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専門学校生が退学になることを、量刑事情として裁判所に示すには

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専門学校生が退学になることを、量刑事情として裁判所に示すには

専門学校生が退学になることを、量刑事情として裁判所に示すには

2026/09/01

学生が刑事事件の被疑者となったとき、ご家族が最も恐れるのは、判決の重さそのものよりも「学校を辞めさせられ、日本にいられなくなる」という連鎖です。この連鎖は、放っておけば刑事裁判の外側で静かに進んでしまいます。しかし、適切に資料化して裁判所に示せば、量刑の場面で正面から評価してもらうことができます。この記事では、学籍を失うことが在留にどう跳ね返るのか、それをどのような資料で示すのか、そして学校への説明をいつどのように行うのかを、具体的に説明します。

学生が巻き込まれた事例として報じられたもの

読売新聞、朝日新聞、静岡新聞が2022年7月から2023年5月にかけて報じた決済サービス乗っ取り事件では、神奈川県警ほか8県警の合同捜査本部が中国籍の男女計13人を摘発し、その中に20代の専門学校生2人が含まれていたとされています。フィッシングなどで入手したアカウント情報を用いて商品をだまし取った疑いとされ、罪名は不正アクセス禁止法違反、詐欺、電子計算機使用詐欺などと報じられました。起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。この事件が示しているのは、学生が「短期の割のよいアルバイト」として周辺的な役割で引き込まれる構図が、現に存在するということです。

退学は量刑事情になるのか

なります。ただし、そのままでは伝わりません。裁判所が量刑で考慮するのは、被告人が現に受ける不利益の内容と程度です。「退学になるかもしれない」という抽象的な訴えでは、可能性の話として扱われて終わります。示すべきは、①学則上どの条項に基づき、②どのような手続で、③いつ処分がなされる見込みで、④それによって本人が失うものが何か、という四点です。加えて、学費として既に納付した額、修得済み単位が他校に移せないこと、卒業まで残された期間といった、取り返しのつかなさを裏づける事実を積み上げます。ここまで具体化して初めて、退学は「制裁としての実質」を持つ事情として量刑の天秤に乗ります。

学籍を失うと在留資格に何が起きるか

「留学」の在留資格は、教育機関で教育を受ける活動を行うことを前提としています。退学によってその活動がなくなり、その状態が三か月以上続けば、出入国管理及び難民認定法(入管法)22条の4第5号による在留資格の取消しの対象となり得ます。出入国在留管理庁の統計では、令和7年の在留資格取消件数は総数1,446件で過去最高となり、そのうち「留学」が343件(23・7%)を占めています。中国籍について取り消された66件のうち、10件が「留学」でした。刑事処分が罰金や執行猶予にとどまったとしても、学籍を失えば在留の基盤そのものが消えるという点が、この類型の最も怖いところです。刑事弁護と並行して、退学を避ける交渉、あるいは他校への編入や在留資格の変更という出口を早い段階で検討する必要があります。

学校への説明はいつ、どう行うか

逮捕された当日に慌てて学校へ連絡するのは、多くの場合、得策ではありません。事実関係が固まらないうちに詳細を伝えると、学校側は最も重い前提で動かざるを得ず、退学ありきの手続が先行してしまうためです。他方、無断欠席が積み上がってから発覚するのも最悪の展開です。実務的には、弁護人が選任された段階で、弁護人から学校の学生課や国際交流担当に対し、身柄拘束のため出席できないという事実と、弁明の機会が与えられるまで処分を留保してほしいという申入れを書面で行うことが多くあります。学則には通常、弁明の機会に関する定めがあり、その手続を踏ませること自体が時間を生みます。ご家族が単独で学校に出向く場合も、本人の言い分をその場で代弁しようとせず、事実の確認と手続の確認にとどめてください。

裁判所に出す資料をどう作るか

弁護人が用意するのは、まず学則の該当箇所の写しと、学校から得た在籍状況・処分手続に関する回答書です。次に、学費の納付を示す領収書、成績証明書、修得単位の一覧を添えます。可能であれば、担任や指導教員から、これまでの出席状況や学業への取り組みについての陳述書を得ます。復学の可能性がある場合は、その条件についての学校の回答を得ておくと、更生の道筋を具体的に示せます。ご家族の陳述書には、学費をどのように工面してきたか、卒業に向けてどのような計画を立てていたかを、生活の実感に即して書いていただきます。これらは、単に情に訴えるためのものではなく、本人が失うものの大きさと、社会内で更生する受け皿があることを、証拠として示すためのものです。

ご家族が今日からできること

在留カードと旅券の所在を確認し、在留期限を書き出してください。学費の納付記録、入学許可書、学生証の写しを手元に集めておくと、弁護人の作業が一日単位で早くなります。学校からの郵便物は開封せずに保管し、期限のあるものだけを弁護人に伝えてください。本人あての差し入れとしては、教科書や辞書が精神的な支えになることが多く、勾留中でも学習を続けていた事実は情状としても意味を持ちます。そして、被害弁償の原資をどこまで用意できるかを、早い段階で家族内で共有しておいてください。学生の事件では、弁償と示談が処分を大きく左右します。

中文版:把“专门学校生将被退学”作为量刑情状向法院提出的方法

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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