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発送地と住まいが離れている事件は、弁護の負担が変わる

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発送地と住まいが離れている事件は、弁護の負担が変わる

発送地と住まいが離れている事件は、弁護の負担が変わる

2026/09/01

ネットで売り、遠く離れた場所から発送する。この形が定着した結果、事件になったときに、住まいのある県ではなく、発送した先の県の警察が捜査し、その地の裁判所で審理されることが起きます。ご家族にとっては、面会に行くだけで一日仕事になり、弁護人との打合せも簡単ではありません。この記事では、発送地と居住地が離れた偽ブランド品事件の報道をもとに、遠隔地事件で何が変わるのか、そして夫婦や家族で関与した場合に責任がどう分かれるのかを整理します。

報じられた事件の概要

2024年6月14日および同年7月4日の新潟日報の報道によれば、中国籍の夫婦2人(会社役員の男性43歳、無職の女性44歳)が、商標法違反の疑いで逮捕されたと伝えられました。報道によれば、インターネットに出品した偽ブランドバッグ2点を新潟県魚沼市のコンビニエンスストアから発送したという内容で、その後、自宅に159点を販売目的で所持していたとして再逮捕されたとされています。夫婦の居住地は神奈川県横須賀市とされ、発送地とは大きく離れています。逮捕の段階の報道であり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

なぜ住んでいない県で捜査されるのか

犯罪の捜査や裁判は、行為が行われた場所を基準に進めることができます。商品を発送した行為がその地で行われていれば、その地を管轄する警察が捜査し、その地の検察庁が処分を決め、その地の裁判所で審理されることになります。インターネット取引では、出品した場所、発送した場所、代金を受け取った場所、商品を保管していた場所が、それぞれ別の県に散らばることが珍しくありません。結果として、被疑者本人にとってはまったく縁のない土地の留置施設に勾留される、という事態が生じます。

遠隔地事件で具体的に何が変わるか

第一に、接見の頻度です。弁護人が片道数時間かけて通う場合、毎日の接見は現実的でなく、打合せの間隔が空きます。取調べが連日行われる状況では、この差は小さくありません。第二に、ご家族の面会と差し入れです。移動と宿泊の負担が重く、衣類や書籍の差し入れも回数が限られます。第三に、示談や被害弁償の交渉です。権利者側や関係者が別の地域にいると、連絡と書面のやりとりに日数がかかります。第四に、保釈です。保釈が認められた場合の制限住居をどこにするか、公判のたびに遠方へ出頭できるか、身元引受人が近くにいるかが、判断に影響します。第五に、通訳の確保です。地方では中国語の通訳人が限られ、期日の調整に時間を要することがあります。これらは弁護方針そのものを左右しますので、早い段階でどの地で戦う事件なのかを把握してください。

夫婦で関与した場合、責任はどう分かれるか

家族で一つの取引をしていると、外から見れば一体に見えます。しかし刑事責任は、一人ひとりについて別々に判断されます。出品のアカウントを管理していたのは誰か、商品の仕入れを決めたのは誰か、発送作業をしたのは誰か、入金口座を管理し利益を取得していたのは誰か、偽物であることを認識していたのはいつからか。これらの事実によって、共同正犯とされるのか、限られた手伝いにとどまるのか、そもそも故意がないのかが分かれます。名義だけを貸していた、言われるままに荷物を出しただけだった、という主張が成り立つ場面も現実にあります。ただし、この主張は相手方配偶者の責任を重くする方向に働くため、双方の言い分が対立する可能性があります。だからこそ、夫婦であっても弁護人は別々に選任するのが原則です。

在留資格への影響を、それぞれについて考える

夫婦が同じ在留資格とは限りません。一方が就労資格で、他方がその扶養を受ける在留資格である場合、扶養者の側が有罪となって職を失えば、他方の在留の前提も崩れます。商標法違反そのものは入管法24条4号チにも同4号の2にも含まれず、退去強制事由となるのは原則として1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた場合(同4号リ)です。出入国管理統計第57表によれば、令和7年の退去強制令書発付総数7722人のうち、4号リのみを理由とするものは41人、うち中国籍は11人でした。数としては多くありませんが、中国籍については不法残留との並立が36人あり、総数に占める比率は他の国籍より高くなっています。夫婦それぞれについて、資格の種類、更新時期、扶養関係を書き出して確認してください。

ご家族が最初にすべきこと

まず、どの警察署に留置されているか、事件を扱う検察庁と裁判所はどこかを確認してください。次に、面会の受付時間と、現金や衣類の差し入れの方法を、その施設ごとに調べてください。地方の施設では受付時間が短いことがあります。そのうえで、遠方への移動をご家族が繰り返すよりも、現地に通える弁護人を選ぶという判断が有効な場合があります。あわせて、出品アカウント、入金口座、発送伝票の控え、仕入先とのやりとりを整理し、誰が何をしていたのかを事実として示せるようにしておいてください。役割分担を正確に示すことが、そのまま防御になります。

中文版:发货地与住所相隔遥远的案件,辩护负担会不同

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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