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押収された携帯電話・在留カード・旅券は、いつ返ってきますか

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押収された携帯電話・在留カード・旅券は、いつ返ってきますか

押収された携帯電話・在留カード・旅券は、いつ返ってきますか

2026/09/01

逮捕された方の持ち物は、その場で警察に取り上げられます。ご家族から「携帯電話がないので連絡が取れない」「在留カードがないと更新の手続ができない」「旅券がないと帰国もできない」というご相談をよくいただきます。結論から申し上げると、押収された物が戻る時期は、事件がどう終わるかによって変わり、多くの場合すぐには戻りません。この記事では、領置と差押えという二つの言葉の違い、返してもらう手続、そして在留カードと旅券に特有の問題を説明します。

結論:返る時期は事件の終わり方で決まります

押収された物は、事件の捜査と裁判に必要な間、捜査機関や裁判所が保管します。したがって、不起訴になれば比較的早い段階で返還される可能性がありますが、起訴されて公判で証拠として取り調べられる物であれば、判決が確定するまで戻らないことがあります。犯罪の用に供された物などについては、判決で没収が言い渡され、そもそも戻らない場合もあります。「いつ返るか」は、逮捕直後の段階では確定的にお答えできない、というのが正直なところです。ただし、後述するように、事件の途中でも返還を求める手続はあります。

領置と差押えは違います

まず言葉を整理します。差押えは、令状に基づいて強制的に物を取り上げる処分です。捜索差押許可状に基づいて自宅や車内を捜索し、携帯電話やパソコンを押収するのが典型です。これに対して領置は、遺留された物や、所有者・所持者が任意に提出した物を、そのまま保管する処分です。逮捕された際に身に着けていた財布や携帯電話が、この扱いになることがあります。どちらであっても、返還を求める手続の枠組みは共通しますが、押収の経緯が違うため、争い方が変わることがあります。押収されたときには、押収した物の一覧を記載した書面が交付されます。ご家族は、まずこの書面が本人の手元にあるか、弁護人が写しを持っているかを確認してください。何がどれだけ押収されているのかが分からなければ、話が始まりません。

返してもらう手続:還付と仮還付

押収された物は、留置の必要がなくなれば返還されます。事件が続いている間でも、所有者や所持者からの請求により、一時的に返してもらう扱いを求めることができます。実務では、生活や仕事にどうしても必要な物について、この請求を行うことがあります。手続は弁護人を通じて行うのが通常で、なぜその物が必要なのか、返しても捜査に支障がないのはなぜかを具体的に説明します。たとえば、押収された携帯電話に家族の連絡先しかなく、事件と関係がないと説明できる場合と、事件のやり取りが残っている疑いがある場合とでは、扱いがまったく違います。すべてが認められるわけではありませんが、請求しなければ動きません。

在留カードと旅券には、特有の問題があります

中長期在留者には在留カードを携帯する義務があり、これを怠ることは入管法上の問題になります。実際、警察庁「令和6年における組織犯罪の情勢」によれば、令和6年の来日外国人による入管法違反の検挙件数5,974件のうち、旅券等の不携帯・提示拒否は1,139件を占めています。ここで問題になるのが、在留カードや旅券が捜査機関に押収されている場合です。手元にないこと自体はやむを得ませんが、その事情を説明できる状態にしておく必要があります。押収されている旨を示す書面の写しを持っておく、弁護人に事情を確認しておく、といった備えが役に立ちます。また、在留期間の更新や変更の申請では、在留カードと旅券の提示が求められます。押収されている場合の取扱いについては、事前に弁護人を通じて確認してください。旅券が押収されたまま帰国の話が進むと、旅券の再発給を本国の在外公館に申請する必要が生じることもあります。

携帯電話が返らないことの、実生活への影響

携帯電話は、いまや本人の生活そのものです。返還されない間、電話番号の契約は止まらず料金だけがかかり、二段階認証が受けられないために銀行口座や各種サービスにアクセスできず、勤務先や学校からの連絡も届きません。ご家族としては、まず携帯電話の契約者が誰か、料金の引き落とし口座はどこかを確認し、支払が滞らないようにしてください。契約が解除されると、電話番号に紐づいた認証手段が失われ、復旧に大変な手間がかかります。加えて、家族や知人の連絡先が携帯電話の中にしか残っていない場合、必要な連絡先を本人から聞き出すことが接見の重要な目的になります。

ご家族が今日からできること

第一に、何が押収されているのかを弁護人を通じて確認してください。第二に、生活の維持にどうしても必要な物を優先順位を付けて挙げてください。すべてを一度に求めるより、必要性を具体的に説明できる物から求めるほうが通りやすいのが実情です。第三に、在留カードと旅券については、押収の有無、有効期限、更新時期を確認してください。刑事の処分が決まった後には、在留期間の更新や、退去強制の手続が控えています。第四に、判決で没収の対象になり得る物があるかどうかを弁護人に確認してください。返還を前提に生活設計を立てていると、判決の内容によっては当てが外れます。押収物の扱いは地味な論点ですが、釈放された後の生活の立て直しに直結します。

中文版:被扣押的手机、在留卡、护照什么时候能还回来

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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