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在留カードの画像と通帳を渡しただけなのに、詐欺の名義に使われていた 名義を貸さないことの重み

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在留カードの画像と通帳を渡しただけなのに、詐欺の名義に使われていた 名義を貸さないことの重み

在留カードの画像と通帳を渡しただけなのに、詐欺の名義に使われていた 名義を貸さないことの重み

2026/08/31

在留カードの写真を送ってほしい、通帳のコピーがほしい。アルバイト先や知人からそう言われたとき、断る理由が思いつかないことがあります。しかし、その画像一枚が、後にあなたが働いた記録として役所に提出されることがあります。この記事では、留学生の在留カードの画像データだけを使って助成金の申請がなされたとされる事件の報道をもとに、名義を貸さないことがなぜ重要なのか、税の記録からどのように発覚するのか、そして自分の名義が使われていたと気づいたときに何をすればよいのかを説明します。

報じられたのはどのような事件か

読売新聞が2023年10月6日に報じたところによると、福岡市博多区の台湾料理店経営者ら中国籍の男女4人が、緊急雇用安定助成金の詐欺の疑いで摘発されました。中国人留学生を雇用して休業手当を支給したように装って3回申請し、合計約57万円を受け取ったとされます。実際には雇用しておらず、在留カードの画像データだけを利用していたと報じられました。そして、この事件が明るみに出たきっかけは、名義を使われた留学生が、税務申告書に身に覚えのない就労記録があることに気づいて届け出たことでした。氏名・店舗名・番地は書きません。これらは疑いとして報じられたものであり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

在留カードの画像一枚で、何ができてしまうのか

在留カードには、氏名、生年月日、国籍、住居地、在留資格、在留期間、番号が記載されています。つまり、雇用の届出や助成金の申請に必要な情報がほぼ揃っています。画像を受け取った側は、これに勤務時間や賃金額を書き足すだけで、あなたが働いていたという書類を作れてしまいます。通帳の情報が加われば、振込の外形まで整えられます。

しかも、名義を使われた本人には、そのとき何も起きません。通知も来ませんし、身に覚えのない書類が家に届くわけでもありません。だからこそ、発覚はどうしても遅れます。この事件でも、気づいたのは申請そのものではなく、後から見た税の記録でした。

名義人が被害者になるのか、共犯とみられるのかを分けるもの

分かれ目は、渡した経緯と、その後の行動です。単に画像を送っただけで、報酬を受け取っておらず、申請の存在も知らなかったのであれば、名義を勝手に使われた側です。他方、「名前を貸してくれれば謝礼を出す」と言われて応じ、金銭を受け取っていた場合には、詐欺の共犯を疑われる立場になります。金額の多寡ではなく、対価性の有無が見られます。

また、事後の行動も大きく影響します。気づいた時点で申し出た人と、気づいていたのに放置した人とでは、評価が変わります。前掲の事件が名義人本人の届出から発覚したという経緯は、この点で示唆的です。届け出ることは、自分の立場を守る行為でもあります。

税と社会保険の記録から、後になって発覚する

発覚の経路は、多くの場合、刑事の捜査ではなく行政の記録です。給与を支払ったことにすれば、支払者は源泉徴収の手続をとり、市区町村には給与支払報告が届きます。すると、働いていないはずのあなたに住民税の課税がされたり、確定申告の際に見覚えのない収入が出てきたりします。学生であれば、扶養や奨学金の判定に影響が出て初めて気づくこともあります。

ここで見落としてはならないのは、在留資格への影響です。留学の在留資格で在留する方が、資格外活動許可の範囲を超えて働いたことになっている記録が残ると、更新や変更の審査で活動実態の説明を求められます。出入国在留管理庁の統計では、令和7年の在留資格取消件数1,446件のうち、留学が343件で23.7%を占めています。自分が実際にはしていない就労の記録が残ることは、それ自体が将来の負担になります。

名義を使われたと気づいたときの手順

第一に、記録を集めます。課税通知、確定申告の控え、給与支払明細、在留カードの画像を送った際のメッセージ、通帳のコピーを渡した経緯。日付が分かる形で残してください。

第二に、自分の口座の入出金を確認します。身に覚えのない入金があれば、それがどこから来たのかを記録します。第三に、金融機関に相談し、必要に応じて口座の取扱いについて手当てをします。

第四に、警察への申告と、税の記録の訂正を検討します。どちらを先にするか、どのように説明するかは、あなたが報酬を受け取っていたかどうかによって組み立てが変わりますので、通訳の付いた弁護士に一度相談してから動くほうが安全です。第五に、次から断るための線を決めてください。在留カードの画像、旅券の写し、通帳、キャッシュカード、暗証番号、マイナンバー。これらは、どれほど親しい相手であっても渡さないと決めておくことです。断って壊れる関係は、そもそもあなたを守ってくれる関係ではありません。

中文版:只是给了在留卡照片和存折,名字却被用在诈骗申请上 为什么绝对不能借名义

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舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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