舟渡国際法律事務所

技術・人文知識・国際業務、特定技能、留学 資格外活動で捕まると結末が違う

お問い合わせはこちら

技術・人文知識・国際業務、特定技能、留学 資格外活動で捕まると結末が違う

技術・人文知識・国際業務、特定技能、留学 資格外活動で捕まると結末が違う

2026/08/31

同じ「資格外活動で捕まった」という一言でも、その後に起きることは、どの在留資格で日本にいるかによって大きく違います。就労資格の方、特定技能の方、留学生の方では、更新の可否も、退去強制まで進むかどうかも変わります。この記事では、報道された三つの事例を並べて、資格ごとに何が違うのかを具体的に整理します。

三つの事例

一つ目は、2026年2月22日ごろの報道(配信元の媒体名は当方で確認できていないため記しません)で伝えられた事例です。東京都台東区の中華料理店で、中国籍の経営者の男性(31)と、中国籍の従業員の男性(26)が摘発されました。従業員の在留資格は技術・人文知識・国際業務で、資格外活動許可のないままホールスタッフとして就労させたとされます。経営者は、技人国の在留資格とは分かっていたが日本の法律違反だとは思っていなかったと述べ、一部否認したと報じられています。

二つ目は、神戸新聞NEXTが2025年12月9日に報じた事例です。神戸市中央区のスナックで、資格外活動許可のない30代の中国人女性をホステスとして就労させたとして、経営者が摘発されました。この女性の在留資格は特定技能(介護分野)とされています。経営者は雇う際に身分証を確認しなかったと説明したと報じられ、風営法の立入検査で発覚したとされます。

三つ目は、旅日僑網(華人時代Times)が2023年3月24日に報じた事例です。東京都墨田区の派遣型風俗店で外国人女性を資格外活動に従事させたとして店長が摘発され、同時に外国人女性20人が逮捕され、うち5人が中国人留学生であったとされます。いずれも疑いとして報じられたものであり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

資格外活動には三つの段階がある

第一の段階は、許可の範囲内で働いている状態です。これは適法です。第二の段階は、許可を受けずに、または許可の範囲を超えて働いている状態です。入管法73条が資格外活動の罪を定めています。第三の段階は、本来の在留資格に基づく活動をやめて、資格外活動に専ら従事している状態です。この場合は入管法70条1項4号の問題になります。

退去強制の側では、資格外活動の専従が入管法24条4号イ、資格外活動の罪で拘禁刑に処せられた場合が24条4号ヘに定められています。加えて、在留資格の取消しの側では、22条の4第5号が、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていないことを取消事由としています。つまり、「本業をやめてアルバイトだけをしている」状態は、刑事、退去強制、取消しの三方向から問題になります。

技術・人文知識・国際業務の場合

技人国は、業務の内容が学歴や職歴と結びついた在留資格です。したがって、ホール業務や単純な現場作業に従事することは、原則としてこの在留資格の活動に含まれません。一つ目の事例が典型です。

この資格の方に特有の難しさは、勤務先を離れた後に問題が表面化しやすいことです。転職して業務内容が変わっている、退職して別の仕事をしている。こうした状態が続けば、22条の4第5号の三か月要件が現実的な問題になります。出入国在留管理庁の統計では、令和7年の在留資格取消件数1,446件のうち技術・人文知識・国際業務は63件、中国籍66件の内訳では技人国が6件でした。この資格は就労そのものが在留の基礎ですから、業務内容の食い違いは更新審査で正面から問われます。

特定技能の場合

特定技能は、受け入れる分野が特定されている在留資格です。介護分野で許可を受けた方が飲食店の接客に従事すれば、分野の枠を超えた活動になります。二つ目の事例がこれにあたります。

この資格では、受入れ機関と支援の枠組みが制度に組み込まれているため、資格外活動が発覚すれば本人だけでなく受入れ機関にも影響が及びます。また、風俗営業等に係る活動は、資格外活動許可があっても認められません。「許可を取ればどんな仕事でもできる」という理解は誤りです。統計では、令和7年の在留資格取消しのうち特定技能1号は12件、中国籍では1件でした。

留学の場合

留学生には包括的な資格外活動許可の制度がありますが、この許可には時間の上限と、風俗営業等に係る活動を除くという条件が付されています。三つ目の事例で問題になったのは、まさにこの条件を超えた就労です。

留学生の場合に最も重いのは、学校との関係です。刑事事件になれば在籍を維持することが難しくなり、退学すれば留学の在留資格の基礎そのものが失われます。出入国在留管理庁の統計では、令和7年の在留資格取消件数のうち留学は343件で23.7%を占め、中国籍66件の内訳でも留学が10件でした。就労時間を超えたことだけで直ちに退去強制になるわけではありません。

捕まった後の順序と、共通する落とし穴

まず刑事処分があり、次に在留資格の取消しの検討があり、その先に退去強制手続と在留特別許可があります。この順序を理解していないと、刑事で早く終わらせることだけを優先して、入管で不利な材料を自分から作ってしまうことがあります。

数字の面を確認しておくと、出入国管理統計の令和7年の退去強制令書発付人員(単独事由)では、総数7,722人のうち、4号イ(資格外活動)は57人で、中国はそのうち1人です。一方、4号ロ(不法残留)は5,778人です。つまり、資格外活動それ自体で直ちに退去強制になる例は多くありません。実務上より深刻なのは、更新が認められずに在留期限を過ぎ、不法残留になっていく経路です。

共通する落とし穴は三つあります。第一に、雇う側が「身分証を確認しなかった」と説明する事案では、働いた側も同時に立件されること。第二に、資格外活動許可があれば何でもできると誤解していること。第三に、刑事が終わってから入管の相談を始めることです。ご本人とご家族には、在留カードと旅券の所在の確認、勤務実態を示す資料(雇用契約、勤務表、給与明細)の保全、学校や勤務先への説明の時期の相談を、最初にお願いしています。

中文版:技术・人文知识・国际业务,特定技能,留学 因资格外活动被抓,结局各不相同

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

東京にて行政事件に関する対応

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。