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20歳未満の子が日本で逮捕されたら。少年手続は刑事裁判とどこが違うのか

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20歳未満の子が日本で逮捕されたら。少年手続は刑事裁判とどこが違うのか

20歳未満の子が日本で逮捕されたら。少年手続は刑事裁判とどこが違うのか

2026/09/01

お子さんが日本で逮捕されたというご連絡を受けたご家族から、「大人と同じ裁判になるのか」「前科が付くのか」「学校と在留資格はどうなるのか」というお尋ねを受けます。日本では20歳未満の者の事件は、大人の刑事事件とは別の手続に乗ります。手続の目的も、身柄の扱いも、最後に下される処分の性質も違います。この記事では、少年手続の流れが刑事裁判とどこで分かれるのか、逆送とは何か、18歳・19歳の場合の特則、そして外国籍のお子さんの在留資格にどう跳ね返るのかを、順を追って整理します。

少年の事件は、原則としてすべて家庭裁判所に送られます

最初の大きな違いはここです。成人の事件では、検察官が起訴するか不起訴にするかを決めます。これに対し少年の事件では、犯罪の嫌疑があると判断される限り、検察官は事件を家庭裁判所に送らなければならないとされています。これを全件送致といいます。つまり、成人であれば起訴猶予で終わっていた軽微な事案も、いったんは家庭裁判所の判断を受けることになります。法務省『令和7年版犯罪白書』(対象年次は令和6年)によると、来日外国人被疑事件の終局処理18,696人のうち家庭裁判所送致は653人です。数は多くありませんが、その一人一人にとっては人生の分岐点です。

逮捕・勾留のあとに来る「観護措置」

少年であっても、逮捕され、勾留されることはあります。逮捕から72時間、勾留は原則10日、延長で最大20日という枠組みは成人と同じです。異なるのは、その後です。家庭裁判所に送致されると、裁判官は少年鑑別所に少年を収容して心身の状態を調べる観護措置をとることがあります。実務では、まず2週間とされ、更新されて4週間程度になることが多くあります。ここでは取調べではなく、面接や心理検査を通じて、なぜその行為に至ったのかが調べられます。ご家族にとって重要なのは、調査の対象が本人だけでなく家庭環境そのものだという点です。保護者が日本にいるか、意思疎通ができるか、監督できる住居があるかが、そのまま処分の見通しに影響します。

審判は非公開で、目的は処罰ではなく立ち直りにあります

成人の刑事裁判は原則として公開の法廷で行われ、検察官が有罪を立証し、裁判所が刑を言い渡します。少年審判は非公開で、裁判官、少年、保護者、付添人が同じ部屋で話し合う形で進みます。付添人には弁護士が就くことができ、成人事件の弁護人に当たる役割を果たします。最後に決まるのは刑罰ではなく保護処分です。保護観察、児童自立支援施設等への送致、少年院送致がその中身で、事案によっては不処分や審判不開始で終わることもあります。ここで働きかけるべきなのは「量刑を軽くしてください」という主張ではなく、帰る家があり、監督する人がおり、通う学校や職場があるという環境を具体的に作って示すことです。

検察官送致(逆送)されると通常の刑事裁判に戻ります

すべての少年事件が保護処分で終わるわけではありません。家庭裁判所が刑事処分を相当と判断した場合には、事件は検察官に送り返され、そこから先は成人と同じ刑事裁判になります。これを逆送といいます。故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた罪で、行為時16歳以上であった場合は、原則として逆送されます。逆送されて有罪となれば、言い渡されるのは保護処分ではなく刑であり、後述する在留資格への影響も一気に現実味を帯びます。したがって、重大事案では家庭裁判所の段階でいかに調査官と裁判官に事情を伝えられるかが決定的に重要になります。

18歳・19歳(特定少年)には特則があります

成年年齢の引下げに合わせた法改正により、18歳と19歳は特定少年と呼ばれ、少年法の適用は受けつつも扱いが一部変わりました。全件が家庭裁判所に送致される点は変わりませんが、原則として逆送される対象犯罪の範囲が広がり、死刑または無期もしくは短期1年以上の拘禁刑に当たる罪が含まれます。また、逆送されて公判請求された後は、本人が誰かを推知させる報道の禁止が解除されます。留学生や就労している若い方がこの年齢層に含まれることは多く、18歳になった時点で手続の重さが変わることは、ご家族にはあまり知られていません。

外国籍のお子さんの在留資格への波及

ここは分けて考える必要があります。入管法24条の退去強制事由のうち、1年を超える拘禁刑に処せられた者に関する規定や、別表第一の在留資格者について特定の犯罪を挙げる規定は、いずれも刑に処せられたことを前提としています。少年審判の保護処分は刑罰ではないため、これらの規定が前提とする場合には当たらないと解されます。他方、逆送されて刑事裁判となり刑が言い渡された場合は、成人と同じ枠組みに戻ります。また、薬物に関する規定は有罪判決のみで足り、罰金でも執行猶予でも該当するとされている点にも注意が必要です。さらに、退去強制の問題にならなくても、在留期間の更新や変更の審査では素行が考慮されますから、保護処分で終わったから在留に何の影響もない、とまでは言えません。学校を退学になれば、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていないことを理由とする在留資格の取消し(入管法22条の4第5号)の問題も生じます。

ご家族が今日できること

第一に、付添人となる弁護士を早く選ぶことです。観護措置の期間は短く、その間に家庭環境を整えて資料にまとめる必要があります。第二に、保護者が日本にいない場合、監督を引き受けられる親族や勤務先の方を探すことです。第三に、学校との関係を切らないことです。復学の可能性が残っているかどうかは、処分にも在留にも影響します。第四に、被害のある事件では、被害弁償や謝罪の意思をどう伝えるかを付添人と相談することです。少年審判では、被害者に対して何をしたかが、反省の実質を測る材料として重く見られます。第五に、通訳の確保です。少年審判でも通訳は付きますが、審判の前後にご家族と本人が中国語で十分に話し合えているかどうかで、伝わり方が変わります。

中文版:未满20岁的孩子在日本被逮捕,少年程序与刑事审判有什么不同

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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