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路面の起伏で車が跳ねた 道路構造は危険運転の弁護に使えるか

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路面の起伏で車が跳ねた 道路構造は危険運転の弁護に使えるか

路面の起伏で車が跳ねた 道路構造は危険運転の弁護に使えるか

2026/09/01

高速度での事故について、「路面の起伏で車が跳ねたことが原因だ。道路の方に問題がある」という説明をされる方がいます。道路の構造は、危険運転致死傷の成否を判断するうえで確かに重要な要素です。ただし、それは被告人に有利にも不利にも働きます。この記事では、中国籍の留学生・大学院生とそのご家族に向けて、道路要因が制御困難な高速度の認定にどう組み込まれるのか、そして実刑となった場合に在留がどうなるのかを説明します。

報じられている事件

神奈川新聞(カナロコ)が2024年8月30日に報じたところによれば、神奈川県内で、中国籍の23歳の大学院生が、制限速度60キロメートルの道路を時速約121キロメートルから146キロメートルで走行し、交差点付近の起伏で車体が上下に揺れたのに走行を続けて制御を失い、中央分離帯を越えて対向車線のトラックに衝突し、相手方の運転者を死亡させたとして、危険運転致死の罪で起訴されたと報じられています。認否は公表されていません。起訴されたことと有罪が確定したこととは別であり、被告人には無罪推定が及びます。

道路の起伏は弁護に有利な事情になるのか

結論から言えば、起伏の存在だけを取り上げても有利にはなりません。自動車運転死傷処罰法2条2号の高速度類型は、その道路をその速度で走ることが、進路を保つことを困難にするかどうかを問うものです。起伏があるということは、同じ速度でも車両の挙動が乱れやすいということですから、起伏の存在はむしろ制御困難性を基礎づける方向に働きます。上記の報道でも、起伏で車体が揺れた後も走行を続けたという事実関係が示されています。道路要因を弁護に使うのであれば、起伏があったこと自体ではなく、その起伏が通常の運転者にとって予見できない特殊なものであったこと、法定速度で走行していれば結果が生じなかったこととの関係、あるいは道路管理の状態が事故に寄与した程度を、測量結果や設計資料に基づいて具体的に示す必要があります。

争点はむしろ速度と因果の順序にある

この類型で実際に争いになるのは、第一に速度の幅です。報道では時速約121キロメートルから146キロメートルという幅のある数字が示されています。速度鑑定は、ブレーキ痕、車両の損傷、防犯カメラ映像の時間差、ドライブレコーダーの記録から推計されますが、その前提となる摩擦係数や映像の解像度に幅があると、結論の幅も広がります。認定される速度が下がれば、制御困難性の評価も、量刑の重さも変わります。第二に、制御を失った原因が高速度なのか、それとも運転操作、車両の整備状態、他車の動きなのかという因果の順序です。これらは弁護人が独自に交通事故鑑定人へ依頼して検証する領域であり、国選・私選を問わず、早い段階で資料が保全されているかどうかで結果が変わります。

留学・大学院生の在留はどうなるか

危険運転致死傷は入管法24条4号の2の特定の犯罪に当たり、この号は別表第一の在留資格を持つ人に適用されます。留学は別表第一ですから、有罪が確定して所定の要件を満たせば退去強制事由となり得ます。仮にその段階に至らなくても、実刑となれば大学の除籍・退学が事実上避けられず、在留資格「留学」の活動を継続できません。在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない場合は、入管法22条の4第5号による在留資格の取消しの対象にもなります。令和7年の在留資格取消しは全国で1,446件と過去最高で、そのうち留学は343件でした。刑事処分が確定する前から、在留はすでに動き始めているという意識が必要です。

ご家族が今日できること

身柄が拘束されている間、学籍の手続は本人には進められません。ご家族は、指導教員や学生課への説明の時期と内容を弁護人と相談したうえで、休学の可否や学費の納付期限を確認してください。次に、被害者遺族への対応です。死亡事故では、任意保険による賠償と、刑事事件における謝罪・弔慰は別のものとして扱われます。保険会社が交渉を進めていることは、量刑上の有利な事情として当然には評価されません。中国にいるご家族が費用を負担する場合は、送金の経路と証拠の残し方を弁護人に確認してください。差し入れとしては、日本語と中国語の辞書、眼鏡、常用薬の情報が実際に役立ちます。

中文版:路面起伏导致车辆弹跳,道路结构能否用于辩护

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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