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免許証の有効期限が書き換えられていた 誰がやったかで罪名が変わる

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免許証の有効期限が書き換えられていた 誰がやったかで罪名が変わる

免許証の有効期限が書き換えられていた 誰がやったかで罪名が変わる

2026/09/01

物損事故を起こして自分から警察に届け出たところ、提出した運転免許証の有効期限が書き換えられていたことが判明し、後日、無免許運転の疑いで逮捕される。日本ではこうした事件が実際に起きています。ご本人が「自分は改ざんしていない」「そもそも運転していない」と述べる場合、事件は一気に複雑になります。この記事では、中国籍の方とご家族に向けて、免許証の改ざんが問題になったときに何と何が争点になるのかを整理します。

報じられている事件

UHB北海道文化放送が2026年6月17日に報じたところによれば、北海道釧路市で、東京都在住の中国籍の26歳の自称塾講師の男性が、観光でレンタカーを運転中に物損事故を起こして自ら届け出た際、提出した日本の運転免許証の有効期限が改ざんされていたことが判明し、約4か月後に東京都内の自宅で無免許運転の疑いで逮捕されました。報道によれば、この男性は「私は運転していません」と否認しているとされています。疑いで逮捕されたと報じられているにとどまり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

改ざんしたのが誰かで罪名が変わる

運転免許証は、公安委員会が作成する公文書です。すでに存在する真正な免許証の記載内容を、権限のない者が書き換える行為は、文書の偽造ではなく変造として扱われます。そして、その変造された免許証を、真正なものとして警察官などに示す行為が行使です。ここで決定的なのは、誰が書き換えたのかという点です。本人が自ら書き換えたのであれば、変造とその行使の両方が問題になります。第三者が書き換えたものを本人が受け取って提示したのであれば、変造の実行行為はありませんが、変造されたものであることを知りながら示したのであれば行使は成立し得ます。さらに、第三者が本人に無断で書き換え、本人がそれを知らずに携帯していたのであれば、行使の故意も欠けることになります。したがって、捜査では、改ざんの手口、依頼の有無、支払の有無、入手経路の説明が徹底的に問われます。

無免許運転の故意は失効の認識と連動する

無免許運転が成立するには、免許を受けていないことの認識が必要です。免許が失効していたケースでは、更新のはがきが届いていたか、住所変更の届出をしていたか、更新期間をどのように把握していたか、過去に失効経験があるかといった事情から、失効の認識が推認されます。ここで、免許証の有効期限が改ざんされていたという事実は、両刃の剣になります。改ざんされた免許証を持っていたということは、期限が切れていることを知っていたからこそ書き換えたのだろう、という推認の材料になり得るからです。逆に、本人がまったく関与していない改ざんであれば、有効期限を見て有効だと信じていたという説明が成り立ちます。つまり、改ざんの主体の問題と、無免許の故意の問題は、切り離せない形で連動します。

運転していないという否認をどう組み立てるか

報道では、この男性は運転を否認しているとされています。運転者性を争う場合の中心的な証拠は、レンタカーの貸渡契約書と貸渡し時の本人確認の記録、事故現場付近の防犯カメラ、車内の指紋やDNA、ドライブレコーダー、携帯電話の位置情報、そして当日の同行者の供述です。届出をした際の対応が記録されているのであれば、その内容も重要になります。否認事件では身柄拘束が長期化しやすく、接見禁止が付されることもありますが、弁護人との接見は接見禁止によっても制限されません。ご家族と直接連絡が取れない期間が続いても、弁護人を通じてやり取りする手段は残っています。

在留資格への影響

無免許運転や文書に関する罪は、入管法24条4号の2に列挙された特定の犯罪には含まれていません。したがって、これらの罪だけで直ちに退去強制事由になるわけではありません。ただし、1年を超える実刑(全部執行猶予の場合を除きます)となれば入管法24条4号リの問題になります。加えて、公文書に関わる事件は、在留期間更新や在留資格変更の審査において、素行の評価に強く影響します。文書の真正に対する信頼を害する行為は、入管の審査で軽くは扱われません。短期滞在で来日した方であれば、次回以降の上陸審査で説明を求められる場面も想定しておく必要があります。

ご家族が今日できること

まず、免許証の取得と更新の経緯を、書類で確認してください。学科試験の受験記録、外国免許からの切替えの記録、更新通知の郵送先、住所変更の届出。記憶ではなく記録で確認することが、否認を維持できるかどうかを分けます。次に、レンタカーの契約書、予約時のメール、決済の記録を保全します。そして、ご本人が誰から免許証を受け取ったのか、費用を払ったのかという点については、話を合わせようとしないでください。ご家族が善意で説明を整えようとすると、それ自体が罪証隠滅を疑われます。中国語の通訳を伴う接見を早く行い、事実関係の確認は弁護人に委ねるのが安全です。

中文版:驾照有效期被改动,谁做的决定罪名

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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