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「いつ出られますか」の答えは三つあります。釈放・出所・帰国は別のこと

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「いつ出られますか」の答えは三つあります。釈放・出所・帰国は別のこと

「いつ出られますか」の答えは三つあります。釈放・出所・帰国は別のこと

2026/09/01

「日本で捕まった家族は、いつ出られますか」。この問いに一つの答えを出そうとすると、たいていご家族の期待とずれます。日本語でも中国語でも「出る」という言葉は同じですが、実際には三つのまったく別の出来事を指しているからです。第一に、起訴前の身柄拘束が解かれること(釈放)。第二に、刑が終わって刑事施設から出ること(出所)。第三に、日本を離れて中国へ帰ること(帰国・送還)。この記事では、三つを時間軸で切り分け、それぞれがいつ、どのような条件で起こるのかを説明します。期待値を正しく持つことは、待つ側にとっても、拘束されている本人にとっても、大切な支えになります。

第一の「出る」:起訴前の釈放

逮捕されると、警察は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は24時間以内かつ逮捕から72時間以内に勾留を請求するか釈放するかを決めます。勾留は原則10日、延長されて最長20日です。この間に不起訴となれば、その日のうちに身柄は解かれます。数字で見ると、法務省『令和7年版犯罪白書』では、令和6年の来日外国人被疑事件の起訴猶予率は48.35%、起訴率は44.28%でした。約半数は起訴されずに終わっているということです。ただし、ここで解かれるのは刑事の拘束だけです。在留期間が切れている方の場合、警察署の門を出たところで入管の手続に移ることが現実にあります。「釈放=家に帰れる」とは限らない、というのが第一のずれです。

第二の「出る」:判決の後に刑事施設から出ること

起訴されると公判が始まります。判決で全部執行猶予が付けば、その日に身柄は解かれます。法務省『令和7年版犯罪白書』によれば、令和6年に通訳を要する被告人の有罪人員4,388人のうち、全部執行猶予の割合は全罪名で85.3%、入管法違反を除くと74.8%でした。実刑となった場合は、刑期の満了、または仮釈放によって刑事施設を出ることになります。ここで注意していただきたいのは、判決の日から刑期が始まるわけではなく、判決前に拘束されていた日数の一部が刑期に算入される場合があるという点です。何年何月に出られるかは、判決の内容と算入の扱いによって変わりますので、判決文を弁護人に確認してもらってください。

第三の「出る」:日本を離れて帰国すること

刑事手続が終わっても、在留資格の問題が残っていれば、そこから入管の手続が始まります。退去強制が確定した場合の帰国には、自ら費用を負担する自費出国と、国の費用による送還があります。出入国在留管理庁の統計では、令和6年に送還された7,698人のうち、自費出国が6,808人、国費送還が計830人でした。多くの方は自費で帰国しているということです。ただし、旅券の再発給、航空券の手配、収容中の所持金の精算などに時間がかかり、「明日にでも帰れる」わけではありません。加えて、退去強制で出国した場合には上陸拒否の期間が付きます。前歴がなければ5年、前歴があれば10年です。一方、違反調査が始まる前に自ら出頭して出国命令によって出国した場合は1年です。つまり、どのように出国したかによって、次に日本へ来られる時期が大きく変わります。

三つの時計は、つながっているようで別々に動きます

この三つは順番に並んでいるとは限りません。不起訴で釈放されてすぐ入管に収容される方もいれば、実刑判決を受けて刑期を終えた日に入管の手続へ移る方もいます。逆に、在留資格に問題がなく、家族が日本にいる方であれば、判決の後に日本での生活へ戻る道もあります。刑事の結論と入管の結論は、別の役所が別の基準で判断しているからです。しかも入管の収容には、刑事の勾留のような日数の上限がありません。「刑事が終わったのだから、もうすぐ帰ってくる」という見立ては、しばしば外れます。

ご家族の期待値をどう整えるか

お伝えしたいのは、日数を予想することよりも、分岐点を把握することのほうが役に立つということです。分岐点は三つあります。第一に、起訴か不起訴かが決まる時点(逮捕からおよそ20日前後)。第二に、判決で執行猶予が付くかどうかが決まる時点。第三に、退去強制の手続に入るかどうか、入った場合に在留特別許可を求めるかどうかを決める時点です。この三つのそれぞれで、こちらから出せる材料があります。何も出さなければ、時間だけが過ぎていきます。

今日からご家族ができること

まず、ご本人がどの段階にいるのかを確定してください。警察署にいるのか、拘置所にいるのか、刑事施設にいるのか、入管の施設にいるのかで、できることが変わります。次に、旅券と在留カードの所在を確認してください。帰国の局面でも、在留を求める局面でも、いずれ求められる書類です。第三に、住まいと仕事をどうするかを決めてください。家賃の滞納で住居を失うと、身元引受けの説明が難しくなります。第四に、日本に残る道を目指すのか、早期の帰国を選ぶのかを、ご本人の意思を確認したうえで方針として決めてください。どちらを選ぶかによって、出すべき書類も、動く時期も違ってきます。方針が決まらないまま時間が過ぎることが、最も損失の大きい選択です。

中文版:被抓后多久能放回来?释放、出狱、回国是三件不同的事

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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