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技能実習先で事件が起きたとき、処分が決まる前に実習が続けられなくなる

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技能実習先で事件が起きたとき、処分が決まる前に実習が続けられなくなる

技能実習先で事件が起きたとき、処分が決まる前に実習が続けられなくなる

2026/09/01

技能実習生が事件の当事者となった場合、刑事処分よりも先に、実習の継続が止まります。身柄を拘束されれば出勤できず、実習実施者との関係は事実上切れます。そして、実習先を離れたまま時間が経つと、失踪と扱われ、在留期間を過ぎれば不法残留になります。この記事では、群馬県内で報じられた事件を手掛かりに、実習が続けられなくなる仕組み、失踪と不法残留への転落を防ぐ方法、監理団体への連絡と帰国支援の選択肢を整理します。

報じられた事案

上毛新聞の2023年8月4日報道によれば、群馬県内で、職場の同僚に対する不同意わいせつの疑いにより、中国籍の技能実習生の男性が逮捕されました。令和5年7月に施行された改正法が県内で初めて適用された事案と報じられています。行為の態様や、被害を受けた方に関する事情には触れません。逮捕の段階の報道であり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。なお、被害を受けたとされる方も同じ職場の外国人労働者である場合、双方の在留と就労に同時に影響が及ぶという、この類型に特有の難しさがあります。

処分が決まる前に、実習が止まる

刑事手続では、逮捕から起訴・不起訴の判断まで、身柄事件で最大23日程度かかります。その間、実習生は出勤できません。実習実施者は、欠勤が続く実習生について、監理団体を通じて対応を協議します。事件の内容が職場の同僚に関わるものであれば、同じ職場に戻すという選択は現実には取りにくく、不起訴になった場合でも、元の実習先に復帰できないことが少なくありません。つまり、刑事処分の結果を待っている間に、実習の基礎となる雇用関係が失われるという順序で事態が進みます。この順序を理解しておかないと、対応が後手に回ります。

失踪と不法残留に転落しないために

実習先に戻れなくなった実習生が、連絡を絶ってそのまま日本に留まると、失踪として扱われます。在留期間が過ぎれば不法残留となり、入管法(出入国管理及び難民認定法)24条4号ロの退去強制事由に該当します。出入国在留管理庁の令和7年の統計では、退去強制令書の発付7,722人のうち、不法残留による発付が5,778人と圧倒的多数を占めています。刑事事件そのものよりも、その後の対応の誤りによって在留を失う方が、はるかに多いということです。また、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない場合は、同法22条の4第5号により在留資格が取り消され得ます。令和7年の在留資格取消しは1,446件で、うち技能実習が973件と全体の約7割を占めています。

監理団体と実習実施者への連絡は、誰がいつ行うか

身柄拘束中の本人は連絡を取れません。したがって、ご家族または弁護人が窓口になります。伝える内容は、事件の詳細ではなく、本人が現在出勤できない事情があること、連絡窓口が誰であるかにとどめるのが基本です。監理団体には、実習の継続可否、転籍の可能性、帰国となる場合の航空券や未払賃金の精算について確認します。未払賃金、寮の私物、預けている旅券や在留カードの所在は、後になるほど確認が難しくなりますので、早い段階で押さえてください。実習実施者から一方的に解雇を告げられた場合でも、労働債権は残ります。

帰国と、その後の再入国を見据えた選択

実習の継続が難しく、在留の見込みも立たない場合には、自ら出頭して手続を進める選択肢があります。入管法24条の3の出国命令は、違反調査の開始前に自ら出頭したかどうかで扱いが分かれ、出国命令によって出国した場合の上陸拒否期間は1年です。これに対し、退去強制を受けて出国した場合は、前歴がなければ5年、前歴があれば10年となります。将来の再入国を考えるなら、この差は極めて大きいものです。ただし、出国命令には要件があり、一定の罪で拘禁刑に処せられていないことなどが必要です。刑事事件の結果が出る前に、どの経路を選ぶべきかを弁護士と検討してください。

ご家族と、支援する立場の方ができること

母国のご家族にできることは、まず本人がどこに留置されているかの確認と、弁護人の選任です。技能実習生の場合、来日に際して支払った費用の借入れが残っていることがあり、収入が途絶えると母国の家族に直接影響します。この点は、量刑の情状としてではなく、生活再建の問題として、早めに事実関係を整理しておくべきです。監理団体や支援団体に相談する際には、事件の内容そのものよりも、在留と就労の見通しについて確認するのが現実的です。そして、本人には、取調べで記憶にないことを認めないこと、通訳を介して作られた日本語の調書に違和感があれば署名しなくてよいことを、面会や手紙で伝えてください。

中文版:在技能实习单位发生案件时,处分还没下来实习就已经无法继续

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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