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勾留の決定は争えるのか 準抗告と勾留取消請求という二つの手段

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勾留の決定は争えるのか 準抗告と勾留取消請求という二つの手段

勾留の決定は争えるのか 準抗告と勾留取消請求という二つの手段

2026/09/01

勾留が決まったと聞くと、多くのご家族は「もう20日間は何もできないのか」と考えます。そうではありません。勾留の決定は、裁判官が一度した判断であって、確定した結論ではありません。日本の刑事手続には、これを争う手段が用意されています。実際に認められる割合は高くありませんが、認められれば身柄が解かれ、その後の展開が大きく変わります。この記事では、争い方の種類と、認められることのある事案の特徴を説明します。

結論 勾留の決定は争える

勾留は、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があることに加えて、住居が不定であること、証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること、逃亡すると疑うに足りる相当な理由があることのいずれかがあり、かつ勾留の必要があると認められるときにされます。裁判官の判断は、検察官が出した資料をもとに、短い時間でされます。したがって、弁護人がその後に集めた資料、たとえば住居の存在、就労や在学の継続、身元引受人の存在、被害弁償の申入れといった事情は、勾留の判断がされた時点では考慮されていないことが多いのです。これを裁判所に示して、判断のやり直しを求めるのが不服申立てです。

第一の手段 勾留の決定に対する準抗告

勾留の決定そのものが不当であると主張して、裁判所に判断のやり直しを求める手続です。決定をした裁判官とは別の裁判官の合議体が判断します。証拠隠滅のおそれについては、具体的にどの証拠に対して、どのような方法で働きかけるおそれがあるのかを検察官が示せているかを問います。逃亡のおそれについては、住居があること、家族がいること、勤務先や学校に籍があること、旅券が押収されていることを挙げて反論します。外国籍であることそれ自体は逃亡のおそれの根拠にはなりません。ここを丁寧に主張することが実務上重要です。

第二の手段 勾留取消請求

勾留が決まった後に事情が変わった場合に、勾留を取り消すよう求めるものです。たとえば、被害者との示談が成立した、身元引受人が新たに確保された、共犯とされる者の取調べが終わって口裏合わせのおそれが消えた、本人の健康状態が拘束に耐えないものになった、といった事情です。準抗告が決定時点の当否を問うのに対し、こちらは現時点の必要性を問うものだと理解してください。20日の勾留期間の途中で状況が動いたときの、現実的な手段です。

第三の手段 勾留延長の決定に対する不服申立て

最初の10日が満了する前に、検察官が延長を請求し、裁判官が判断します。この延長の決定に対しても、不服を申し立てることができます。争点は、なぜ更に10日必要なのか、その必要が具体的に示されているかです。単に「捜査を継続する必要がある」という抽象的な理由では足りないはずだ、という主張をします。延長の判断はおおむね9日目から10日目にされますので、この日程を押さえておかないと申立ての機会を逃します。

認められることのある事案の特徴

実際に身柄が解かれることのある事案には、いくつかの共通点があります。被害が軽微であること、被害弁償や示談が成立していること、日本国内に安定した住居があること、日本国内に監督できる身元引受人がいること、勤務先や学校が受け入れを続ける意向を示していること、そして本人が事実関係を争っていない場合には、証拠隠滅の具体的なおそれが乏しいことです。逆に、共犯者が多数いる事件、関係者が国外にいる事件、否認している事件では、身柄が解かれにくいのが実情です。参考までに、令和6年の検察統計(全国籍・全事件)では、勾留請求に対する許可が9万1,358件、却下が4,154件で、許可の割合は95.7%という計算になります。国籍別の内訳は公表されていません。数字が示すのは、争うこと自体が容易ではないという現実ですが、それは争わない理由にはなりません。

外国籍であることが不利に働きやすい点と、その埋め方

外国籍の方の場合、住居が賃貸で家族が国外にいる、勤務先が短期の契約である、日本語での連絡が難しいといった事情が、逃亡のおそれの方向で評価されやすくなります。これを埋めるには、事実で示すほかありません。賃貸借契約書の写し、在職証明書、在学証明書、給与明細、日本国内の親族や同僚の身元引受書、家賃の支払記録、そして在留カードと旅券の所在の説明。ご家族が用意できる書類は多く、それらは弁護人が申立書に添付します。ご家族が「何もできない」と感じる期間こそ、実は最も具体的に手を動かせる期間です。

中文版:在日本被拘留了怎么办?羁押决定可以提出异议吗

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舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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