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税関に指摘された後も続けた。その一点が偽造品事件の量刑を押し上げる

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税関に指摘された後も続けた。その一点が偽造品事件の量刑を押し上げる

税関に指摘された後も続けた。その一点が偽造品事件の量刑を押し上げる

2026/09/01

偽造品の輸入と販売が問題になる事件では、「どこから刑事事件になったのか」という分岐点が、たいてい税関からの連絡にあります。輸入しようとした荷物が止められ、権利者に通知が行き、その商品を放棄させられる。この時点ではまだ刑事事件ではありません。しかし、そこで止めるか続けるかによって、後の量刑は大きく変わります。この記事では、公表された事案を手がかりに、税関の指摘が持つ意味と、指摘を受けた時点でできることを説明します。

報道された事案で、何が起きていたか

フリマアプリで国内ブランドの偽造品を販売したとして、愛媛県内に住む中国籍の40代の女性が商標法違反の疑いで逮捕された事案が公表されています。2022年以降、中国の業者から輸入していたとされ、税関から指摘を受けた後も運送手段を変更して継続していたとされます。捜索では1,368点が押収され、判決は拘禁刑1年6月・執行猶予3年・罰金100万円、偽造品1,368点の没収でした(ユニオン・デ・ファブリカン「事件簿」 2025年2月5日掲載。逮捕は2024年6月6日、捜査は愛媛県警)。立件された販売は3点・約2万7,000円ですが、量刑がこの重さになった背景に、この経緯があると考えられます。

税関の手続は、故意を固定する装置として働きます

輸入される商品に商標権を侵害する疑いがあるとき、税関は輸入者と権利者に通知し、侵害品かどうかを判断する手続をとります。輸入者は意見を述べることができ、多くの事案では、争わずに商品を放棄する形で終わります。この一連のやり取りは書面で残ります。したがって、その後に同じ商品を扱えば、「偽物だとは知らなかった」という説明は通りにくくなります。刑事事件で最大の争点になるのは故意ですが、税関からの通知は、その故意を最も直接的に裏づける資料になります。

運送手段の変更が、なぜ決定的なのか

指摘を受けた後に運送の経路や方法を変えるという行為は、単なる業務上の工夫ではなく、検査を避けようとする意思のあらわれと受け取られます。分割して送る、別名義で受け取る、荷物の表示を変える、国内の別の住所を使うといった対応は、いずれも同じ評価を受けます。故意があったことの間接事実であると同時に、常習性と組織性を示す事実にもなります。裁判所は、是正の機会を与えられながら方法を変えて継続したという事実を、規範意識の乏しさの表れとして重く見ます。この一点があるかないかで、同じ販売規模でも結論が変わり得ます。

指摘を受けた時点で、できたことがあります

もし税関から通知を受けた時点で、仕入先との取引を止め、在庫を廃棄し、出品を取り下げ、権利者に対して経緯を説明していれば、その後の刑事事件はまったく違う形になっていたはずです。実務上は、この段階で弁護士に相談し、権利者側の窓口と連絡を取り、以後は真正品の証明ができる仕入先からのみ調達する体制を作ることが考えられます。すでに販売してしまった分については、購入者への返金と回収を検討します。これらは、後に刑事事件になった場合、被害の拡大を自ら止めたという有利な事情として働きます。

すでに継続してしまった場合の弁護活動

指摘を受けた後も続けてしまった事案では、その経緯を否定しても意味がありません。むしろ、なぜ続けてしまったのかという事情を具体的に示すほうが実益があります。通知の内容を理解できていなかったのか、仕入先から真正品だと説明されていたのか、生活のために止められなかったのか。日本語で届く書面の意味を正確に理解できていなかった事情は、故意の程度を測るうえで無視できません。あわせて、捜査開始後にただちに取引を止め、在庫を提出し、権利者に謝罪したという事後の行動を積み上げます。

在留資格への影響と、ご家族の準備

入管法は、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としていますが、全部執行猶予は除外されています。したがって、執行猶予付きの判決であれば、この規定によって退去を強制されることにはなりません。ただし、更新や変更の審査では素行が考慮されます。ご家族にお願いしたいのは、税関からの通知書、権利者からの連絡、仕入先とのやり取り、出品と入金の記録を、捨てずに時系列で保管しておくことです。不利に見える資料であっても、経緯を正確に示すことが、結局は防御につながります。

中文版:被海关指出之后仍然继续,这一点会把假货案件的量刑推高

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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