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立入検査を受けた後も営業を続けた店。「知らなかった」が通らなくなる理由

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立入検査を受けた後も営業を続けた店。「知らなかった」が通らなくなる理由

立入検査を受けた後も営業を続けた店。「知らなかった」が通らなくなる理由

2026/09/01

営業の許可や区域の規制について、警察から一度指導を受けている。それでも店を開け続けた。この経緯がある事件では、後から「違法だとは知らなかった」と述べても、ほとんど通りません。静岡県と愛知県で、禁止地域での営業を理由に中国籍の方が摘発された事件が相次いで報じられています。この記事では、二つの報道を手掛かりに、故意がどのような事実から認定されるのか、経営者と従業員で処分が分かれるべき理由は何か、そして在留資格にどう響くのかを整理します。

報じられた二つの事件

一つ目は、静岡朝日テレビの2026年5月22日報道です。静岡県沼津市の店舗をめぐり、禁止地域内での営業の疑いで中国籍の30代の女性従業員が逮捕され、経営者とされる中国籍の40代の女性は先に逮捕されていたと報じられました。店から出てきた客への事情聴取から嫌疑が強まり、家宅捜索を経て逮捕に至ったとされています。二つ目は、FNNプライムオンライン(東海テレビ)の2026年8月24日報道です。愛知県豊田市の店舗について中国籍の女性2人が摘発され、同年1月に警察の立入検査と指導を受けていたにもかかわらず営業を続けていたことが、利用客の供述で判明したと報じられました。経営者とされる方は「従業員が勝手にやっただけ」と否認しているとされています。いずれも逮捕の段階の報道であり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

立入検査と指導は、なぜ故意の強い間接事実になるのか

この種の違反で争いになりやすいのは、区域の規制を知っていたかどうかです。刑法38条3項は、法律を知らなかったとしても、そのことによって罪を犯す意思がなかったとすることはできないと定めています。もっとも実務では、規制の存在を認識していたかどうかが、供述の信用性や情状の評価に大きく影響します。警察の立入検査を受け、その場で指導を受けたという経緯があると、この点の争いはほぼ封じられます。指導の記録、渡された書面、立会人の署名は、いずれも捜査機関の側に残っています。したがって、指導後に営業形態をどう変えたのか、変えなかったのはなぜかという説明を用意できるかどうかが、現実の分かれ目になります。

「従業員が勝手にやった」という否認が崩れやすい理由

経営者とされる方が、現場の行為は従業員が独断で行ったと述べることがあります。この主張は、売上の管理を誰が担っていたかという一点で崩れることが少なくありません。日々の売上金を回収し、家賃と人件費を支払い、価格を決め、求人を出していたのが本人であれば、営業の主体は本人であると評価されやすくなります。反対に、名義だけを貸し、実際の運営は別の人物が行っていたという事案も存在します。その場合は、資金の流れと指示系統を客観資料でたどることが弁護の中心になります。いずれにせよ、抽象的に否認するだけでは足りず、誰が何を決めていたのかを具体的に示す必要があります。

従業員の側が争えることは何か

従業員として立件された場合、まず検討するのは、自分が営業を営む者に当たらないという主張です。加えて、静岡の事件のように、客への事情聴取が端緒となっている事案では、客の供述がどの程度特定されているかを精査する余地があります。日時、場所、対応した人物、支払った金額。これらが曖昧なまま起訴事実が構成されていないか。防犯カメラの映像、予約の記録、勤務表と突き合わせて矛盾がないかを確認します。経営者と従業員は、得ていた利益も、意思決定に関与した度合いも異なります。同じ店の事件だからといって、同じ処分でよいということにはなりません。

指導を受けた段階でできること

すでに立入検査や指導を受けているという方は、その時点が最後の分岐点です。区域の規制は自治体の条例で定まっており、店舗の所在地が該当するかどうかは調べれば分かります。営業の内容が規制の対象に当たるのかどうか、判断が微妙な業態であれば、弁護士に確認したうえで、確認した経過を記録として残してください。相談した事実と、それに基づいて営業形態を変更した事実は、仮に後日立件されても、故意や情状の評価において意味を持ちます。何もしないまま営業を続けることが、最も重い結果につながります。

在留資格への影響と、ご家族の初動

風営法違反は、入管法(出入国管理及び難民認定法)24条4号チの薬物関係にも、別表第一の在留資格の方に限って適用される4号の2の特定犯罪にも含まれません。直ちに退去強制事由となるのは、無期または1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた場合(同条4号リ。全部執行猶予は除かれます)です。実務上より現実的な影響は、在留期間の更新や在留資格の変更の際に素行が問われる点にあります。経営・管理の在留資格で店舗を運営していた場合は、事業そのものの継続可能性も審査されます。ご家族としては、在留カードと旅券の所在の確認、身元引受けの準備、そして店舗の帳簿・契約書・勤務表を保全することが先決です。取調べでは、記憶にないことを認めない姿勢を保ってください。

中文版:被现场检查过还继续经营的店:为什么“不知道”这句话行不通

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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