舟渡国際法律事務所

日本の留置場での生活と差し入れ 現金・衣類・書籍はどこまで届くのか

お問い合わせはこちら

日本の留置場での生活と差し入れ 現金・衣類・書籍はどこまで届くのか

日本の留置場での生活と差し入れ 現金・衣類・書籍はどこまで届くのか

2026/09/01

日本で家族が逮捕され、警察署の留置場に入っていると聞いた。何を届けられるのか、お金はいくら預ければよいのか、中国語の本は読めるのか。この記事は、そうしたご家族からのご質問に、日本の実務に即してお答えするものです。差し入れの窓口の時間、預けた現金が何に使われるのか、領置と自弁という二つの言葉の違い、衣類や書籍の制限、中国語の書籍の扱いまで順に整理します。日本語が不自由な方にとって、差し入れは本人と外の世界をつなぐ数少ない手段です。

逮捕された直後、本人はどこにいるのか

日本では、逮捕された人はまず警察署に付属する留置施設(留置場)に入ります。起訴されるまでの大半の期間をここで過ごすのが通例で、拘置所へ移されるのは起訴後や一部の事件に限られます。逮捕後、警察は48時間以内に事件を検察官へ送り、検察官は24時間以内かつ逮捕から72時間以内に裁判官へ勾留を請求します。勾留が認められると原則10日、やむを得ない事由があるときはさらに10日まで延長され、合計20日の身体拘束が続きます。ご家族が差し入れに通うことになるのは、ほぼこの期間の留置場です。施設ごとに運用が違いますので、「日本ではこうだ」と一律に考えず、その警察署の運用を確認することが出発点になります。

差し入れの窓口は平日の日中に限られる

差し入れは、警察署で留置管理を担当する窓口が受け付けます。多くの署で受付は平日の日中に限られ、土日祝日や夜間は受け付けないか、内容が制限されます。窓口の時間、一回に差し入れられる点数、本人の氏名以外に必要な情報(逮捕された日、担当の係)は署によって異なります。遠方から出向いたのに受け付けてもらえなかった、という事態を避けるため、行く前に必ず電話で確認してください。日本語での電話が難しい場合、弁護人が付いていれば弁護人を通すのが確実です。郵送での差し入れを受け付ける署もありますが、現金は窓口か現金書留に限られるのが通常です。

現金は何に使われるのか。領置と自弁の違い

差し入れた現金は本人の手に直接渡るのではなく、施設が領置金として預かります。領置とは、本人の所持品や差し入れ品を施設が保管することをいいます。本人はこの領置金の範囲で、自分の費用により物を購入できます。これを自弁といいます。自弁の対象は、施設が指定する業者の食事、下着やタオル、石けん、歯ブラシ、便箋、封筒、切手、書籍などです。官給の食事は出ますから食べる物がなくなることはありませんが、自弁の食事が入るかどうかは本人の体調と気力に直結します。金額の目安は拘束の長さによります。20日の勾留を見込むのであれば、食事と日用品と郵便代を賄える程度は必要です。使い切らなかった分は釈放時に返還されます。

衣類はどこまで届くか

衣類は差し入れの中心です。ただし、ひも、フード、金属の留め具、ベルトのような硬い部品が付いた物は、事故の防止を理由に受け付けられないことが多く、その場で外すよう求められることもあります。上下のスウェット、下着、靴下、タオルといった、ひものない簡素な物が実際には最も役に立ちます。季節の変わり目は本人が体調を崩しやすく、冬場の防寒着は早めに届けたほうがよいものの一つです。一度に持ち込める枚数に上限がある施設もありますので、まとめて持参するより、必要な物を絞って複数回に分けるほうが確実です。眼鏡やコンタクトレンズ、常用薬は種類によって扱いが変わりますから、必ず事前に確認してください。

書籍と中国語の本はどう扱われるか

書籍や雑誌の差し入れは原則として認められますが、施設は内容を確認したうえで交付します。ここで問題になるのが言語です。中国語の書籍は、内容を確認できる職員がいないことを理由に確認へ時間がかかり、交付が保留されたまま領置扱いで釈放まで本人に渡らないことがあります。日中の対訳がある本、辞書、図版の多い本のように内容が判別しやすい物のほうが通りやすい傾向があります。どうしても中国語の書籍を届けたい場合は、弁護人に相談し、弁護人から施設へ説明してもらう方法が現実的です。なお、事件の内容に触れる資料や、第三者からの伝言が書き込まれた本は、罪証隠滅のおそれを理由に止められます。

面会と手紙。接見禁止が付いているとき

ご家族の面会は、多くの署で平日の日中、おおむね一日一回、十数分程度、人数の上限を設けて行われます。警察官が立ち会い、日本語以外の会話は通訳がいないことを理由に制限されることが少なくありません。手紙も職員が読みます。そして、共犯者がいる事件や否認している事件では、裁判官が接見等禁止の決定を出すことがあり、この場合は家族の面会も手紙も止まります。ただし、弁護人との接見だけは制限されません。刑事訴訟法は、身体を拘束された被疑者が弁護人と立会人なしに面会する権利を保障しており(同法39条1項)、接見等禁止の決定(同法81条)はこの権利には及ばないからです。家族が会えない期間、本人の様子を知る唯一の道が弁護人になります。

差し入れの前に、ご家族が確認しておきたいこと

差し入れは大切ですが、それだけでは事態は動きません。並行して、本人の在留カードと旅券がどこにあるか、在留期限がいつまでか、勤務先や学校にいつどう説明するか、被害のある事件なら弁償に充てられる資金があるか、身元引受人になれる人が日本にいるかを整理してください。これらはいずれも、勾留に対する不服申立て、起訴猶予を求める交渉、その後の在留資格の手続で必要になる材料です。留置場にいる本人は自分では何も集められません。外にいるご家族にしかできない作業が、ここにあります。

中文版:在日本被羁押后的日常:现金、衣物、书籍到底怎么送进去

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。