟法88条以下)。そして、保釈請求の回数に法律上の上限はありません。却下決定が出た後でも、2回目、3回目の請求ができます。ただし、前回と同じ資料をそのまま出し直しても、裁判所の判断が動く理由がありません。却下された後に何をしたかが、次の判断の材料になります。逆に言えば、却下から次の請求までの期間は、待つための時間ではなく、材料をそろえるための時間です。

まず、なぜ却下されたのかを読み解きます

保釈が認められない典型的な理由は、証拠を隠したり関係者に働きかけたりするおそれ(罪証隠滅のおそれ)と、逃げるおそれの二つです。外国籍であることそれ自体が却下の理由になるわけではありませんが、実務では、家族と住居が国外にあるという事情が、逃亡のおそれの文脈で語られやすい傾向があります。決定書には詳しい理由が書かれないことも多いため、弁護人は、検察官が提出した意見の内容、共犯者の有無、被害者との関係、旅券が押収されているかどうか、在留資格の種類と残りの在留期間といった具体的な事情から、裁判所が何を懸念しているのかを絞り込みます。ここを取り違えると、次の請求で見当違いの資料を積み上げることになります。

上級の裁判所への不服申立てを選ぶ場面

却下の判断そのものが不当だと考える場合には、上級の裁判所に対する不服申立て(抗告。裁判官が単独でした裁判に対しては準抗告と呼ばれる手続になります)ができます。申立てには日数の限られた期間制限があるため、却下の連絡を受けたその日のうちに方針を決める必要があります。この道が向いているのは、罪証隠滅のおそれという評価そのものを争う場合、たとえば主要な証拠が既に押収済みで、共犯者の取調べも終わっているのに、抽象的なおそれだけを理由に却下されたと見られる場合です。他方で、記録が上級の裁判所に移っている間は、元の裁判所での再請求が進めにくくなります。どちらを先に選ぶかは、限られた時間をどう使うかという判断でもあります。

事情変更は、待つのではなく作ります

再請求で裁判所を動かすのは、前回の判断の前提が変わったという事実です。実務で意味を持つのは、次のようなものです。

  • 被害者との示談の成立、被害弁償の一部の履行、贖罪寄付の実施
  • 身元引受人の追加。日本国内で同居できる親族、雇用を続ける意思のある勤務先の責任者、学校の担当者
  • 住居の変更。共犯者や被害者の生活圏から離れた住居を確保する
  • 保証金の増額の申出、旅券の任意提出、日々の所在を記録する方法の提案
  • 持病や治療の必要性を示す医師の書面

これらは自然に生じるものではなく、弁護人とご家族が動いて初めて形になります。却下の理由に対応しない資料をいくら足しても、判断は変わりません。

証拠調べの進行と、請求のタイミング

保釈が認められやすいかどうかは、手続がどこまで進んだかによって変わります。第1回公判期日の前は、検察官が請求する証拠に同意するかどうかも決まっておらず、関係者の記憶に働きかける余地が残っていると評価されやすい段階です。証拠に対する意見が固まり、争いのない書面の取調べが終われば、隠滅の対象は狭まります。共犯者や被害者の証人尋問が終わった後は、さらに事情が変わります。審理が終わって判決を待つ段階も一つの機会です。同じ資料でも、どの段階で提出するかによって持つ意味が変わる、ということです。

ご家族が今日から準備できること

保証金の原資をどこから用意するか、送金に何日かかるか、在留カードと旅券が今どこにあるか、勤務先に雇用を続ける意思があるか、住まいの賃貸借契約が続いているか。これらは弁護人が一人で集められるものではありません。中国にいるご家族から送金する場合は着金まで日数がかかりますので、却下の直後から準備を始めておくと、次の機会を逃さずに済みます。面会や差入れの可否、通訳の手配も併せてご確認ください。

中文版:保释被驳回后还有机会吗?准抗告与再次申请的时机

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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