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国際郵便で希少種を送ると、輸出未遂として告発される

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国際郵便で希少種を送ると、輸出未遂として告発される

国際郵便で希少種を送ると、輸出未遂として告発される

2026/09/01

国際郵便で生き物や植物を送ることは、日常の感覚では宅配便の延長のように見えます。しかし日本から国外へ物を送る行為も、法律上は輸出であり、対象によっては許可や承認が必要です。手続を経ないまま発送すれば、税関の外郵出張所で止められ、輸出未遂として告発されることがあります。この記事では、公表されている事例を手がかりに、罪名の整理、複数回にわたる発送における共謀の範囲、そして発送記録がどれほど強い証拠になるのかを説明します。

公表されている事例

沖縄地区税関の公表によれば、2025年10月24日、香港の3名が、同年9月11日から17日にかけて4回にわたり、国際スピード郵便で香港宛てにリュウキュウヤマガメの生体70匹とホルストガエルの生体1匹を輸出しようとしたとして、関税法違反(無許可輸出未遂)で那覇地方検察庁に告発されました。国内の希少な野生動植物種を国外へ持ち出す類型です。以下は、この事例の評価ではなく、制度と実務の一般的な説明に移ります。

関税法と種の保存法は、どういう関係に立つか

国内の希少な野生動植物種については、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律が、捕獲、譲渡し、陳列、輸出入などを規制しています。これに対して関税法は、他の法令で輸出に許可や承認が必要とされている貨物を、その手続を経ないまま輸出しようとした行為を処罰します。つまり、同じ一連の行為が、種を保護する法律の側からも、通関の秩序を守る法律の側からも捉えられます。捕獲や取得の段階と、輸出しようとした段階は、行為として別のものですから、どの行為がどの罪にあたるのかを整理することが、罪数の検討の出発点になります。実務では、起訴された訴因の範囲を確認することが第一の作業です。

複数回に分けた発送と、共謀の射程

短い期間に何度も発送している場合、それぞれの発送は別個の行為です。全部が一つのまとまりとして評価されるのか、それとも別々の罪が並ぶのかによって、刑の枠が変わります。また、関与した人が複数いる場合、誰がどの回の発送に関わっていたのかが問題になります。最初の相談には加わったが、その後の発送は知らなかった、というときに、共謀がどこまで及ぶのかは、実務上よく争われる点です。捕獲した人、梱包した人、郵便局へ持ち込んだ人、費用を出した人、受取先を用意した人。役割ごとに、関与した回とその内容を丁寧に分けて主張する必要があります。

発送の記録は、なぜ強い証拠になるのか

非対面の手口であるからこそ、記録が残ります。国際郵便には、差出人と受取人の記載、追跡番号、差出局と差出日時、重量、料金の支払方法が残ります。窓口での手続であれば、防犯設備の記録も残ります。これらは供述と違って揺らぎません。したがって、関与を否定する主張は、これらの客観的な記録と整合していなければ維持できません。逆に、記録が本人と結びつかない回については、その回についての関与を争う余地があります。弁護人が最初に確認するのは、押収された記録と訴因が、どの回について対応しているかという点です。

生き物を扱う類型に特有の事情

生体を送る行為は、動物の状態そのものが証拠になります。梱包の方法、輸送中の環境、生存している個体の数といった事情は、量刑において行為の悪質性を示す事情として評価され得ます。また、押収された個体の取扱いや、原産地への返送、専門機関での飼養といった問題も生じます。捜査には専門機関の鑑定が必要になることが多く、そのぶん手続が長引きます。手続が長引けば、身柄拘束や在留資格の維持にも影響が及びます。事案の見通しを早い段階で立てることが、実際の負担を大きく左右します。

在留資格への影響と、ご家族の初動

関税法違反は、有罪だけで退去強制事由となる類型ではなく、1年を超える拘禁刑の実刑かどうかが分かれ目です。ただし、複数回にわたる計画的な行為と評価されると、量刑は重い方向に動きます。ご家族には、まず、発送に関する記録、費用の負担関係、当時の所在を示す資料を保全していただきたいと思います。加えて、在留期限、勤務先や学校との関係、住居の状況を確認してください。そして、生き物の扱いに関する規制は国によって大きく異なりますので、日本での常識と本国での常識が一致しない点を、本人にもご家族にも早い段階で共有していただければと思います。

中文版:用国际邮件寄送稀有物种,会以出口未遂被告发

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舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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