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監視委員会の告発から特捜部の起訴へ。この経路が意味するものと、準備期間の使い方

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監視委員会の告発から特捜部の起訴へ。この経路が意味するものと、準備期間の使い方

監視委員会の告発から特捜部の起訴へ。この経路が意味するものと、準備期間の使い方

2026/09/01

金融や証券に関わる事件は、警察が現場で摘発する事件とは進み方が違います。専門の行政機関が調査を行い、検察官に対して告発をし、その後に起訴に至る。この経路をたどる事件では、身柄を拘束されてからの時間の使い方が、通常の事件とは異なる意味を持ちます。この記事では、報道された事案を素材に、この経路の意味と、その間にご本人とご家族が準備できることを説明します。

報道されている経路:逮捕、告発、そして起訴

日本経済新聞、読売新聞、FNNなどは、証券口座の乗っ取りと相場操縦の事件について、2025年11月28日に中国籍の男2人が逮捕され、同年12月18日に証券取引等監視委員会が告発し、その後、東京地方検察庁の特別捜査部が起訴したと報じました。報道によれば、被害額の算定に関わる数字として、被疑者側の利益は約860万円とされています。起訴は有罪の確定を意味するものではなく、被告人には無罪推定が及びます。

証券取引等監視委員会の告発とは何か

証券取引等監視委員会は、市場の公正を確保するために置かれた行政の機関で、相場操縦やインサイダー取引といった行為について調査を行います。調査の結果、刑事責任を問うべきだと判断した場合には、検察官に対して告発を行います。告発は、捜査を開始する端緒の一つであり、それ自体が有罪を意味するものではありません。

もっとも、この経路をたどる事件には特徴があります。第一に、告発に至るまでに相当の期間をかけた調査が先行していることが多く、取引の記録や資金の流れについて詳細な資料が既にそろっています。第二に、専門性が高いため、検察の側でも専門の部門が担当することが多い。第三に、社会的な注目度が高く、報道が先行しやすい。いずれも、防御の設計に影響します。

逮捕から起訴までの時間をどう数えるか

刑事手続の期間そのものは、他の事件と同じです。逮捕されると、司法警察員は48時間以内に検察官へ事件を送り、検察官は24時間以内かつ逮捕から72時間以内に勾留を請求します。勾留が認められれば原則10日、やむを得ない事由があるときはさらに10日まで延長され、合計20日となります。この期間内に起訴するかどうかが決められます。

報道された事案では、逮捕から告発まで約3週間が経過しています。この間、ご本人は身柄を拘束されたまま取調べを受けています。ご家族から見れば「何も進んでいない」ように見える時間ですが、実際にはこの時期こそ、処分の方向が決まる時期です。

準備期間をどう使うか

行政機関の調査が先行している事件では、捜査機関の側が資料を握っており、弁護側は当初その全体像を知りません。証拠の開示は起訴の後になります。したがって、起訴前の弁護活動は、開示を待つのではなく、本人の記憶と手元の資料から事実を組み立てる作業になります。

具体的には、次のような作業を並行して進めます。取引の経緯を時系列に整理すること。関与した口座、端末、連絡手段を特定すること。自分が行った行為と、他人が行った行為との境界を明確にすること。利得の額について、実際に自分の手元に残った金額を裏付ける資料を探すこと。そして、勾留の必要性を争う準抗告を検討すること。

この作業を、通訳を介して短時間の接見で行うのは容易ではありません。中国語で直接やり取りできる体制があるかどうかが、実際の到達点を左右します。

取調べで気をつけること

専門性の高い事件では、取調べで示される用語そのものが難解です。「注文を入れた」「口座を使った」「利益を得た」という日常的な言葉が、法律上は異なる意味を持つことがあります。通訳を介した場合、その差が失われたまま調書に残る危険があります。

調書に署名を求められたときは、読み聞かせを受け、訳の内容が自分の説明と合っているかを確認してから署名するようにしてください。違うと感じたら、その場で訂正を申し立てることができます。後から「本当はそういう意味ではなかった」と述べても、署名された調書を覆すのは容易ではありません。

在留資格への影響と、ご家族ができること

入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし、全部執行猶予は但書で除かれます。市場に関わる事件では社会的法益が問題となるため、示談による情状の改善に限界があり、実刑の可能性を現実の選択肢として検討する必要があります。

ご家族には、まず事業や勤務先の継続について方針を決めていただきたいと思います。会社を経営している場合、身柄拘束が続くと事業の実体が失われ、「経営・管理」の在留資格の前提が崩れます。次に、在留カードと旅券の所在、在留期限、ご家族自身の在留資格を整理してください。そして、差し入れと面会を絶やさないこと。長い勾留の中で、外とのつながりが保たれていることが、本人の判断力を守ります。

中文版:从监视委员会告发到特搜部起诉:这条路径的含义与准备期的用法

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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