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ニセ警察詐欺で組織的犯罪処罰法が付くと、刑はどれだけ重くなるのか

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ニセ警察詐欺で組織的犯罪処罰法が付くと、刑はどれだけ重くなるのか

ニセ警察詐欺で組織的犯罪処罰法が付くと、刑はどれだけ重くなるのか

2026/08/31

警察官をかたる詐欺の事件では、単純な詐欺だけでなく、組織的犯罪処罰法違反や電子計算機使用詐欺が一緒に立てられることがあります。ご家族から「罪名が三つも並んでいるのは、それだけ重いということですか」というご質問をいただきます。答えは、単純に三倍になるという意味ではありませんが、量刑の見通しは大きく変わります。この記事では、組織的犯罪処罰法が付くと何が変わるのか、組織性の認定をどこで争うのか、そして複数の罪名が並んだときの処理の考え方を説明します。

組織的犯罪処罰法が付くとはどういうことか

組織的犯罪処罰法は、団体の活動として、あらかじめ定められた任務の分担に従って行われた一定の犯罪について、通常より重い法定刑を定めています。詐欺もその対象に含まれます。ここで重要なのは、単に複数人で犯行に及んだというだけでは足りず、継続的な結合体としての団体があり、その活動として、あらかじめ役割分担が定められていた、と認定できることが必要だという点です。したがって、たまたま知人同士が集まって一回だけ行った詐欺と、指揮系統と役割分担が固定された集団が反復して行う詐欺とでは、扱いが変わります。法定刑が重くなるということは、執行猶予の判断にも影響するということであり、外国人の事件では、そのまま在留の可否に直結します。

組織性はどのように認定され、どこを争うのか

捜査機関は、通信アプリのグループ、指示のやり取り、報酬の分配方法、名簿や台本の存在、道具の共通性、複数事件での役割の一貫性といった事実を積み上げて、団体性と任務分担を立証しようとします。弁護人が争う視点は、主に次の三つです。第1に、団体としての継続的な結合が本当に立証されているか。第2に、本人が、あらかじめ定められた任務の分担に従って行動したという認識を有していたか。指示を受けて一度だけ動いた末端の者は、上位の構造を知らないまま使われていることがあります。第3に、本人が団体の一員として扱われていたのか、それとも使い捨ての外部要員だったのか。報酬の額と支払方法、連絡手段が使い捨てだったか、上位者の氏名すら知らなかったかといった事実が、ここで意味を持ちます。

電子計算機使用詐欺が併せて立てられた場合

被害者をだまして送金や振込みをさせる場面と、他人の情報を使って機械に虚偽の情報を入力し財産上の利益を得る場面とでは、成立する犯罪が異なります。後者については、刑法246条の2の電子計算機使用詐欺が問題になります。実務では、同じ被害金の流れの中で、対人の欺罔行為として詐欺、機械に対する不正入力として電子計算機使用詐欺が、それぞれ立てられることがあります。この場合、両者が一つの行為から生じているのか、別個の行為なのかによって、刑の処理が変わります。弁護人としては、被害金と行為の対応関係を丁寧に整理し、同一の被害について二重に評価されていないかを確認します。罪名が並んでいること自体よりも、実際に評価の対象となる被害の範囲がどこまでかが、量刑を左右します。

報道された事例

琉球新報は、2026年7月3日、警察官をかたる詐欺の事件で、中国籍の44歳の男性が、詐欺、組織的犯罪処罰法違反、電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕されたと報じました。報道では住所不定・無職とされ、20代の女性から40万円の被害が生じたとされています。逮捕段階の報道であり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。報道からは在留資格が分かりません。被害額が40万円という水準は、被害弁償と示談が現実的に検討できる範囲ですが、組織的犯罪処罰法が付いている以上、示談のみで軽い処分に至ると考えるのは早計です。

量刑と在留への影響、そして今日できること

組織的犯罪処罰法違反として重い法定刑が適用されると、実刑となる可能性が相対的に高まります。入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としており、全部執行猶予はただし書で除かれます。つまり、この類型は、退去強制のリスクが現実に立ち上がる数少ない場面の一つです。出入国管理統計によれば、令和7年に同号単独で退去強制令書が発付されたのは全国で41人、うち中国籍は11人であり、不法残留を理由とする5778人と比べれば少数です。ただし、中国籍の退去強制令書発付総数686人のうち、同号が関わるものは単独11人と不法残留との並立36人の合計47人で、比率としては他の国籍より高くなっています。ご家族には、被害弁償の資金確保と並行して、本人が組織内でどのような扱いを受けていたかを示す資料、すなわち連絡手段の使い捨て状況、報酬の少なさ、上位者の氏名を知らなかったことを裏付ける記録の保全をお願いしています。あわせて、有罪となった場合に備え、在留を維持するための家族関係や就労実績の資料を、刑事段階のうちから整えておくことが大切です。

中文版:假冒警察的诈骗案加上组织犯罪处罚法之后,刑罚会重多少

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

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この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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