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逮捕されて解雇されると、在留資格の土台が消える 3か月ルールと届出義務

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逮捕されて解雇されると、在留資格の土台が消える 3か月ルールと届出義務

逮捕されて解雇されると、在留資格の土台が消える 3か月ルールと届出義務

2026/09/01

刑事事件で身柄を拘束された就労資格の方から、いちばん多く寄せられるご質問は、有罪になったら在留資格を失うのか、というものです。しかし実務では、判決が出るより前に、別の経路で在留資格が危うくなります。逮捕による解雇です。この記事では、営業秘密をめぐる捜査が報じられた事案を手がかりに、就労資格が前提としている活動の要件、3か月以上活動していないことを理由とする在留資格の取消し、そして勾留中でも果たさなければならない届出義務について、順に説明します。

解雇が先に来る、という構造

読売新聞は2023年12月5日、電子部品大手の元社員である中国籍の30歳代の男性について、在職中に車載品の設計データを社有パソコンから私有ハードディスクに保存したとして、不正競争防止法違反の疑いで警視庁公安部が捜査していると報じました。転職先で利用しようとしたとみられているとも伝えられています。捜査段階の報道であり、この方は疑いを持たれていると報じられているにとどまります。起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

もっとも、この記事で注目したいのは有罪かどうかではありません。この類型では、逮捕の報道や会社の内部調査を契機に、刑事手続と並行して懲戒手続が進みます。就業規則の多くは、起訴された場合や、会社の信用を毀損した場合を懲戒事由としています。判決を待たずに雇用契約が終わってしまうことは、決してまれではありません。

就労資格は、活動があってはじめて成り立つ

技術・人文知識・国際業務や経営・管理といった就労資格は、その資格に対応する活動を日本で行うことを前提に与えられています。身分や地位に基づく在留資格、たとえば永住者や日本人の配偶者等とは、この点が根本的に異なります。出入国管理及び難民認定法(入管法)は、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていないことを、在留資格の取消事由としています(22条の4第5号)。正当な理由があると認められるときは除かれるとされていますが、逆にいえば、正当な理由の説明ができるかどうかが分かれ目になります。

令和7年の統計では、在留資格の取消しは総数1,446件と過去最高でした。うち第5号を理由とするものが350件(24.2%)です。国籍・地域別では中国が66件で、内訳は技能実習2号ロ16件、同1号ロ18件、留学10件、技術・人文知識・国際業務6件などとなっています。件数としては大きくありませんが、就労資格の方にとって、この経路が現に機能していることは知っておく必要があります。

最も多い取消事由は、実は届出の不履行

意外に思われるかもしれませんが、令和7年の取消し1,446件のうち、最も多いのは住居地の届出義務違反等を理由とする第6号で、999件(69.1%)を占めます。中長期在留者は、住居地を移したとき、所属していた機関との契約が終わったときや新たな機関と契約したときに、それぞれ届け出なければなりません。契約機関に関する届出の期限は事由が生じてから14日以内とされています。勾留されている本人は自分で届出に行けませんから、この期間は容易に過ぎてしまいます。

実務上は、代理人や家族を通じた届出、あるいは弁護人からの説明によって対応することになります。届出を怠った事実そのものよりも、届け出られる状況になかった事情を、後日、資料とともに説明できるようにしておくことが重要です。勾留状の写し、接見の記録、解雇通知の日付は、そのときの資料になります。

釈放されてからの3か月をどう使うか

不起訴や執行猶予で身柄が解かれても、無職の状態が続けば3か月ルールが動き出します。ここで効いてくるのが、転職活動の記録です。応募した会社と日付、面接の結果、紹介会社とのやり取り、資格試験や日本語学習の受講記録などを、断片でよいので残しておいてください。求職中であることは、活動を行っていないことについての説明材料になり得ます。あわせて、次の職が決まったときは、所属機関に関する届出を期限内に行い、必要に応じて在留資格の変更や更新の申請につなげます。就労資格の内容と、新しい仕事の内容が一致しているかどうかも確認が必要です。

刑事と入管を同時に設計する

刑事事件では、不起訴を得ることが最大の目標です。令和6年の犯罪白書によれば、来日外国人の被疑事件の起訴猶予率は48.35%でした。起訴猶予は不起訴の一種であり、起訴前の弁護活動には現実の意味があります。ただし、不起訴になっても解雇された事実は消えず、在留資格の問題は別に残ります。刑事弁護と入管手続を切り離さず、同じ時間軸の上に並べて設計することが必要です。ご家族には、在留カードと旅券の所在の確認、在留期限の把握、会社からの通知の保存、そして本人の勤務先での評価を示す資料の確保をお願いしています。

中文版:一旦被逮捕并遭解雇,在留资格的根基就没了——三个月规则与申报义务

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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