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SNS型ロマンス詐欺の出金役は、特殊詐欺とは統計上も罪名も別に扱われる

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SNS型ロマンス詐欺の出金役は、特殊詐欺とは統計上も罪名も別に扱われる

SNS型ロマンス詐欺の出金役は、特殊詐欺とは統計上も罪名も別に扱われる

2026/08/31

「特殊詐欺で逮捕された」と報じられる事件と、「SNS型投資・ロマンス詐欺」として扱われる事件は、日本の統計上も、実際に問われる罪名も、しばしば別のものです。この違いは、量刑の見通しを立てるときに無視できません。この記事は、他人名義の口座から現金を引き出す役割、いわゆる出金役として関与を疑われた中国籍の方とご家族に向けて、区分の違いが何をもたらすのかを説明します。

報じられている範囲

YBC山形放送の報道によれば、山形県において、中国籍の男性が、SNS型ロマンス詐欺の被害金約70万円を引き出す役割を担ったとして逮捕されたとされています。当方が確認できたのは見出しの範囲にとどまり、報道日は確認できていません。逮捕されたと報じられているにとどまり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。報道からは、男性の在留資格も、関与の期間も分かりません。以下は、この類型に共通する制度の説明です。

統計上、二つは別の区分である

警察庁「令和6年における組織犯罪の情勢」によれば、令和6年の特殊詐欺は認知件数20,987件、被害額約721億5,000万円で、検挙は6,595件・2,320人です。これに対し、SNS型投資・ロマンス詐欺は認知件数10,164件、被害額約1,268億円で、検挙は232件・113人、うち外国人が26人と集計されています。同じ「詐欺」と呼ばれていても、統計の枠が違い、認知件数と被害額の比率もまったく違います。被害額ではSNS型の方が大きく、検挙数では特殊詐欺の方が圧倒的に多い。この非対称は、捜査資源の配分と手口の構造の違いを反映しています。

問われる罪名も同じではない

特殊詐欺の受け子は、被害者から直接現金やカードを受け取るため、詐欺罪や窃盗罪が問われます。これに対し、被害金が振り込まれた口座から現金を引き出す出金役の場合、金融機関に対する窃盗罪として構成されるのが通例です。他方、ネットバンキングの操作によって資金を移動させた場合には、電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)が問われることがあります。どの罪名で立件されるかによって、法定刑も、被害者が誰かという整理も変わります。被害者が金融機関と整理されれば、示談の相手も個人ではなくなります。この点は、弁償の設計に直接影響します。

量刑相場をそのまま持ち込めない理由

ご家族から「この類型の相場はどのくらいか」と尋ねられることが多いのですが、正直に申し上げると、報道からその相場を語ることはできません。逮捕の報道は多くても、判決や量刑の続報はほとんど報じられないためです。特殊詐欺について語られる量刑の感覚を、統計区分も罪名も異なるSNS型の事案にそのまま当てはめるのは適切ではありません。むしろ意味があるのは、当該事案の具体的な事情、すなわち引き出した回数と金額、関与した期間、報酬の額と支払方法、他の被害への関与の有無を整理し、そこから見通しを立てることです。

70万円台という規模と、公判請求を避けることの実益

法務省『令和7年版 犯罪白書』によれば、令和6年の来日外国人被疑事件の起訴猶予率は48.35%、詐欺の起訴率は53.35%、窃盗の起訴率は52.53%です。窃盗の起訴率は全体の44.84%と比べて高い水準にあります。数百万円に届かない規模で、被害の回復が図られ、関与が単発であることが示せる事案では、起訴猶予や略式命令による罰金という選択肢が現実味を帯びます。公判請求を避けることの実益は、単に刑が軽く済むという以上のものがあります。身柄拘束の期間が短くなり、仕事や学業への影響が抑えられ、そして次に述べるとおり在留への影響が大きく変わります。

在留資格への影響

報道からは在留資格が分かりません。入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としており、全部執行猶予は除外されています。罰金にとどまれば、この条文には該当しません。しかし、該当しないことと在留が守られることは別です。別表第一の在留資格であれば、更新の場面で素行が審査され、財産犯で処分を受けた事実は正面から不利に働きます。また、身柄を拘束されて職場を離れた期間が長引けば、在留資格に応じた活動を行っていない状態が続き、在留資格の取消しが問題となります。刑事処分の軽重だけを見て安心することはできません。

ご家族が今日できること

本人名義の銀行口座、キャッシュカード、携帯電話、SIMの契約状況を整理してください。他人名義のカードを預かった経緯が分かる記録、報酬の受領記録、引出しに向かった日の行動が分かる記録は、関与の範囲を限定する材料になります。次に、在留カードと旅券の所在を確認し、弁護人を通じて差し入れを手配します。接見禁止が付いていても弁護人との接見は制限されません。勤務先への説明は、処分の見通しが立ってから弁護人と時期を相談してください。

中文版:SNS型恋爱诈骗的取款人,在统计与罪名上都与特殊诈骗分属不同类别

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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