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再逮捕が繰り返されて半年拘束された、その先に待つ退去強制の判断

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再逮捕が繰り返されて半年拘束された、その先に待つ退去強制の判断

再逮捕が繰り返されて半年拘束された、その先に待つ退去強制の判断

2026/08/31

不正送金の事件では、一つの引出しで逮捕され、勾留され、処分保留のまま次の引出しで再び逮捕される、ということが繰り返されます。結果として、身柄拘束が三か月、半年と延びていきます。ご家族からは、「いつまで続くのか」「このまま日本にいられなくなるのか」というご質問をいただきます。この記事では、再逮捕が繰り返される仕組み、その間に在留資格の側で進行してしまうこと、そして刑事の結論が出た後に始まる入管の判断について、順を追って説明します。

なぜ再逮捕で拘束が半年に及ぶのか

日本の身柄拘束は、事件ごとに区切られています。逮捕された後、司法警察員は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は24時間以内、かつ逮捕から72時間以内に勾留を請求します。勾留は原則10日、やむを得ない事由があるときはさらに10日まで延長できます。ここまでが一つの事件の単位です。ところが、別の日の別の引出しは別の事件として扱われますから、一つ目の勾留期間が満了する頃に二つ目の事実で再び逮捕することができます。これが繰り返されると、法律上の上限を超えることなく、事実上、数か月にわたる拘束が続きます。カードの使用回数が多い不正送金事件で拘束が長期化しやすいのは、この構造によるものです。

拘束が長引く間に、在留の側で進んでしまうこと

刑事手続が続いている間も、在留資格の時間は止まりません。在留期限が到来しても更新の手続が取れない、住居地の届出ができない、勤務先を長期に離れる、学校を除籍される、といったことが同時に進行します。出入国在留管理庁の統計によれば、令和7年の在留資格取消件数は1446件と過去最高で、そのうち住居地の届出義務違反等に関する第6号によるものが999件、69・1%を占めています。また、在留資格に応じた活動を継続して三か月以上行っていないことを理由とする第5号は350件でした。つまり、刑事事件の結論が出る前に、在留資格そのものを失う経路が存在します。刑事弁護と入管の手続を切り離して考えてはならない、というのはこの意味です。

報道された事例

神奈川新聞は、2025年1月9日、中国籍の29歳の男性が、他人名義のキャッシュカードをコンビニエンスストアの現金自動預払機で使用したとして、電子計算機使用詐欺の疑いで再逮捕されたと報じました。報道では、約2000万円の不正送金に関わったとされています。逮捕段階の報道であり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。報道からは在留資格が分かりません。再逮捕という言葉が出ている以上、既に一定期間の拘束を経ていることになります。

刑事の結論が出た後に始まる入管の判断

刑事処分が確定すると、次に入管法上の退去強制事由に当たるかどうかが判断されます。出入国管理及び難民認定法(入管法)24条第4号には、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象とする号があり、これに該当すると退去強制の対象になります。ここで正確に理解していただきたいのは、同号のただし書により、全部執行猶予が付いた場合は除かれるということです。刑期が1年を超えていても、全部執行猶予であれば同号には当たりません。一部執行猶予の場合も、実刑部分が1年以下であれば除かれます。「執行猶予でも強制送還される」という説明を見かけることがありますが、この号については誤りです。他方、薬物事犯については別の号が適用され、罰金や執行猶予でも該当します。罪名によって結論が変わりますので、一般論で判断しないでください。

数字で見る退去強制の実際

出入国管理統計によれば、令和7年の退去強制令書発付は総数7722人で、その大半は不法残留を理由とするもの5778人です。無期又は1年を超える拘禁刑を理由とするものは、単独では41人にとどまり、うち中国籍は11人でした。不法残留と並立するものを含めても162人です。刑事事件を起こせば直ちに強制送還される、という理解は正確ではありません。ただし、中国籍の退去強制令書発付総数は686人で、そのうちこの事由が関わるものは単独11人と並立36人の合計47人、比率にして約6・9%です。ベトナム籍の約2・3%と比べると高く、国籍によって様相が異なります。数字は正確に読む必要があります。

実刑となった場合に、なお残されている手段

退去強制の手続に入っても、そこで終わりではありません。出入国管理統計によれば、令和7年に在留特別許可が認められたのは、審査段階824人、口頭審理段階29人、異議申出段階177人の合計1030人です。在留特別許可の申請は、令和5年改正入管法によって手続が法定化され、収容令書により収容された外国人または監理措置決定を受けた外国人に申請権が生じます。考慮要素も法律上明示されました。日本人や永住者との家族関係、日本での在留期間、扶養すべき子の有無、素行、退去強制の理由といった事情が、書面と証拠によって主張されます。なお、在留特別許可の国籍別の内訳は公表されていませんので、中国籍で何件が許可されたという説明はできません。ご家族には、刑事の段階から、婚姻関係や子の就学、納税、就労の実績といった資料を集めておいていただくようお願いしています。刑事が終わってから集め始めるのでは、間に合わないことが多いからです。

中文版:被反复重新逮捕、羁押长达半年之后,等待着的退去强制判断

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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