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再逮捕が繰り返され、身柄拘束が一年近くに及ぶとき、何を争うか

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再逮捕が繰り返され、身柄拘束が一年近くに及ぶとき、何を争うか

再逮捕が繰り返され、身柄拘束が一年近くに及ぶとき、何を争うか

2026/09/01

逮捕され、勾留され、釈放されると思った日にまた別の事実で逮捕される。これが何度も続き、気がつけば一年近く外に出られない。多人数が関与するサイバー事件では、現にそうした経過をたどることがあります。ご家族は「いつ終わるのか」が分からないまま、生活と在留の両方を支えなければなりません。この記事では、再逮捕が繰り返される仕組み、勾留の理由と必要性をどう争うか、接見禁止をどう緩めるか、そして長期化に備えて家族が何を組み立てるべきかを説明します。

身柄拘束が長期化した事案として報じられたもの

読売新聞、朝日新聞、静岡新聞が2022年7月から2023年5月にかけて報じた決済サービス乗っ取り事件では、神奈川県警ほか8県警の合同捜査本部が中国籍の男女計13人を摘発し、逮捕と再逮捕が繰り返されたと報じられています。報道によれば、身柄拘束が一年近くに及んだ者がいたとされます。罪名は不正アクセス禁止法違反、詐欺、電子計算機使用詐欺、組織的犯罪処罰法違反などです。起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

なぜ再逮捕が繰り返されるのか

刑事訴訟法上、身柄拘束の期間は厳格に区切られています。逮捕後、警察官は四十八時間以内に検察官へ送致し、検察官は自らが身柄を受け取ってから二十四時間以内、かつ逮捕から七十二時間以内に勾留を請求します。勾留は原則十日、やむを得ない事由があるときにさらに十日まで延長でき、一つの事実についてはここが上限です。ところが、被害が多数に分かれている事件では、捜査機関は被害事実ごとに逮捕と勾留を積み重ねることができます。八つの県警が合同で捜査する事件では、各県の被害ごとに区切ることも可能です。その結果、一つひとつは法定の期間内であっても、合計すると数か月から一年に届くことがあるのです。この構造を理解しておかないと、家族は「なぜ終わらないのか」を誤解したまま消耗してしまいます。

勾留の理由と必要性をどう争うか

勾留に対しては準抗告という不服申立てができ、勾留延長の裁判に対しても同様です。争点は二つに整理できます。第一に、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるかです。この類型では、通信記録、決済記録、押収済みのパソコンや携帯電話といった客観証拠が既に捜査機関の手中にあることが多く、本人が今さら何をどう隠せるのかを具体的に問うことが有効です。「共犯者と口裏を合わせるおそれ」も、共犯者が既に取調べを終えている、あるいは既に起訴されているといった事情があれば、抽象的な危険にすぎないと主張できます。第二に、逃亡のおそれです。外国籍であることそれ自体は逃亡のおそれを基礎づけません。住居の実在、家族の同居、旅券を弁護人が預かる措置、身元引受人の存在、勤務先や学校の受入れ意思といった事情を、書面で具体的に示していきます。起訴後は保釈請求ができますので、保釈保証金の準備をご家族と早い段階で相談します。

接見禁止の一部解除という現実的な手段

共犯事件では接見禁止が付されることが多く、弁護人以外は面会も手紙のやり取りもできなくなります。ただし、弁護人との接見は接見禁止によって制限されません。ここで実務上重要なのが、接見禁止の全部解除ではなく、特定の家族に限った一部解除を求める方法です。事件と無関係な配偶者、親、未成年の子との面会や信書の授受に限れば、罪証隠滅のおそれは考えにくく、裁判所も判断しやすくなります。中国本土にいるご家族については、来日の予定が立たないことも多いため、まずは信書の授受だけでも解除を求め、その後に面会へ広げるという順序が現実的です。あわせて、領事関係に関するウィーン条約36条1項により、本人が希望すれば領事機関への通報が行われます。中国の総領事館からの領事面会は、接見禁止の下でも別の枠組みとして行われます。

長期化に備えた家族の生活設計

一年近い拘束を前提に置くと、やるべきことははっきりします。家賃と光熱費の支払いが滞ると住居を失い、それが保釈や勾留の争いで不利に働きます。口座の管理、家賃の引き落とし、携帯電話の契約維持を誰が担うのかを決めてください。差し入れは、現金のほか、下着や靴下、日本語と中国語の書籍、眼鏡の予備が実際に役立ちます。手紙は日本語でなくとも差し支えありませんが、施設によっては翻訳の都合で時間がかかります。勤務先には、弁護人を通じて、休職扱いとしてもらえないかを打診します。そして、被害弁償の原資をいくらまで用意できるかを、早い段階で家族内で共有してください。原資の見通しがあるかどうかで、弁護人が取れる交渉の幅がまったく変わります。

在留の手続はどうなるか

身柄拘束が長引くと、在留期間の更新申請ができないまま期限が来てしまうことがあります。また、就労や就学が三か月以上とだえた状態は、出入国管理及び難民認定法(入管法)22条の4第5号による在留資格の取消しの問題を生みます。刑事事件の見通しが立たない段階でも、在留期限、勤務先との雇用関係の存否、学籍の有無を整理し、入管手続を担当する弁護士と情報を共有しておいてください。刑事処分が執行猶予や罰金にとどまっても、在留の側で足元が崩れていれば、日本に残る道は狭くなります。刑事と入管を一つの窓口で見ることに、実務上の意味があるのはこのためです。

中文版:反复被重新逮捕、羁押将近一年时,应当争取什么

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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