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特定技能(介護)で来日した人が接客の仕事をしたとき、何が問題になるのか

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特定技能(介護)で来日した人が接客の仕事をしたとき、何が問題になるのか

特定技能(介護)で来日した人が接客の仕事をしたとき、何が問題になるのか

2026/08/31

特定技能という在留資格は、「日本で働ける資格」ではありません。分野を限って、その分野の仕事をするために与えられる資格です。この記事は、特定技能で来日して働いている方、その家族、そして特定技能の外国人を雇っている受入機関の方に向けて、分野の外の仕事をしたときに何が起きるのか、なぜそれが単なる契約違反では済まないのかを説明します。夜の仕事に限らず、飲食、清掃、物流など、別の分野の現場に応援に行くという形でも同じ問題が起こります。

報じられた事案の骨格

神戸新聞NEXTが2025年12月9日に報じた事案では、兵庫県神戸市内のスナックの経営者が、資格外活動許可のない中国人女性をホステスとして働かせたとして、入管法違反(不法就労助長)の疑いで摘発されました。この女性の在留資格は「特定技能」の介護分野であったと報じられています。就労の期間は2024年12月下旬から2025年10月下旬にかけてとされ、風営法に基づく立入検査で発覚したとも伝えられました。経営者は「雇う際に身分証を確認しなかった」と説明したと報じられています。この事案は不法就労助長の疑いで摘発されたと報じられた段階のものであり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

なぜ分野の外で働くと資格外活動になるのか

特定技能は、受入れの分野ごとに必要な技能と日本語の水準を試験等で確認し、その分野の業務に従事することを前提に許可される在留資格です。介護分野で許可を得た人が、介護以外の業務を本業として行えば、それは許可された活動の範囲外の活動になります。ここで重要なのは、本人が「アルバイトのつもりだった」と考えていたかどうかではなく、実際に行っていた業務が許可の範囲に収まるかどうかで判断されるという点です。加えて、資格外活動許可を得ればどんな仕事でもできるわけではなく、風俗営業等に関わる業務は許可の対象外とされています。したがって、この類型では「許可を取っていれば良かった」という整理も成り立ちません。

働いた本人に生じること

まず、資格外活動として刑事事件になり得ます。入管法73条の罪であり、本来の活動を離れて専ら行っていたと評価される場合には、より重い枠組みで扱われます。次に、在留の側では、本来の介護の仕事を続けて行っていない状態が続けば、在留資格の取消し(22条の4第5号)が問題になります。令和7年の在留資格の取消しは1,446件で過去最高を記録し、そのうち第5号は350件でした。さらに、資格外活動が専ら行われていたと評価されれば退去強制事由(24条4号イ)に直接該当し得ます。令和7年に4号イ単独で退去強制令書が発付されたのは57人でした。数としては多くありませんが、当たれば結果は重大です。

受入機関と支援計画に跳ね返るもの

特定技能の受入れは、受入機関が雇用契約を結び、生活面を含む支援を行うことを前提に成り立っています。本人が別の場所で分野外の仕事をしていた場合、受入機関には、勤務実態を把握していたのか、支援が形だけになっていなかったのかという問いが向けられます。受入機関自身が分野外の業務に従事させていたのであれば、不法就労助長の問題に直結します。そうでない場合でも、届出や支援の実施状況が精査され、以後の受入れに影響します。雇う側にとって、これは労務管理の失点ではなく、事業の継続に関わる問題です。

弁護人が争う点と、初動でできること

弁護の中心は、業務の内容と時間の再構成です。介護施設での勤務実績、シフト、給与の入金と、問題とされた店での就労時間・収入を並べ、専ら行っていたと評価される事案なのかを検討します。雇った側については、在留カードの原本を見たか、就労制限の記載欄と資格外活動許可の有無を確認したか、写しを保存していたかが中心の争点になります。「身分証を確認しなかった」という説明は、故意を否定するどころか、確認を怠ったという評価に直結しかねません。ご家族としては、在留カードと旅券、雇用契約書、支援に関する書類の所在を確かめ、勤務実績が分かる資料を保全してください。本人が身柄を拘束されている場合、受入機関への連絡の時期と伝え方も、その後の雇用関係を左右します。早い段階で弁護人を通じて整理することをお勧めします。

中文版:以特定技能(护理)来日的人去做陪酒工作,会发生什么

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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