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当日が初対面の三人。現場での共謀はどこまで認められるのか

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当日が初対面の三人。現場での共謀はどこまで認められるのか

当日が初対面の三人。現場での共謀はどこまで認められるのか

2026/09/01

SNSで知り合っただけで、互いの本名も知らない。当日が初対面である。それでも、複数人が関わった事件では、全員が共同正犯として同じ事実について責任を問われることがあります。共謀は、事前の綿密な打合せがなければ成立しないというものではないからです。この記事では、大阪府内で報じられた事件を手掛かりに、共謀共同正犯とは何を認定する話なのか、現場での意思連絡はどこまで共謀と評価されるのか、そして結果的加重犯が加わったときに何が起きるのかを整理します。

報じられた事案

産経ニュースの2025年7月5日報道によれば、大阪府内で、不同意性交等致傷および逮捕監禁致傷の疑いにより、中国籍の20代の男性専門学校生と日本人の男性2人が逮捕されました。3人はSNSで知り合い、互いに本名を明かさずアルファベット1文字で呼び合っていたとされ、中国籍の男性は他の2人と当日が初対面であったと報じられています。本人は容疑を認めているとされます。行為の態様や、被害を受けた方に関する事情には触れません。逮捕の段階の報道であり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

共謀共同正犯とは、何を認定する話なのか

複数人が関わる事件では、自分が直接手を下していなくても、共同して犯罪を実行する意思を通じ合い、その一部を分担したと認められれば、共同正犯として全体について責任を負います。ここで認定の対象となるのは、心の中の合意そのものではなく、合意があったと推認させる客観的な事実です。具体的には、現場に至るまでの連絡の内容、集合の経緯、役割の分担、犯行中の各自の言動、その後の行動と利益の分配です。裁判所は、これらを積み重ねて、意思の連絡が成立していたかどうかを判断します。「途中で嫌になった」「見ていただけだ」という主張は、その時点で何をしたか、何をしなかったかによって評価が分かれます。

現場での共謀は、どこまで認められるのか

事前の打合せがなくても、現場で意思が通じ合えば共謀は成立し得ます。もっとも、その認定には限界もあります。第1に、意思連絡が成立した時点がいつかという問題です。ある行為が始まった後に加わった場合、それ以前の行為についてまで当然に責任を負うわけではありません。第2に、意思連絡の内容の範囲です。ある行為について了解していたとしても、他の行為まで了解していたとは限りません。事案によっては、罪名の異なる複数の行為が同じ場面で行われますが、そのすべてについて共謀があったといえるかは、別個に検討を要します。弁護活動としては、自分がいつ、どの範囲で関与したのかを、時間軸に沿って正確に切り分けることが出発点になります。

本名も知らない関係を、どう評価するのか

互いに本名を明かさず、記号のような呼称で呼び合っていたという事情は、二つの方向に働きます。被告人側からすれば、相互の信頼関係が薄く、一体としての意思決定は成り立ちにくいという主張につながります。他方、検察官の側からすれば、匿名性を保つこと自体が発覚を避けるための工夫であり、むしろ計画性を基礎づける事情だと主張されます。近年の匿名で流動的なグループによる事件では、後者の評価がされやすい傾向にあります。したがって、匿名であったことを強調するだけでは足りず、その匿名性のもとで自分が何を知り、何を知らされていなかったのかを、連絡の履歴によって具体的に示す必要があります。

致傷の結果は、どこまで帰属するのか

報じられている罪名には、致傷が含まれています。結果的加重犯では、基本となる行為について共謀が認められれば、重い結果についても責任を負うのが原則です。自分は傷害まで意図していなかったという主張は、それだけでは責任を免れる理由になりません。もっとも、その結果が本当に共謀の範囲内の行為から生じたのか、別の者の独自の行為から生じたのかは、事実の問題として争う余地があります。致傷が加わると法定刑の下限が引き上げられ、執行猶予の余地は原則としてなくなります。実刑となれば、入管法(出入国管理及び難民認定法)24条4号リにより退去強制事由に該当します。

専門学校生の在留と、ご家族が今できること

留学の在留資格で在籍している方が長期に身柄を拘束されれば、授業に出席できず、学費の納入も滞ります。除籍や退学となれば、在留資格の基礎が失われ、入管法22条の4第5号による取消しの対象にもなり得ます。ご家族にお願いしたいのは、第1に弁護人の選任、第2に学校への連絡と休学の検討、第3に学費と住居費の維持、第4に、共犯者とされる方の関係者と接触しないことです。共犯者の家族同士が連絡を取り合うことは、口裏合わせと評価される危険が高く、身柄の解放を遠ざけます。伝えるべきことがあれば、必ず弁護人を通してください。

中文版:当天才第一次见面的三个人:现场共谋能被认定到什么程度

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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